2022年7月27日水曜日

M2 MacBook Airのレビュー – 最も人気の高いApple Macが変身〜IntefoTips〜

 


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M2 MacBook Airのレビュー – 最も人気の高いApple Macが変身

(この記事は、2022年7月18日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたM2 MacBook Air Review – New Form Factor for Apple’s Most Popular Macの翻訳です)


Appleが2008年に初代MacBook Airを発売した時、それは話題作りのための製品だと思われました( https://www.youtube.com/watch?v=OIV6peKMj9M )。

Steve Jobs氏は、Macworld Expoのキーノートでこの製品をお披露目した時、あたかも小荷物でなく手紙として郵送できるかのように茶封筒から取り出したのです。

とにかく軽量で薄いという点を押し出した製品でした。

処理能力は高速とは言えませんでしたが、MacにSSDオプションが用意された最初の製品であり、今思えばこの製品のその後の著しい進化を予想させる登場でもありました。

基本モデルでも229,800円し、SSDモデルに至っては当初は388,400円でフラッシュメモリの価格下落を反映して半年後に325,400円に値下げされたとは言え馬鹿げたほどに高価でした

( https://arstechnica.com/gadgets/2008/07/macbook-air-ssd-purchase-price-drops-by-500/ )。


それから14年が経ち、今ではほとんどの人を満足させるMacであり、実際に最も人気の高いAppleの旗艦製品になったMacBook Airが、この度その外観を一新したのです。特徴であった空力的な楔形の形状は、虚飾のないまっすぐな線で置き換えられました。

AppleのMacBook Proシリーズよりは薄くて軽く、これまでのMacBook Airよりも12.9″ iPad Proに近い見た目と言えるでしょう。


もう何年もAppleのラップトップ製品を使ってきましたが、その中でもMacBook Airこそ私のお気に入りでした。

MacBook Proも何台か持っていましたが、私がラップトップで行うような作業に対しては無駄にパワフルでした。

ほとんどの人にとって、これは同じ状況でしょう。開発者やデザイナ、あるいはビデオ編集者でもなければ、MacBook Airで十分だと思います。


■新しいMacBook Airはセクシー

新しいMacBook Airのカラーには、若干金色寄りのスターライト、見慣れたスペースグレイとシルバーがありますが、新たに追加されたミッドナイトは本当にセクシーだと思います。

Appleが何年も前に販売していたブラックなラップトップをちょっと思い出させる青っぽいガンメタルグレイに近い色合いで、控えめながら艶やかです。個人的にはダークモードで作業しませんが、この色にはぴったりの設定でしょう。

アルミ製のラップトップは指紋が付きやすいですが、ミッドナイトでは一段と指紋が目立つので注意が必要です。マイクロファイバーの布を常備し、気づいたらすぐに拭くようにしましょう。

Appleが数ヶ月前に2,480円でポリッシングクロスを発売したのはこのためだったのかも知れませんね

( https://www.apple.com/jp/shop/product/MM6F3FE/A/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9 )。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/air-fingerprints.jpeg


この新しいMacを、今もAppleが販売しているM1 MacBook Airと比較する人もいるでしょう

( https://www.intego.com/mac-security-blog/a-week-with-the-new-apple-m1-macbook-air/ )。

でも、本当に比較するべきなのはM1 MacBook Airよりも44,000円高いだけで、より大きくて明るいディスプレイ、より多くのコアを内蔵するグラフィックプロセッサ、そしてM1 Macの最大16 GBより大きな最大24 GB RAMに対応するM2 MacBook Proではないでしょうか。

特にM2 MacBook Proに搭載される、主要なグラフィック形式のエンコードとデコードをハードウェアによって高速化するメディアエンジンの存在は魅力的でしょう。

このエンジンによってビデオレンダリングにかかる時間は短縮され、ビデオ再生中のバッテリ寿命も伸びるのです。


どちらのM2の機種のディスプレイも500 nitの明るさなので、M1版より100 nit明るいということになります。MacBook Airのディスプレイサイズは13.6″のところ、他の機種では13.3″ です。

ディスプレイは少し縦方向に長く、デフォルトの解像度は縦に64ピクセル分長い2560 x 1664ピクセルで、メニューバーにカメラの部分でちょっとだけノッチがあります。

私にとってはノッチがある初めてのMacですが、すぐに慣れるでしょうしディスプレイの周囲の枠が薄いことの方が重要です。

なお、M2 MacBook AirのFaceTimeカメラは1080pです(MacBook Proでは、まだ720pカメラです)。さらに空間オーディオ対応で音の良い4個のスピーカがついています。


そして、M2 MacBook Airにもついにフルサイズのファンクションキーが搭載されました。

以前の機種のミニサイズのキーにはイライラさせられたので、大きなキーになったのは嬉しいです。またTouch IDセンサーを兼ねる電源ボタンも大きくなったのは良いことです。

さらに、もう充電ケーブルを引っ掛けてMacを床に落としてしまう心配がなくなるMagSafe充電に対応したのは素晴らしと思います。

この充電ポートに加えて2個のThunderbolt 4 USB-Cポートがあるので、同時に2台の周辺機器を使えます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/air-edge.jpeg


■M2 MacBook Airの処理速度

このMacBook Airには、Appleの新しいM2プロセッサが搭載されているのですから、先代の機種より処理能力が高いはずですよね? ところが、話はそんなに単純ではありません。

なぜなら、Macではプロセッサだけで処理速度が決まらないからです。

最新の13″ MacBook Proにの基本モデルにも搭載されている256 GB SSDは、より大きなストレージ容量のオプションよりも読み書き速度が遅いのです

( https://www.macrumors.com/2022/06/26/base-m2-13-inch-macbook-pro-slower-ssd-speeds/ )。

この256 GB SSDでは、AppleはNANDフラッシュストレージチップを1個しか使っていません(512  GB以上など、より大きなストレージでは2個です)。

古いMacBook ProおよびMacBook Airの機種では256 GBストレージでも2個の128 GBチップを使っていたのですが、このように2個のチップがあれば並行処理が可能なので、より高速な読み書き速度が実現すると考えられます。


この差は、実際のところ歴然です。私のM1 MacBook Airと新しいM2 MacBook Airの処理速度を、BlackMagic Disk Speed Test’の5 GBテストルーティンで比べると後者の書き込み速度は20%以上遅く、読み込み速度はほぼ半分でした。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/speed-test.png

Macでは、実装されているメモリ容量よりも大きなメモリ領域を実現するために、常時ディスクにスワップファイルを読み書きする仮想メモリという仕組みを使っています

( https://support.apple.com/ja-jp/guide/mac-help/mh11852/mac )。

ディスク上のファイルの読み書きはRAMの読み書きよりも低速なので、より高速なはずの新しいプロセッサであっても、SSDの速度が遅いと多くのメモリを必要とするAppの動作に影響してきます。

もちろん、ファイルの読み出し自体が全体的に遅くなります。


言うまでもなく、ドライブの速度だけで全てが決まるわけでもありません。

なので、Appleによれば10〜20%と若干高速なはずの新しいプロセッサと低速なSSDの組み合わせが処理速度にどう影響するのか、実際の例を見る必要があります。

256 GBのドライブを持つM1とM2の2種類の異なるプロセッサのMacBook Airと1 TBのドライブを持つM1 iMacという私の3台のMacで、動画、PDF、写真、そしてテキストファイルが保管された9.17 GBのフォルダを圧縮した結果が次です:


M1 MacBook Air: 3:10

M1 iMac: 3:13

M2 MacBook Air: 3:11


そして4.79 GBのミュージックファイルを保管したフォルダを展開した結果です:


M1 MacBook Air: 0:10

M1 iMac: 0:11

M2 MacBook Air: 0:09


ご覧の通り、数値に大きな違いがありません。プロセッサの速度の差が、SSDの速度の差で相殺されているのです。

プロセッサにもっと負荷のかかるドライブから大量のデータを読み込む処理で試験しても、似たような結果になることが予想できます。

この結果が気になるという人は、512 GB以上のドライブを選んでください。


でも、これで終わりではありません。MacBook Airはファンレスです。

ファンの音をうるさく感じる人にとって、ファンレスは素晴らしいことです。

でも、M2プロセッサには温度が上がると自動で処理速度を落として温度を下げようとする機能があるのですが、M1より処理速度が高い分だけ温度もより上がります。

つまり、プロセッサ負荷の高い処理を実行すると、同じプロセッサでもファンで冷却されるMacBook ProよりMacBook Airの方が時間がかかることを意味します。

Tom’s Guideによれば、この事実により動画のトランスコーディングがMacBook ProよりMacBook Airの方が目に見えて遅いということです

( https://www.tomsguide.com/face-off/macbook-air-m2-vs-macbook-air-m1-which-macbook-should-you-buy )。

このようにプロセッサ負荷が高い処理を実行するためにかかる時間は、プロセッサの速度、ドライブの速度、そして自動での速度低下の組み合わせで決まります。

まぁ、ここで比較している相手は“pro”版のMacですし、AppleとしてはMacBook Airを買う多くのユーザもこうした事実には興味がないだろうと考えているようです。


このように欠点もあるわけですが、Appleの最も人気が高いラップトップのより薄く軽い姿への変身は歓迎すべきでしょう。とは言え、Appleがまだ販売している30,000円安い古いM1 MacBook Airを選んだ方が賢い場合もあり得ます。

ほとんどのユーザにとって、基本の8 GB RAMと256 GB SSDで十分だとは思いますが、デスクトップApp、ウェブブラウザ、そして電子メール以外のプログラムも使用しており、さらにSSDの速度の遅さが気になるなら、最低でも512 GBのストレージを検討するべきです。

そのために28,000円余分に払うなら、この際にRAMも16 GBに増やすべきでしょう。

この時点で、220,800円のMacBook Airになります。M1 MacBook Airなら、134,800円ですよ。


AppleのMシリーズプロセッサの速度と効率の良さを考えると、このラップトップはこれまでのIntelベースのMacより長い寿命を実現すると思います。

M2 MacBook Airを買うなら、より長く使い続けられるように今必要なRAMとストレージ容量より大きな容量を選ぶのが無難です。

そうなると、前述の通りもう安いラップトップとは言えませんが、この先かなり長期間に渡り使うことができるでしょう。


■お使いのMacは安全ですか?

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

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2022年7月13日水曜日

macOS Ventura BetaをUTMを使ってM1あるいはM2Macの仮想マシンにインストールする方法

こんにちは、いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
IntegoTipsをお届けいたします。

macOS Ventura BetaをUTMを使ってM1あるいはM2Macの仮想マシンにインストールする方法(この記事は、2022年7月5日にKirkMcElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMacSecurity Blogに投稿されたInstall macOS Ventura Beta in a Virtual Machine on anM1 or M2 Mac with UTMの翻訳です)

先日、UTMを使ってM1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法について解説しましたhttps://act2blog.blogspot.com/2022/07/m1m2-macwindows-11integotips.html)。

ちなみに、UTMはお使いのMacで他のオペレーティングシステムを実行することを可能にする無料でオープンソースの仮想化ソフトウェアです。

WindowsおよびLinuxが実行できるだけでなく、MacOS9.2さえも実行できます。さらに言えば、macOS Montereyもインストールできるし、macOSVenturaのベータ版を使って仮想マシンを作成することもできます。今回は、その方法を説明しましょう。

■UTMにmacOSをインストール

UTMをダウンロードして設定する方法は、前出の「M1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法」という記事で説明しました。

https://act2blog.blogspot.com/2022/07/m1m2-macwindows-11integotips.html

なので、UTMを使うための最初の手順については、該当記事を参照してください。

macOSをインストールするには、Start画面でVirtualizeをクリックし、続いてOperatingSystem画面でmacOS 12+をクリックしてください。

"recovery IPSW"をダウンロードするか確認されます。IPSW( https://en.wikipedia.org/wiki/IPSW)は、AppleがiPhoneとiPadのファームウェアを提供するために使っているファイルですが、M1プロセッサが登場してからはMacでも使われています。

モバイル端末の場合は接続すればFinder経由で復旧用のIPSWファイルを入手できますが、Macの場合は復旧パーティションから起動しなければなりません。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac4.png

UTMはお使いのMacに必要なIPSWを提供できるはずですが、私が試験した限りでは、このファイルを使ったインストールは完了しませんでした。

Mr.Macintosh(https://mrmacintosh.com/apple-silicon-m1-full-macos-restore-ipsw-firmware-files-database/)やIPSW Downloads( https://ipsw.me/)などAppleのIPSWファイルへのリンクが記載されたウェブサイトがいくつかありますが、このいずれからでもお使いのM1Macに必要なIPSWを見つけてダウンロードすることができるでしょう。

次の手順では、2つの選択肢があります。私はデベロッパアカウントを持っているので、macOSMonterey用の復元用IPSWファイルをダウンロードして、そのオペレーティングシステムをmacOSVenturaの開発者用ベータ版にアップデートすることができます。

デベロッパアカウントを持っていない場合は、Mr.MacintoshからVenturaのパブリックベータをダウンロードしてください。

この場合、最新バージョンをダウンロードしても開発者用ベータよりは古い可能性があります。

Browseをクリックし、ファイルを選択してContinueをクリックします。

次の2つの画面では、ハードウェアとストレージ設定を選択するように促されます。

MemoryおよびCPU設定はデフォルトのままにし、ストレージは仮想マシンのサイズに合わせて調整するのが良いでしょう。

仮想マシンのサイズについては、後述します。

Summary画面では、仮想マシンの名前を指定してSaveをクリックします。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac7.png

次の画面には、仮想マシンのリストが表示されますので、macOSのために今作成した仮想マシンを選んで大きな矢印をクリックすれば、インストール処理が開始されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac8.png

このドライブに本当にmacOSをインストールして良いか、UTMが確認しますのでOKをクリックします。

すると復旧用IPSWを読み込み、ソフトウェアのインストール処理を開始します。

完了するまで、しばらくかかるでしょう。

完了すると、macOSをインストールしたり、新しいMacを設定した時と同じ初期設定画面が表示されます。地域と言語を選び、指定するように促されるすべての設定を行います。

しかし、AppleIDとパスワードの入力の部分で問題が発生します。処理が完了できないというメッセージが表示されるのです。

なので、AppleIDについては後で設定を選び、初期設定を完了させてください。完了したら、インストールしたバージョンのmacOSが立ち上がります。

デベロッパアカウントをお持ちなら、仮想マシン内のSafarideveloper.apple.comhttps://developer.apple.com/ )を開き、アカウントにサインインし、macOS DeveloperBeta AccessUtilityをダウンロードしてください。

インストーラを実行すると、システム環境設定のソフトウェアアップデート画面が開きます。

これで、ソフトウェアアップデートを使ってmacOSVenturaの最新バージョンとそれに続くベータ版がダウンロードできます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac11.png

完了したら、UTMウインドウ内にmacOS Venturaが表示されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac10.jpg

デフォルトでは、UTMがmacOSを1920 x1200の解像度で表示します。

解像度は仮想マシンの設定で変更できますが、事前に仮想マシンを終了しておく必要があります。

UTMウインドウで、ツールバーの右に表示されたボタンをクリックして設定を開き、サイドバーのDisplayをクリックしてください。

すると、Macの特定の機種を含む非常に長いサイズのリストが表示されるので、仮想マシンの解像度を選択してください。

変更は、次に仮想マシンを起動した際に適用されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac13.png

■UTMでmacOSを使う

macOSはUTMで問題なく実行できますし、仮想化であってエミュレーションではありませんから、処理速度もネーティブで実行されているのとほとんど変わりません。しかし制限もあります。残念ながらシステム環境設定でApple
IDを承認できないため、連絡先、カレンダといったiCloudデータが使えず、そしてAppleMusicやAppleTV+のサブスクリプションも使えません。共有フォルダを使ったり、仮想マシンとホストの間でコピー&ペーストを実現するためのSPICEツールもインストールできません(https://github.com/utmapp/UTM/discussions/3772 )。

仮想マシンにファイルを移動したり、仮想マシンからファイルを取り出したい場合は、SafariでiCloud.comにログインし、そこからiCloudDriveを使うという手があります。

ファイルの保管に普段からDropboxやOneDriveといった他のクラウドストレージソフトウェアを使っているなら、インストールしても構いません(私は試験していませんが、動作しない理由はないと思います)。

Apple IDでウェブサイトにログインすることはできます。ただしApple IDでMac AppStoreにサインインできないので、ソフトウェアをダウンロードすることもできません。

つまり、仮想化環境でのmacOSの利用には限界があるということです。

単にmacOSの異なるバージョンやベータ版を試したいだけなら、大した問題ではないでしょう。

しかしiCloudへのアクセスが必須なAppの試験をしようと思っていた開発者は、この方法を諦めるしかありません。

前出のmacOS用仮想マシンのサイズですが、私の場合はデフォルトの64 GBで問題なくインストールができ、その後の仮想マシンの空き容量は40GBほどとなっています(UTMおよび私のMacでは、この64 GBの仮想マシンは68.75
GBと表示されます)。

これは、お使いのMacのストレージに余裕がない場合は問題となるでしょう。私は試していませんが、仮想マシンのサイズをもっと小さくして試すのも手で、合計40GBほどのサイズでも動作すると思います。macOSで仮想マシンを見るとディスクのサイズが約63GBなのですが、これはいわゆる1000対1024のビットとバイトの計算方法の違いによるものでバグとかではないでしょう。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac12.png

UTMの利用はmacOSを実行するための完璧な解決策ではありませんが、ベータ版を試したい人には良い選択肢で、ベータ版毎に毎回わざわざMac上でパーティションを切ってインストールする手間と労力は省けるはずです。

AppleIDの問題が大きいですが、比較的簡単にVenturaのベータ版が試験できますので試す価値はあるでしょう。

■お使いのMacは安全ですか?

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2022年7月6日水曜日

M1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法〜IntegoTips〜

 

こんにちは、いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

act2ブログ〜IntegoTips〜をお届けいたします。

M1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法

(この記事は、2022年6月30日にKirkMcElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)およびJoshuaLong(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/joshlong/)によってMacSecurity Blogに投稿されたHow to Run Windows 11 for Free on an M1 or M2Macの翻訳です)

かなり昔から、AppleはBoot Camp( https://support.apple.com/ja-jp/boot-camp
)という機能によって比較的簡単にMacでWindowsを使えるようにしてきました。このBoot
Campを使えば、Intelプロセッサを搭載するMacをmacOSとWindowsのどちらからでも起動することができるので、両方のオペレーティングシステムを使う必要がある人には手放せないものになっています。

ところが残念なことに、AppleはIntelプロセッサを搭載するMacにしかBoot
Campを提供していません。つまりAppleがMacにM1とM2というApple製プロセッサを搭載してから、Windowsで起動したり(https://act2blog.blogspot.com/2022/07/2022mac-integotips.html)、Intelプロセッサを利用してWindows用Appをネーティブで実行できるMacはほとんどなくなりました(https://act2blog.blogspot.com/2022/06/intelm1-macwindows.html)。現状、Appleが販売するIntelプロセッサを搭載するMacは、Macminiの1機種と一般的なパーソナルコンピュータの価格帯をはるかに超える価格のMacProだけです。

しかし、今後はApple製プロセッサを使いたい人にも、まだ仮想化という選択肢が残っています。MacでWindowsや他のオペレーティングシステムを実行するためのAppとしては、ここしばらくはMVWare
FusionとParallelsDesktopの2つが主流となっています。ただし、M1あるいはM2を搭載するMacに対応しているのはParallelsDesktopだけです。ちなみにParallels Desktopの価格は、旧バージョンからのアップグレードが5,204円、そしてProEditionは9,818円となっています(https://www.parallels.com/jp/products/desktop/buy/)。キャンペーンなどでは、もう少し安い価格になっていることでしょう。

この金額が高いと思う人には、インストールがちょっと面倒ですが無料でオープンソースのエミュレータ、QEMUという選択肢もあります(https://www.qemu.org/download/#macos )。しかも、UTMAppというプログラムを使えばMacでQEMUを利用する際の設定を極力省くこともできます。UTMはParallelsDesktopほどの機能は持ちませんが、無料です(正確に言えば、支払わない方法があります)。

この記事では、無料のUTMと無料のWindows 11 Proを使って、M1、M1 Pro、M1 Max、M1Ultra、あるいはM2プロセッサを搭載するMacでWindowsを実行する方法を説明します。

■UTMについて

UTMは、QEMUのすべてのソフトウェアを含む上にユーザに分かりやすいグラフィカルインタフェースが搭載されています。UTMを使うには基本的にコマンド入力が不要で、見た目はParallels
Desktopに少し似ています。UTMをインストールしてWindowsを設定することは、さほど複雑ではありません。

UTMはそのウェブサイトから無料でダウンロードできますが( https://mac.getutm.app/
)、Mac App Storeから1,220円で購入することもできます(https://apps.apple.com/jp/app/utm-virtual-machines/id1538878817)。どちらでも同じバージョンのUTMが入手できますが、Mac App
Store経由で購入した場合は開発を金銭的に支援することができる上に、今後もプログラムは自動アップデートされます。ウェブサイトからダウンロードできる無料版には自動アップデート機能がないため、常に最新版を使いたければこまめにUTMのアップデートの有無をチェックし、アップデートがあれば手動でダウンロードしなければなりません。

■初めてのUTM

使用開始する前に、起動ボリュームに少なくとも100
GBの空き容量があることを確認してください。これだけの空き容量があれば、UTMとWindowsをダウンロードしてインストールしても少しは空き容量が残るので、今後のmacOSのセキュリティアップデートも問題なくダウンロードしてインストールできるでしょう。空き容量が100GBない場合はIntegoのセキュリティおよびユーティリティのバンドル製品であるMac PremiumBundle X9( https://www.act2.com/integostore )に含まれるWashing
Machineのようなプログラムを使って空き容量を増やすことができるかもしれません。

Mac App Storeで購入したのではなく、ウェブサイトからUTMの無料版をダウンロードした場合、プログラムは275
MBのディスクイメージとしてダウンロードされます。ディスクイメージを開くと次の図のような画面になるので、UTMAppをアプリケーションフォルダへドラッグしてコピーしてください。UTMのディスクイメージは圧縮されているので、アプリケーションフォルダへAppをコピーすると実際には1.1GBほどの容量を消費します。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm1.png

UTMを開くと、次の図のような画面が表示されます:
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm2.png

このような仮想化ソフトウェアの設定では、まず新しい仮想マシンを作成します。こうして作成した仮想マシンに、UTM経由で使用できるWindowsとAppをインストールします。MicrosoftはIntelプロセッサ用のWindowsしか販売していないので、M1あるいはM2MacでWindowsを使うためにはARMプロセッサに対応する特殊なバージョンを入手しなければなりません。ARMというのは、AppleのM1およびM2プロセッサの基になっているプロセッサのシリーズです。現時点では、MicrosoftはARMプロセッサ用のWindowsを販売していませんが、Windows
Insider Programに参加すればWindows 11のプレビュー版を無料でダウンロードすることができます(
https://www.microsoft.com/en-us/software-download/windowsinsiderpreviewARM64
)。このファイルは10GB以上の容量があるので、高速な回線でダウンロードしないとダウンロードに一晩中かかる可能性もあります。

なお、サードパーティ製のWindows用ソフトウェアには、ARM用のWindowsに完全対応していないものがあることに注意しておいてください。ARM用Windows11はARMプロセッサ用ですが、基本的なIntel用Appも実行できるようにx86/x64エミュレーションエンジンが内蔵されています。これは、Intelプロセッサ用macOSを対象にしたAppをApple製プロセッサを搭載するMacで実行するためのRosetta2と同様の考え方です( https://support.apple.com/ja-jp/HT211861)。ただしアンチウイルスソフトやビデオゲームなど複雑なソフトウェアの場合は、開発元がAppをARMネーティブに書き換えるまで動作しない可能性があります。MicrosoftがARM用Windowsを販売も宣伝もしていない現状なので、ARMネーティブのWindows用Appを開発する開発元はほとんどありません。繰り返しになりますが、多くのサードパーティ製AppはMicrosoftの内蔵エミュレータで問題なく動作するので大きな問題はないでしょう。

Windows11が完全にダウンロードされるまで、UTMのGalleryを覗いてみるのも良い考えです。これは、ダウンロードできる仮想マシンのリストを確認できるUTMのウェブページです(https://mac.getutm.app/gallery/
)。リストには、利用可能な多様なLinuxディストリビューションに加え、懐古趣味を満足させるためのMac
OS 9.2.1も用意されています。Classic Mac OSを使う場合は、Mac OS 9: Some Love for
the Classics!(https://www.intego.com/mac-security-blog/mac-os-9-some-love-for-the-classics/)という記事も参照ください。 すでにサポートは終了していますが、Mac OS9用の古いIntego製ユーティリティをダウンロードするリンクもあります。

UTMで特定の仮想マシンを初めて起動した場合、マウスカーソルは動作しません。次の図で矢印の右にあるUTMツールバーのマウスカーソルをキャプチャするためのボタンをクリックしてください。カーソルが仮想マシンによって「キャプチャ」された状態からカーソルを解放したい場合は、Control+Optionを押してください。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm3.png

このギャラリーには、いくつもの古いバージョンのWindowsがあることに気づくことでしょう。Windows
7あるいはWindows XPを実行するための仮想マシンをダウンロードすることもできます。MacOS 9同様、こうした古いWindowsのバージョンにはセキュリティアップデートは提供されていないのでご注意ください。Windows11の項目には、この記事で説明しているのと同様のインストール手順が記載されています。ダウンロードしてすぐに使い始めることができる仮想マシンは存在しませんので、このガイドでは順を追って操作を説明していきます。

■Windows仮想マシンの設定

Windows仮想マシンを設定するには、UTMのホーム画面で「Create a New Virtual
Machine」をクリックし、ツールバーの「+」アイコンをクリックします。ここではARM用のWindows11をダウンロードしてありますので、次の画面ではVirtualizeを選んでください。これは、選択したソフトウェアがM1あるいはM2プロセッサ上でネーティブで実行することを意味します。なお、M1あるいはM2プロセッサを搭載したMacでIntel用のWindows11を実行したい場合は、エミュレーションが必要なので処理速度の遅いEmulateを選ぶことになります。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm4.png

次の画面では、どのオペレーティングシステムを実行するか指定しますのでWindowsを選んでください。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm5.png

次の画面には有効になっている2個のオプションがありますので、そのまま有効にしておいてください。BrowseをクリックしたらダウンロードしたWindows
11 VHDXイメージを指定し、OpenをクリックしてからContinueをクリックします。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm6.png

続いて、仮想マシンに割り当てるメモリ容量とCPUコアの数を選びます。デフォルトのままにしておいて、必要なら後で変更するのが良いでしょう。Continueをクリックします。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm7.png

次の画面では、共有ディレクトリ、あるいは共有するフォルダを選択できます。この設定は、Macから仮想マシンへ、あるいは仮想マシンからMacへファイルを転送したい場合は必須です。Browseをクリックして使いたいフォルダを指定するか、新規フォルダを作成します。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm8.png

最後の設定画面は、まとめ画面です。ここで設定の内容を確認するとともに、仮想マシンの名前を指定できます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm9.png

Saveをクリックすると、UTMが仮想マシンを用意します。次のような画面が表示されます:
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm10.png

大きな矢印をクリックすると、仮想マシンが起動します。数分でWindowsの設定画面が表示されます。前述の通り、UTMウインドウ内でカーソルを使うためにはツールバーに表示されたカーソルボタンをクリックする必要があります。その後、UTMにカーソルを解放させるにはControl+Optionキーを押す必要があることは忘れないでください。

設定の過程でWindowsがネットワークへのアクセスを要求しますが、これがちょっと面倒なのです。とりあえず、Shift-F10キーを押してWindowsコマンドプロンプトを起動し、OOBE\BYPASSNROと入力してEnterキーを押してください。これで、Windowsにネットワーク設定をスキップさせられます。仮想マシンが再起動するので、設定でネットワーク画面が表示されたら「Idon't have internet」というオプションを選びます。このオプションをクリックし、Continuewith limitedsetupをクリックします。後でソフトウェアを追加でインストールすることで、ネットワークを利用できるようになります。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm11.png

次の設定は、ユーザアカウントです。好みのユーザ名とパスワードを入力し、3個のセキュリティの質問を設定します。これは、自分のことをちょっとでも知っている人なら、あるいは自分のFacebookの投稿を読んでいる人なら、誰でも答えられるような単純な質問です。なので、質問には正直に答えず適当な答えを設定し、それを忘れないように記録しておくのも良い考えです。質問と回答をパスワードマネージャに保存しておくこともできます(
https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-choose-the-right-password-manager-for-you/
)。

その後もいくつかの画面を進み、設定が終わるまで数分待つと、Windowsのデスクトップが表示されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm12.png

でも、まだ終わりじゃありません。ネットワークやその他の機能を使うためにいくつかのソフトウェアをインストールしなければなりません。UTMのサポートページ(https://mac.getutm.app/support/ )を開き、SPICE Guest Tools and QEMU Drivers(Windows)をダウンロードしてください。

この.isoディスクイメージファイルをダウンロードしたら、UTMウインドウのツールバーで右から2番目に表示されたDriveOptionsボタンをクリックします。CD/DVD (ISO) image (usb) >
Changeを選び、イメージファイルを選択します。Openを選ぶと、D:ドライブとしてマウントされます。後ろにバージョン番号が付いたspice-guest-toolsという名称のファイルがありますので開き、インストールを許可してください。これでネットワークドライバが追加され、さらにコピー&ペーストなどの他の機能を実現します。

このインストールが完了したら、仮想マシンを再起動します。これで、Windowsが使えるようになりました。

UTMは素晴らしいソフトウェアとはいえ無料ですから、Parallels
Desktopより機能が少ないです。処理速度も遅いし、オペレーティングシステム間でファイルをドラッグすることもできません。でも、SPICE
Guest
Toolsのおかげで、オペレーティングシステム間で少なくともテキストはコピー&ペーストできます。

■UTM環境設定と設定

UTMの環境設定と設定は、2つの場所にあります。メニューバーのAppleメニューの隣にあるUTMメニューをクリックしてPreferencesを選ぶと、App自体の環境設定画面が開きます。特別な理由がなければ、その設定はデフォルトのまま変更しない方が良いでしょう。

QEMUおよび仮想マシンに関係する設定を呼び出すには、仮想マシンを選んでツールバーに表示されたEditボタンをクリックします。仮想マシンの設定を変更するバイは、事前に仮想マシンを終了して仮想マシンのステータスにStoppedと表示されている必要があるので注意してください。
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ここには、CPUコアやメモリなど変更できる設定がたくさんあります。UTMを初めて設定する際には、こうした設定をデフォルトのままにしておくように上でお勧めしました。でも、お使いの仮想マシンが遅いと感じたら、メモリやCPUコアを増やして違いがあるか試すことができます。ただし、この設定変更が必要なのは、プロセッサやRAMに負担のかかる処理を行う場合だけで一般的な用途では変更しても大きな違いは期待できません。
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他の設定も確認だけはしておきましょう。基本的に設定はしなくて構いませんが、必要なら変更も可能です。

■これでM1 Macでも無料でWindowsが使えます

前述の通り、Mac App
Storeで1,220円で販売されているUTMなら、Appは自動でアップデートされます。ウェブサイトから無料でダウンロードした場合、Appには自動アップデート機能が内蔵されていないので、新しいバージョンが公開される度にUTMを手動でアップデートしなければなりません。最新バージョンはUTMGitHubページ( https://github.com/utmapp/UTM/releases)で確認できます。アップデートにはUTMのAppとその基になっているQEMUソフトウェアの両方のアップデートが含まれているので、必ず常に最新にアップデートしておかなければなりません

Windowsを頻繁に使うにしても時々しか使わないにしても、UTMは無料でWindowsが使える素晴らしい方法です。なお現時点ではWindows11も無料ですが、いつまで無料でダウンロードできるかは誰にもわかりません。今後どこかの時点で、MicrosoftがARM用Windowsを販売開始する可能性は高いと思います。

■お使いのMacは安全ですか?

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego

株式会社アクト・ツー
Software Product Team