2022年9月27日火曜日

最新の詐欺:偽の App Store ページ!?

【Intego ブログより】


それにしても... 詐欺事件とはイヤなものですね...

今回は、なんと、偽の App Store のお話です。

 

(この記事は、2022年9月15日にJoshua Long(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/joshlong/)によって Mac Security Blog に投稿された “Fake App Store pages are the new fake Flash Player alerts” を本人の了解のもとに翻訳したものです)

 

これまで10年以上に渡り、検索エンジン検索結果の危険性について書いてきました。Google、Bing、あるいは他の主要な検索エンジンであっても、あらゆる検索結果に危険なリンクが含まれている可能性があるのです。

 

検査結果には、ためになりそうなページへのリンクが並んでいますが、その全てが本当に有益だとは限りません。

 

実際のところ、検索結果に表示されるリンク先が肩透かしどころでなく危険であることもあり得ます。その先にはマルウェア、フィッシングサイト、あるいは他の詐欺サイトが手ぐすね引いて待っている可能性があるのです。

 

●最新の詐欺: 偽の App Store ページ

 

今週、古参のMac関連ジャーナリストでありIntegoの寄稿者で、Intego Mac Podcast( https://podcast.intego.com/ )のホストでもある Kirk McElhearn 氏から、次のような興味深いスクリーンショットが届きました:

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/09/fake-apple-app-store-page.jpg

 

ぱっと見では、問題のない App Store のアプリページのように見えるでしょう。しかし App Store を熟知したユーザがよく見れば、変なところに気づくはずです。

 

まず、下向き矢印が付いた大きな緑の「DOWNLOAD」ボタンは、Appleが普段使っているボタンには見えません。アプリのアイコンが表示されるはずの場所には、灰色の背景にAppleのロゴのアウトラインが表示されています。そして、App Store には torrent あるいはBitTorrent クライアントは存在しないはずなのに、このアプリの名前には torrent という単語が含まれています。

 

とはいえ、一般的なMacユーザはこんな些細な違いは見逃してしまうはずです。そして、それこそがこのページの目論みなのです。

 

クリックすると何が起きるか

 

このようなページの Download ボタンをクリックすると、例えば Adobe Flash Player のインストーラに偽装された Bundlore の亜種のような、Macを狙うマルゥエアのページへ転送されます。信じられないかも知れませんが、Flashは2020年に開発終了しています( https://www.intego.com/mac-security-blog/the-history-of-adobe-flash-player-from-multimedia-to-malware/ )。

 

あるいは、アカウントの作成を促す偽のページに転送され、結果として電子メールアドレスとパスワードを盗まれるかも知れません。多くの人が同じパスワードを複数のサイトで使い回していることを考えると、こんな偽サイトの運営者が盗んだ情報を使って電子メール、Facebook、あるいは他のアカウントをハッキングする可能性もあります。

 

 

●より注意深くなると同時に保護を導入

 

前出のような危険なサイトに出会ったら、Command-W(⌘W)キーを押して速やかにブラウザのタブあるいはページを閉じてください。お使いのコンピュータに意図せずマルウェアがダウンロードされた気配があるなら、IntegoのMac( https://act2.com/intego )あるいはWindows用ソフトウェア( https://www.intego.com/jp/intego-antivirus )のデモ版をダウンロードしてスキャンを試してください。

 

可能な限り、ソフトウェアは Mac、iPhone、あるいは iPad に最初からインストールされている Apple の App Store App から直接ダウンロードしてください。必要な Mac 用アプリがApp Store にない場合は、ソフトウェアの開発元のサイトを直接に開いて購入あるいはダウンロードする方法を調べるのが最善です。

 

そして、Intego の Mac Premium Bundle X9( https://act2.com/intego )のような、信頼できる開発元が提供するアンチウイルスソフトを使うようにしましょう。

 

■お使いのMacは安全ですか?

 

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次の Intego 製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego

 

 

 

少しづつ秋の気配が深まっていく今日このごろです。

どうか、みなさま、ご健康でご活躍くださいますよう、

スタッフ一同、心より祈念しております。

 

株式会社アクト・ツー

Software Product Team


2022年8月19日金曜日

Apple が Monterey 12.5.1、iOS 、そして iPadOS 15.6.1 で悪用されている脆弱性を修正 ~IntegoTips~

みなさん、こんにちは!

いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、2022年8月18日にJoshua Long(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/joshlong/)によってMac Security Blogに投稿された"Apple Patches Two Actively Exploited Vulns in Monterey 12.5.1, iOS and iPadOS 15.6.1" (AppleがMonterey 12.5.1、iOS 、そしてiPadOS 15.6.1で悪用されている脆弱性を修正について解説します。

 



2022年8月17日、悪用されている2個の脆弱性(既に世に出回っているゼロデイ脆弱性)を修正するために Apple が最新バージョン のmacOS、iOS、そして iPadOS 用のアップデートを公開しました。この記事では、アップデートの内容を調べて Apple が何か見逃していないかを考察するものです。

 

■ macOS Monterey 12.5.1

このMac用最新オペレーティングシステムのアップデートは、macOS Montereyを実行している対応するすべてのMacで適用できます。AppleによるmacOS Montereyアップデートのリリースノートでは、macOS Monterey 12.5.1は「このアップデートをすべてのユーザに推奨します。このアップデートを適用するとmacOSのセキュリティが向上します」とされています( https://support.apple.com/ja-jp/HT213413 )。

 

このアップデートに含まれていることがわかっているセキュリティ関連の修正は、たったの2個ですが、どちらも非常に危険で今すぐにパッチされる必要があります:

Kernel

対象 OS:macOS Monterey

影響:アプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。Apple では、この脆弱性が悪用された可能性があるという報告について把握しています。*

説明:配列境界チェック機能を改善することで、領域外書き込みの脆弱性に対処しました。

CVE-2022-32894:匿名の研究者

WebKit

対象 OS:macOS Monterey

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。Apple では、この脆弱性が悪用された可能性があるという報告について把握しています。*

説明:配列境界チェック機能を改善することで、領域外書き込みの脆弱性に対処しました。

WebKit Bugzilla:243557

CVE-2022-32893:匿名の研究者

*この記事の著者による注意喚起

 

上記が、macOS Monterey 12.5.1のセキュリティに関してAppleが公開したすべてです。

 

このアップデートは、システム環境設定 > ソフトウェア・アップデートから適用できます。なお、macOS Mojave 以降を実行する対応するMacであれば、まず Monterey へのアップグレードが表示されます。お使いの Mac の macOS が High Sierra 以前の場合は、App Storeで macOS Monterey を探してダウンロードしてください。

 

■ macOS Big Sur および macOS Catalina 用のアップデート

 

2世代前までの macOS である macOS Big Sur あるいは macOS Catalina に Apple がアップデートを公開していないことにも触れざるを得ません。通常、Apple は macOS の最新バージョンから1世代前および2世代前までの macOS に対しても、全てではありませんがセキュリティアップデートを公開しています。

 

既に悪用されている脆弱性が旧バージョンの macOS に影響するとしても、パッチが公開されるとは限りません。詳細については、「Appleの充分でないパッチポリシーによりユーザのセキュリティとプライバシーが危うい状態です( https://act2blog.blogspot.com/2022/06/apple.html )」を参照ください。

 

今年の4月に、Appleはやはり2個の悪用されている脆弱性を修正するために macOS Monterey 12.3.1のみを公開しました。その後の Intego の記事( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-neglects-to-patch-zero-day-wild-vulnerabilities-for-macos-big-sur-catalina/ )など世論による圧力もあり、Apple は 6.5 週間後に macOS Big Sur および macOS Catalina 用のパッチを配布しました

 

現時点では、Apple が macOS Monterey 12.5.1 で、修正した世に出回っている脆弱性の片方あるいは両方が Big Sur または Catalina にも危険なのかはわかっていません。どちらの脆弱性も匿名で報告されている上に、Apple が詳細情報を公開していないため、我々には知る術がありません。近い将来、セキュリティ研究者が最新の Monterey パッチをリバースエンジニアリングするか、Apple が旧バージョンの macOS に対して該当パッチを公開することがあればわかることでしょう。

 

この水曜日に、この脆弱性が Big Sur あるいは Catalina に影響するのか Intego から Apple に問い合わせてみました(少なくとも Ars Technica のレポータの一人も Apple に問い合わせており、回答を待っていることがわかっています)。Apple から回答があれば、あるいは Apple が該当パッチを旧バージョンの macOS に対しても公開したら、この記事を更新します。

 

■ iOS 15.6.1およびiPadOS 15.6.1

 

iPhone 6s以降、iPad Pro(全機種)、iPad Air 2以降、 iPad第五世代以降、iPad mini 4以降、そしてiPod touch(第七世代)が対象となります。

 

AppleのiOS 15アップデートのリリースノート( https://support.apple.com/ja-jp/HT212788 )によれば、iOS 15.6.1は「重要なセキュリティアップデートが含まれ、すべてのユーザに推奨されます」とされています。

 

macOS Monterey 12.5.1で修正されたものと同じ2個のセキュリティの問題が、iOSおよびiPadOS 15.6.1でも修正されています。脆弱性の詳細は、Appleが公開したiOS 15.6.1およびiPadOS 15.6.1のセキュリティコンテンツは、前出の脆弱性の詳細と全く同じです( https://support.apple.com/ja-jp/HT213412 )。

 

残念なことに、新しいiOSあるいはiPadOSのバージョンがユーザに対して公開されるまで1週間から4週間程度かかる場合があります{Intego Mac Podcast( https://podcasts.apple.com/us/podcast/intego-mac-podcast/id1293834627 )のエピソード233( https://podcast.intego.com/233 )でも触れています}。IntegoのThe Mac Security BlogのようなサードパーティによるApple関連ニュースやセキュリティ関連ニュースなどでアップデートについていち早く知ったユーザは、新しいアップデートが公開されたかどうか手動でチェックする必要があるでしょう。

 

Appleの新しい Studio Display は iOS 15 のフルバージョン(現時点では15.5)を実行することを考えると( https://www.macrumors.com/2022/03/18/apple-studio-display-runs-full-version-of-ios-15/ )、どこかの時点で該当アップデートがこのディスプレイに対しても公開される可能性があります。このディスプレイが登場したのがつい最近なので、Apple が Studio Display に対して iOS アップデートをどのように提供する計画なのかを推し量るにはまだ情報が少なすぎます(ただし、Apple はこのディスプレイに対して6月20日に公開した iOS 15.6 は提供しませんでした)。

 

最新の iOS あるいは iPadOS アップデートをインストールするには、端末上の設定 App で、一般 > ソフトウェア・アップデートを開いてください。この手順は、iPhone、Pad,、iPod touchですべて同じです。

 

■ watchOS 8.7.1

 

Apple Watch Series 3が対象です。

 

Appleは新しいwatchOS 8.7.1アップデートも公開したのですが、不思議なことにAppleが現在販売しているApple Watchで最も古い製品であるApple Watch Series 3だけが対象となっています。この原稿執筆時点で、Appleはこのアップデートには「公開されたCVE項目はない(つまり公開された既知の脆弱性はない)」としています。watchOS 8.7.1については、AppleのwatchOS 8アップデートのリリースノートのページにも一切の情報がありません( https://support.apple.com/ja-jp/HT212790 )。そのため、なぜApple Watch Series 3だけがアップデートの対象になっているのかは分かりません。

 

Integoは、watchOS 8.7.1にCVE以外のセキュリティ修正が含まれているのかをAppleに問い合わせています。また、macOS、iOS、そしてiPadOSでパッチされた脆弱性がwatchOSにも影響するのか、影響するのであればいずれはパッチが提供されるのかどうかもAppleに問い合わせています。Appleから回答があれば、この記事を更新します。

 

お使いのApple Watch Series 3にこのアップデートをインストールするには、まずiPhoneが最新で、iPhoneとウォッチが同じWi-Fiネットワークに接続され、ウォッチのバッテリが50%残っている状態であることを確認してください。その状態でiPhoneでWatch Appを開き一般 > ソフトウェア・アップデートを開いてください。

 

■ tvOSおよびaudioOSについて

 

今の所、AppleはApple TV用のtvOSおよびHomePod用のaudioOSに対してはアップデートを公開していません。

 

rmacOS、iOS、およびiPadOSで今回修正されたものと同じ脆弱性がtvOSにも存在しているかどうか、存在しているとしてもパッチが公開されるかどうかは、わかっていません。IntegoではAppleに問い合わせていますので、Appleから回答があればこの記事を更新します。

 

Appleは、HomePodアップデートについてセキュリティ関連の情報を公開したことがなく、audioOSについてはほとんど情報がありません。

 

■ 重要な注意

 

Apple が、悪用されているセキュリティの問題を修正するアップデートを公開したら、可能な限り速やかに適用するべきです。ですので、今回のmacOS Monterey、iOS、そしてiPadOSアップデートは、すぐに適用してください。一方、Apple Watch Series 3だけを対象にした今回のwatchOSアップデートは、それほど重要ではないかもしれません。

 

iOS、iPadOS、あるいはmacOSをアップデートする際には、アップデートを適用する前にデータをバックアップしてください。バックアップがあれば、アップデートで何か問題が起きても直前の状態へ戻ることが可能になります。

 


■ お使いのMacは安全ですか?

Mac にもセキュリティ対策は必須です。会社や学校はもちろん、個人用の Mac であっても、インターネットという社会インフラを使う以上、一つのマナーとして、Mac だけでなく Windows ターゲットのマルウェアの駆除に貢献しましょう。Mac のセキュリティソリューションなら、ACT2の次の Intego 製品ページで機能や目的に合った製品をご検討ください:


株式会社アクト・ツー
Software Product Team


2022年8月10日水曜日

macOS VenturaおよびiPadOS 16でウインドウを使用する新しい方法、ステージマネージャ

こんにちは、いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

act2ブログ~IntegoTips~をお届けいたします。

macOS VenturaおよびiPadOS 16でウインドウを使用する新しい方法、ステージマネージャ
(この記事は、2022年7月25日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたStage Manager Offers a New Way to Work with Windows in macOS Ventura and iPadOS 16の翻訳です)

現在のコンピュータは、初めて世に出たパソコンとは似ても似つかないものに進化しました。でも、ここしばらく変わっていないことが一つだけあります: ウインドウの存在です。Macは一個のアプリしか使えない時代から1987年にSystem 5.0のマルチファインダによる初期のマルチタスクへと移行し、1999年のMac OS 8.6で真の非協調的マルチタスクを実現しました。

それ以来ずっと、我々は相も変わらずウインドウを使っています。複数のウインドウを開き、画面上で並べ直し、作業中のウインドウを手早く切り替え、邪魔なウインドウは非表示にしています。

しかし、もうすぐ登場するmacOS VenturaおよびiPadOS 16で、ウインドウの使い方に関してここ数十年で最も大きな変化となるであろうステージマネージャが導入されます。この記事では、ステージマネージャの仕組みとその利便性について説明します。

■ステージマネージャについて

ステージマネージャは、操作しているアプリのウインドウを管理および表示するmacOSの新たな機能です。ウインドウを従来のように画面に重ねて表示するのでなく、特定のアプリのウインドウだけを表示したり、お好みの複数のアプリのウインドウで構成されるグループを作成することができるようになります。

最も簡単な設定では、一つのウインドウだけを表示します。ステージマネージャは特定のアプリのウインドウだけを有効にし、自動的に他のウインドウを非表示にします。現在でも使用中のアプリのアプリケーション名のメニューから「ほかを隠す」を選ぶことで(あるいはCommand-Option-Hキーを押すことで)、同様の結果が得られます。こうして使用中のアプリだけに集中することができ、バックグラウンドの他のウインドウに煩わされることがなくなるのです。

ただし、ステージマネージャの場合は実行中の他のアプリのサムネイルが画面左側に表示されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/stage-manager1.png

この状態でCommand-Tabキーを押してアプリケーションスイッチャを呼び出したり、Dock内のアイコンをクリックすることで、あるいは画面左に表示されたサムネイルをクリックすることで、アプリを切り替えることができます。こうしてアプリを切り替えると、クリックしたアプリが拡張されて表示され、代わりにこれまで使っていたアプリが画面の左へ収納されます。

■ステージマネージャを有効にする

ステージマネージャを有効にするには、まず下図の画面で言えばメニューバーの日付の左隣に表示されているコントロールセンターのアイコンをクリックします。ステージマネージャのアイコンをクリックすると、下図のダイアログが表示されます:
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/stage-manager2.png

このダイアログでステージマネージャのONとOFFを切り替えられます; ステージマネージャを使いたい時も使いたくない時もあるでしょうから、切り替えられるのは便利です。最近使ったアプリを表示したり非表示にしたりもできます。なお、最近使ったアプリを非表示にしていても、ポインタを画面の左に移動すればサムネイルは表示されます。

ステージマネージャのONとOFFを頻繁に切り替える場合は、上の図では赤い矢印で示されているようなメニュー・エクストラをメニューバーに追加できます。システム設定 > コントロールセンターを開き、メニューバーに表示を選んでください。

システム設定 > デスクトップとDock画面のステージマネージャの部分で、ステージマネージャをON/OFFすることもできます。この設定を開いたら、カスタマイズをクリックし、左に表示されるアイコンを意味するストリップを表示するかどうかを選びます。また、デスクトップの項目を表示するかどうかも指定できます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/stage-manager3.png

■iPadのステージマネージャ

ステージマネージャは、iPadOS 16でも使えますが次のような制限があります。まずM1プロセッサを搭載したiPadしかステージマネージャを使えません。つまり、この新機能はすべてのiPad Proモデルと第5世代のiPad Airでしか使えません。

iPadでステージマネージャを有効にするには、iPadの画面上を右上から下ヘスワイプし、ステージマネージャアイコンをタップします。

ステージマネージャが有効になると、下図のような状態になります:
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/stage-manager5.jpg

ステージマネージャの設定は、設定 > ホーム画面とマルチタスク > ステージマネージャにあります:
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/stage-manager6.png

上図でわかるように、Dockの表示/非表示も切り替えられます。また最近のAppを表示したり非表示にすることもできます。

■macOSとiPadOSでのステージマネージャの違い

上の図を見た限りでは両者は非常に似ていますが、違いもあります。

Macのステージマネージャは、画面の左に表示する最近のアプリを画面サイズに応じて最大6個まで表示します。ちなみに、私の13インチMacBook Airでは5個までしか表示しませんでした。一方、iPadでは4個しか表示しません。

Macでは、Dockが表示されているかどうかに関わらずいつでもポインタをDockに移動できますし、Finderに切り替えればどんなファイルやアプリを開くこともできます。しかしiPadでは、特定のアプリを開くために、あるいはステージマネージャを使っている時にDockを非表示にしているならDockを表示するために、メインのホーム画面へ戻らなければなりませんが、その際は画面の下から上にスワイプする必要があります。

ステージマネージャには、常に一個のアプリだけを表示する機能があります(アプリのグループについては後述します)。この機能で、画面が複数のアプリでグチャグチャになることを防げます。この状態でも、Macではアプリウインドウの縁や角をドラッグして通常通りにリサイズできます。一方、iPadでアプリをリサイズするためには右下からドラッグしなければなりません。

■ステージマネージャでアプリのグループを作成

Macでアプリのグループを作成するには、画面の左側からアプリのアイコンを画面上のウインドウへドラッグします。この二つのウインドウの位置を調整すると、Finderがその位置を記憶します。他のアプリを有効にすると、グループは左側に複数のアイコンとして表示されます。なお、グループにいくつアプリが登録されていても、直近で使った3個のアプリのアイコンだけが表示されます。グループに最大でいくつのアプリが追加できるのか、現時点ではわかりません; 私は、1ダースほど追加したところでやめておきました。

グループ内のアプリを終了すると、グループから除去されます; そのアプリを再度起動しても、同じグループには表示されません。ちなみに、アプリウインドウの左上に表示された黄色いボタンをクリックしても、グループから除去されて左に表示されます。

iPadでは、ウインドウの上中央に表示された「…」アイコンがAppグループのコントロールセンターです。このアイコンをタップすると、別のウインドウを追加することでAppグループに他のアプリを追加できます。なお、左に表示されたAppを最前面のウインドウへドラッグしても追加できます。ウインドウを最小化することでAppグループから除去したり、そのウインドウを閉じることもできます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/stage-manager8.png

■ステージマネージャは本当に便利なのか?

個人的には、ステージマネージャという機能が登場したことを喜んでいます。自分のMacで1個のアプリに集中できる、あるいは二、三個のアプリをグループにしてそれ以外は横においやっておけるという考えは素晴らしいと思います。

ただし、iPad Proでステージマネージャを使うつもりはありません。この画面サイズ(私の場合は11インチ)ではウインドウがすごく小さくなってしまうし、無駄なスペースが多すぎると思うからです。iPadでどうしても複数のウインドウを同時に使いたいならステージマネージャも便利に使えるかも知れませんが、画面サイズとウインドウサイズが小さいことを考えると実用性は低いでしょう。ただし、iPadに外部ディスプレイを接続しているとステージマネージャがそんな環境に最適化されるのです。iPadで外部ディスプレイを使っているなら、大きな画面を便利に利用できるでしょう。

もう数十年も同じ方法でウインドウを使ってきた我々にとって、パッと見ただけではステージマネージャに違和感を感じるかも知れません。でも、一度試せば、特にMacでは、これまでになく効率的にアプリを使う方法であることがわかるでしょう。

■お使いのMacは安全ですか?

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:


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2022年7月27日水曜日

M2 MacBook Airのレビュー – 最も人気の高いApple Macが変身〜IntefoTips〜

 


こんにちは、いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

act2ブログ〜IntegoTips〜をお届けいたします。

M2 MacBook Airのレビュー – 最も人気の高いApple Macが変身

(この記事は、2022年7月18日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたM2 MacBook Air Review – New Form Factor for Apple’s Most Popular Macの翻訳です)


Appleが2008年に初代MacBook Airを発売した時、それは話題作りのための製品だと思われました( https://www.youtube.com/watch?v=OIV6peKMj9M )。

Steve Jobs氏は、Macworld Expoのキーノートでこの製品をお披露目した時、あたかも小荷物でなく手紙として郵送できるかのように茶封筒から取り出したのです。

とにかく軽量で薄いという点を押し出した製品でした。

処理能力は高速とは言えませんでしたが、MacにSSDオプションが用意された最初の製品であり、今思えばこの製品のその後の著しい進化を予想させる登場でもありました。

基本モデルでも229,800円し、SSDモデルに至っては当初は388,400円でフラッシュメモリの価格下落を反映して半年後に325,400円に値下げされたとは言え馬鹿げたほどに高価でした

( https://arstechnica.com/gadgets/2008/07/macbook-air-ssd-purchase-price-drops-by-500/ )。


それから14年が経ち、今ではほとんどの人を満足させるMacであり、実際に最も人気の高いAppleの旗艦製品になったMacBook Airが、この度その外観を一新したのです。特徴であった空力的な楔形の形状は、虚飾のないまっすぐな線で置き換えられました。

AppleのMacBook Proシリーズよりは薄くて軽く、これまでのMacBook Airよりも12.9″ iPad Proに近い見た目と言えるでしょう。


もう何年もAppleのラップトップ製品を使ってきましたが、その中でもMacBook Airこそ私のお気に入りでした。

MacBook Proも何台か持っていましたが、私がラップトップで行うような作業に対しては無駄にパワフルでした。

ほとんどの人にとって、これは同じ状況でしょう。開発者やデザイナ、あるいはビデオ編集者でもなければ、MacBook Airで十分だと思います。


■新しいMacBook Airはセクシー

新しいMacBook Airのカラーには、若干金色寄りのスターライト、見慣れたスペースグレイとシルバーがありますが、新たに追加されたミッドナイトは本当にセクシーだと思います。

Appleが何年も前に販売していたブラックなラップトップをちょっと思い出させる青っぽいガンメタルグレイに近い色合いで、控えめながら艶やかです。個人的にはダークモードで作業しませんが、この色にはぴったりの設定でしょう。

アルミ製のラップトップは指紋が付きやすいですが、ミッドナイトでは一段と指紋が目立つので注意が必要です。マイクロファイバーの布を常備し、気づいたらすぐに拭くようにしましょう。

Appleが数ヶ月前に2,480円でポリッシングクロスを発売したのはこのためだったのかも知れませんね

( https://www.apple.com/jp/shop/product/MM6F3FE/A/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9 )。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/air-fingerprints.jpeg


この新しいMacを、今もAppleが販売しているM1 MacBook Airと比較する人もいるでしょう

( https://www.intego.com/mac-security-blog/a-week-with-the-new-apple-m1-macbook-air/ )。

でも、本当に比較するべきなのはM1 MacBook Airよりも44,000円高いだけで、より大きくて明るいディスプレイ、より多くのコアを内蔵するグラフィックプロセッサ、そしてM1 Macの最大16 GBより大きな最大24 GB RAMに対応するM2 MacBook Proではないでしょうか。

特にM2 MacBook Proに搭載される、主要なグラフィック形式のエンコードとデコードをハードウェアによって高速化するメディアエンジンの存在は魅力的でしょう。

このエンジンによってビデオレンダリングにかかる時間は短縮され、ビデオ再生中のバッテリ寿命も伸びるのです。


どちらのM2の機種のディスプレイも500 nitの明るさなので、M1版より100 nit明るいということになります。MacBook Airのディスプレイサイズは13.6″のところ、他の機種では13.3″ です。

ディスプレイは少し縦方向に長く、デフォルトの解像度は縦に64ピクセル分長い2560 x 1664ピクセルで、メニューバーにカメラの部分でちょっとだけノッチがあります。

私にとってはノッチがある初めてのMacですが、すぐに慣れるでしょうしディスプレイの周囲の枠が薄いことの方が重要です。

なお、M2 MacBook AirのFaceTimeカメラは1080pです(MacBook Proでは、まだ720pカメラです)。さらに空間オーディオ対応で音の良い4個のスピーカがついています。


そして、M2 MacBook Airにもついにフルサイズのファンクションキーが搭載されました。

以前の機種のミニサイズのキーにはイライラさせられたので、大きなキーになったのは嬉しいです。またTouch IDセンサーを兼ねる電源ボタンも大きくなったのは良いことです。

さらに、もう充電ケーブルを引っ掛けてMacを床に落としてしまう心配がなくなるMagSafe充電に対応したのは素晴らしと思います。

この充電ポートに加えて2個のThunderbolt 4 USB-Cポートがあるので、同時に2台の周辺機器を使えます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/air-edge.jpeg


■M2 MacBook Airの処理速度

このMacBook Airには、Appleの新しいM2プロセッサが搭載されているのですから、先代の機種より処理能力が高いはずですよね? ところが、話はそんなに単純ではありません。

なぜなら、Macではプロセッサだけで処理速度が決まらないからです。

最新の13″ MacBook Proにの基本モデルにも搭載されている256 GB SSDは、より大きなストレージ容量のオプションよりも読み書き速度が遅いのです

( https://www.macrumors.com/2022/06/26/base-m2-13-inch-macbook-pro-slower-ssd-speeds/ )。

この256 GB SSDでは、AppleはNANDフラッシュストレージチップを1個しか使っていません(512  GB以上など、より大きなストレージでは2個です)。

古いMacBook ProおよびMacBook Airの機種では256 GBストレージでも2個の128 GBチップを使っていたのですが、このように2個のチップがあれば並行処理が可能なので、より高速な読み書き速度が実現すると考えられます。


この差は、実際のところ歴然です。私のM1 MacBook Airと新しいM2 MacBook Airの処理速度を、BlackMagic Disk Speed Test’の5 GBテストルーティンで比べると後者の書き込み速度は20%以上遅く、読み込み速度はほぼ半分でした。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/speed-test.png

Macでは、実装されているメモリ容量よりも大きなメモリ領域を実現するために、常時ディスクにスワップファイルを読み書きする仮想メモリという仕組みを使っています

( https://support.apple.com/ja-jp/guide/mac-help/mh11852/mac )。

ディスク上のファイルの読み書きはRAMの読み書きよりも低速なので、より高速なはずの新しいプロセッサであっても、SSDの速度が遅いと多くのメモリを必要とするAppの動作に影響してきます。

もちろん、ファイルの読み出し自体が全体的に遅くなります。


言うまでもなく、ドライブの速度だけで全てが決まるわけでもありません。

なので、Appleによれば10〜20%と若干高速なはずの新しいプロセッサと低速なSSDの組み合わせが処理速度にどう影響するのか、実際の例を見る必要があります。

256 GBのドライブを持つM1とM2の2種類の異なるプロセッサのMacBook Airと1 TBのドライブを持つM1 iMacという私の3台のMacで、動画、PDF、写真、そしてテキストファイルが保管された9.17 GBのフォルダを圧縮した結果が次です:


M1 MacBook Air: 3:10

M1 iMac: 3:13

M2 MacBook Air: 3:11


そして4.79 GBのミュージックファイルを保管したフォルダを展開した結果です:


M1 MacBook Air: 0:10

M1 iMac: 0:11

M2 MacBook Air: 0:09


ご覧の通り、数値に大きな違いがありません。プロセッサの速度の差が、SSDの速度の差で相殺されているのです。

プロセッサにもっと負荷のかかるドライブから大量のデータを読み込む処理で試験しても、似たような結果になることが予想できます。

この結果が気になるという人は、512 GB以上のドライブを選んでください。


でも、これで終わりではありません。MacBook Airはファンレスです。

ファンの音をうるさく感じる人にとって、ファンレスは素晴らしいことです。

でも、M2プロセッサには温度が上がると自動で処理速度を落として温度を下げようとする機能があるのですが、M1より処理速度が高い分だけ温度もより上がります。

つまり、プロセッサ負荷の高い処理を実行すると、同じプロセッサでもファンで冷却されるMacBook ProよりMacBook Airの方が時間がかかることを意味します。

Tom’s Guideによれば、この事実により動画のトランスコーディングがMacBook ProよりMacBook Airの方が目に見えて遅いということです

( https://www.tomsguide.com/face-off/macbook-air-m2-vs-macbook-air-m1-which-macbook-should-you-buy )。

このようにプロセッサ負荷が高い処理を実行するためにかかる時間は、プロセッサの速度、ドライブの速度、そして自動での速度低下の組み合わせで決まります。

まぁ、ここで比較している相手は“pro”版のMacですし、AppleとしてはMacBook Airを買う多くのユーザもこうした事実には興味がないだろうと考えているようです。


このように欠点もあるわけですが、Appleの最も人気が高いラップトップのより薄く軽い姿への変身は歓迎すべきでしょう。とは言え、Appleがまだ販売している30,000円安い古いM1 MacBook Airを選んだ方が賢い場合もあり得ます。

ほとんどのユーザにとって、基本の8 GB RAMと256 GB SSDで十分だとは思いますが、デスクトップApp、ウェブブラウザ、そして電子メール以外のプログラムも使用しており、さらにSSDの速度の遅さが気になるなら、最低でも512 GBのストレージを検討するべきです。

そのために28,000円余分に払うなら、この際にRAMも16 GBに増やすべきでしょう。

この時点で、220,800円のMacBook Airになります。M1 MacBook Airなら、134,800円ですよ。


AppleのMシリーズプロセッサの速度と効率の良さを考えると、このラップトップはこれまでのIntelベースのMacより長い寿命を実現すると思います。

M2 MacBook Airを買うなら、より長く使い続けられるように今必要なRAMとストレージ容量より大きな容量を選ぶのが無難です。

そうなると、前述の通りもう安いラップトップとは言えませんが、この先かなり長期間に渡り使うことができるでしょう。


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2022年7月13日水曜日

macOS Ventura BetaをUTMを使ってM1あるいはM2Macの仮想マシンにインストールする方法

こんにちは、いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
IntegoTipsをお届けいたします。

macOS Ventura BetaをUTMを使ってM1あるいはM2Macの仮想マシンにインストールする方法(この記事は、2022年7月5日にKirkMcElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMacSecurity Blogに投稿されたInstall macOS Ventura Beta in a Virtual Machine on anM1 or M2 Mac with UTMの翻訳です)

先日、UTMを使ってM1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法について解説しましたhttps://act2blog.blogspot.com/2022/07/m1m2-macwindows-11integotips.html)。

ちなみに、UTMはお使いのMacで他のオペレーティングシステムを実行することを可能にする無料でオープンソースの仮想化ソフトウェアです。

WindowsおよびLinuxが実行できるだけでなく、MacOS9.2さえも実行できます。さらに言えば、macOS Montereyもインストールできるし、macOSVenturaのベータ版を使って仮想マシンを作成することもできます。今回は、その方法を説明しましょう。

■UTMにmacOSをインストール

UTMをダウンロードして設定する方法は、前出の「M1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法」という記事で説明しました。

https://act2blog.blogspot.com/2022/07/m1m2-macwindows-11integotips.html

なので、UTMを使うための最初の手順については、該当記事を参照してください。

macOSをインストールするには、Start画面でVirtualizeをクリックし、続いてOperatingSystem画面でmacOS 12+をクリックしてください。

"recovery IPSW"をダウンロードするか確認されます。IPSW( https://en.wikipedia.org/wiki/IPSW)は、AppleがiPhoneとiPadのファームウェアを提供するために使っているファイルですが、M1プロセッサが登場してからはMacでも使われています。

モバイル端末の場合は接続すればFinder経由で復旧用のIPSWファイルを入手できますが、Macの場合は復旧パーティションから起動しなければなりません。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac4.png

UTMはお使いのMacに必要なIPSWを提供できるはずですが、私が試験した限りでは、このファイルを使ったインストールは完了しませんでした。

Mr.Macintosh(https://mrmacintosh.com/apple-silicon-m1-full-macos-restore-ipsw-firmware-files-database/)やIPSW Downloads( https://ipsw.me/)などAppleのIPSWファイルへのリンクが記載されたウェブサイトがいくつかありますが、このいずれからでもお使いのM1Macに必要なIPSWを見つけてダウンロードすることができるでしょう。

次の手順では、2つの選択肢があります。私はデベロッパアカウントを持っているので、macOSMonterey用の復元用IPSWファイルをダウンロードして、そのオペレーティングシステムをmacOSVenturaの開発者用ベータ版にアップデートすることができます。

デベロッパアカウントを持っていない場合は、Mr.MacintoshからVenturaのパブリックベータをダウンロードしてください。

この場合、最新バージョンをダウンロードしても開発者用ベータよりは古い可能性があります。

Browseをクリックし、ファイルを選択してContinueをクリックします。

次の2つの画面では、ハードウェアとストレージ設定を選択するように促されます。

MemoryおよびCPU設定はデフォルトのままにし、ストレージは仮想マシンのサイズに合わせて調整するのが良いでしょう。

仮想マシンのサイズについては、後述します。

Summary画面では、仮想マシンの名前を指定してSaveをクリックします。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac7.png

次の画面には、仮想マシンのリストが表示されますので、macOSのために今作成した仮想マシンを選んで大きな矢印をクリックすれば、インストール処理が開始されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac8.png

このドライブに本当にmacOSをインストールして良いか、UTMが確認しますのでOKをクリックします。

すると復旧用IPSWを読み込み、ソフトウェアのインストール処理を開始します。

完了するまで、しばらくかかるでしょう。

完了すると、macOSをインストールしたり、新しいMacを設定した時と同じ初期設定画面が表示されます。地域と言語を選び、指定するように促されるすべての設定を行います。

しかし、AppleIDとパスワードの入力の部分で問題が発生します。処理が完了できないというメッセージが表示されるのです。

なので、AppleIDについては後で設定を選び、初期設定を完了させてください。完了したら、インストールしたバージョンのmacOSが立ち上がります。

デベロッパアカウントをお持ちなら、仮想マシン内のSafarideveloper.apple.comhttps://developer.apple.com/ )を開き、アカウントにサインインし、macOS DeveloperBeta AccessUtilityをダウンロードしてください。

インストーラを実行すると、システム環境設定のソフトウェアアップデート画面が開きます。

これで、ソフトウェアアップデートを使ってmacOSVenturaの最新バージョンとそれに続くベータ版がダウンロードできます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac11.png

完了したら、UTMウインドウ内にmacOS Venturaが表示されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac10.jpg

デフォルトでは、UTMがmacOSを1920 x1200の解像度で表示します。

解像度は仮想マシンの設定で変更できますが、事前に仮想マシンを終了しておく必要があります。

UTMウインドウで、ツールバーの右に表示されたボタンをクリックして設定を開き、サイドバーのDisplayをクリックしてください。

すると、Macの特定の機種を含む非常に長いサイズのリストが表示されるので、仮想マシンの解像度を選択してください。

変更は、次に仮想マシンを起動した際に適用されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac13.png

■UTMでmacOSを使う

macOSはUTMで問題なく実行できますし、仮想化であってエミュレーションではありませんから、処理速度もネーティブで実行されているのとほとんど変わりません。しかし制限もあります。残念ながらシステム環境設定でApple
IDを承認できないため、連絡先、カレンダといったiCloudデータが使えず、そしてAppleMusicやAppleTV+のサブスクリプションも使えません。共有フォルダを使ったり、仮想マシンとホストの間でコピー&ペーストを実現するためのSPICEツールもインストールできません(https://github.com/utmapp/UTM/discussions/3772 )。

仮想マシンにファイルを移動したり、仮想マシンからファイルを取り出したい場合は、SafariでiCloud.comにログインし、そこからiCloudDriveを使うという手があります。

ファイルの保管に普段からDropboxやOneDriveといった他のクラウドストレージソフトウェアを使っているなら、インストールしても構いません(私は試験していませんが、動作しない理由はないと思います)。

Apple IDでウェブサイトにログインすることはできます。ただしApple IDでMac AppStoreにサインインできないので、ソフトウェアをダウンロードすることもできません。

つまり、仮想化環境でのmacOSの利用には限界があるということです。

単にmacOSの異なるバージョンやベータ版を試したいだけなら、大した問題ではないでしょう。

しかしiCloudへのアクセスが必須なAppの試験をしようと思っていた開発者は、この方法を諦めるしかありません。

前出のmacOS用仮想マシンのサイズですが、私の場合はデフォルトの64 GBで問題なくインストールができ、その後の仮想マシンの空き容量は40GBほどとなっています(UTMおよび私のMacでは、この64 GBの仮想マシンは68.75
GBと表示されます)。

これは、お使いのMacのストレージに余裕がない場合は問題となるでしょう。私は試していませんが、仮想マシンのサイズをもっと小さくして試すのも手で、合計40GBほどのサイズでも動作すると思います。macOSで仮想マシンを見るとディスクのサイズが約63GBなのですが、これはいわゆる1000対1024のビットとバイトの計算方法の違いによるものでバグとかではないでしょう。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac12.png

UTMの利用はmacOSを実行するための完璧な解決策ではありませんが、ベータ版を試したい人には良い選択肢で、ベータ版毎に毎回わざわざMac上でパーティションを切ってインストールする手間と労力は省けるはずです。

AppleIDの問題が大きいですが、比較的簡単にVenturaのベータ版が試験できますので試す価値はあるでしょう。

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