2022年11月11日金曜日

ライセンスキーの管理、どうされてますか?ビジネスユースではマルチユーザライセンスキーでの管理が非常に便利です。

こんにちは

いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

個人で使用するソフトウェアのライセンスキー管理ですと、1つのソフトウェアに対して1つのライセンスキーが発行されます。
これは、例えば同じソフトウェアを2つ以上購入した場合、異なるライセンスキーが購入した数だけ発行されるということです。(これを一般的にはシングルユーザーライセンスと呼びます。)
 
一方で、企業などでソフトウェアを利用する場合、例えばTechToolProを50台のMacにインストールするとなった場合、シングルユーザーライセンスで管理するとなりますと、50個のライセンスキーをそれぞれどのMacにインストールしたか?といった具合に管理する必要が出てきます。
これが2~3台程度であれば、まだ管理できる範囲でしょうが、10台、20台と増加するにつれ「このライセンスキーはどのMacにインストールしたものだっけ?」といった状況になってしまいます。
 
そんな時に、ライセンスキーの管理を簡略化する方法として、マルチユーザライセンスという概念がございます。
このマルチユーザーに対応した商品であれば、あらかじめ企業等で利用する台数が分かっている場合、1つのライセンスキーで必要な台数分のソフトウェア使用権限を割り当てることが可能です。
例えば、TechToolProを100台使用する環境の場合、マルチユーザライセンスで発行されたライセンスキーですと、100台分の使用権限が割り当てられていますので、1つのライセンスキーで、100台までインストールすることが可能です。ライセンスキー管理者は、1つの同じライセンスキーを「今、どのMacでTechToolProを使っているか」ということを把握しておくだけという、非常にシンプルな管理方法となります。
これにより、日々のソフトウェア管理・運用の負担を減らすことができ、また「このライセンスキー使えませんよ!」といったユーザからのクレームも無くすことができます。
 
現在、act2が取り扱っているソフトウェアで、マルチユーザライセンスに対応している商品は、
 
 
といった主要ソフトウェアで対応しております。
ビジネス環境でも、ソフトウェア管理の煩わしさから解放され、さらにビジネスの効率化を加速する秀逸なツール群を、是非ご利用ください。
株式会社アクト・ツー
Software Product Team


2022年11月7日月曜日

Macのダウンロードフォルダの使い方

今日の内容は、初心者に向けたMacのダウンロードフォルダの使い方についてです。

(この記事は、2022111日にCraig Grannellhttps://www.intego.com/mac-security-blog/author/craig-grannell/Kirk McElhearnhttps://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたA Newbie’s Guide to Using the Mac Downloads Folderの翻訳です) 

クラウドとは、とても素晴らしいもののようです。Appleは、ユーザが書類をクラウドに保管するように誘導し続けています。macOS Sierra以降、他のMacやモバイル端末からもデスクトップと書類フォルダの内容にアクセスできるように、その中身を丸ごとiCloudに保管するオプションが提供されています( https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-use-macos-sierras-new-icloud-drive-features/ )。


この機能を使っているなら、家の形のアイコンとユーザ名が付いたホームフォルダは以前より使う頻度が減っているでしょう。しかし、そこにはダウンロードフォルダのような重要なフォルダがまだ保存されているのです。


ダウンロードフォルダの使い方


ダウンロードフォルダは、Finderのサイドバーから簡単に開くことができます。サイドバーにあるよく使う項目にダウンロードが見つからない場合は、Finderの環境設定にあるサイドバー画面を開き、ダウンロードをチェックしてください。あるいは、移動メニューからダウンロードを選んで一発で開くこともできます(Option+Command+L)。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2021/03/go-downloads.png


ダウンロードフォルダとは、言い得て妙な名前です。Safariでダウンロードしたファイルやメッセージからダウンロードした添付ファイルなどをMacが保管する場所であり、それ以外のアプリもインターネットやローカルネットワーク上の他の端末からダウンロードしたファイルを保管する場所になっています。なお、この設定は変更可能です: 例えばSafariでは、Safari > 環境設定を開き、一般画面にあるファイルの保存先でその他を選んでお好みのフォルダを指定できます。とは言え、ほとんどのユーザは変更する必要性は感じないでしょう。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2021/03/safari-prefs-1.png


多くのウェブブラウザでは、ダウンロードしたファイルを開くのは簡単です。Safariなら、最近ダウンロードしたファイルがリスト表示されるダウンロードボタンがツールバーに表示されています。リスト内の項目の横に表示された虫眼鏡ボタンをクリックすると、ダウンロードした該当ファイルがFinderで表示されます(消去ボタンをクリックすると、新たに何かをダウンロードするまでダウンロードボタンは表示されなくなります)。


ダウンロードしたファイルの管理


ダウンロードフォルダは、何だかよく分からない要らなそうなものと必要なものでゴチャゴチャになりがちです。BandcampAmazonなどから曲をダウンロードしてミュージックアプリに読み込んだとすると、ダウンロードしたオリジナルのファイルは重複していることになるのでもう不要な可能性が高いでしょう。でも多くの場合で、そのようなファイルが、これからもアプリのインストーラ、税務処理に必要な請求書のPDFコピー、あるいはその他のこれから中身をチェックしなければならない未読の書類などと一緒くたに保管され続けているのです。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2021/03/sort-by-size.png


そんなファイルを見分けるには、まずFinderの表示メニューからリストを選んでFinderの表示形式をカラム表示にします。その状態でサイズ列をクリックしてファイルをサイズで並び替え、サイズの大きなファイルの中から不要なものを見つけてゴミ箱へ捨てていきます。同様に、種類で並び替えて特定の形式の書類を探したり、日付で並び替えて何ヶ月も前にダウンロードしたファイルを探すのも良い考えです。


こうした作業が面倒に感じるなら、Hazel$42Noodlesoft)のようなファイル整頓ツールを試すのも良いかもしれません( https://www.noodlesoft.com/ )。このアプリは、指定したフォルダ内の特定の種類のファイルをどのように処理するか多様なルールを設定できますが、ルールに沿って不要なファイルを自動でゴミ箱へ移動させることもできます。処理はバックグラウンドで実行されるので、何もする必要がありません。

2022年10月31日月曜日

Mac を攻撃するために開発されたマルウェア攻撃フレームワーク“Alchimist”

 

今日の内容は、ちょっとマニアックですが、Mac のセキュリティリスクの今後の傾向を示唆する内容です。細かい技術的なことはさておき、「こういうことが起きつつある」ということを心に留めておいていただければ、と思います。特に、お仕事で Mac を使われてユーザさんは Mac のセキュリティについて配慮をしていきましょう。その先にいらっしゃるクライアントさんのためにも。





Macを攻撃するために開発されたマルウェア攻撃フレームワーク“Alchimist”

(この記事は、2022年10月20日にJoshua Long(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/joshlong/)によってMac Security Blogに投稿されたMalware Attack Framework “Alchimist” Designed to Exploit Macsの翻訳です)


最近、複数の研究者がAlchimistという呼び名の新しいマルウェア攻撃フレームワークを発見しました。脅威主体は、macOS、Linux、そしてWindowsコンピュータを感染させてリモート制御するためにAlchimistを使います。そして、すでに世に出回っていると考えられています。


興味深いことに、Alchimistは承認されたユーザに対してほかのユーザとしてのアプリ実行を許可するコマンドライン・ユーティリティ、Polkit pkexec内の{CVE-2021-3034(https://nvd.nist.gov/vuln/detail/cve-2021-4034)}として知られる既知の脆弱性を悪用するMac用のアプリと共に見つかりました。


Polkitの名前にちなんでPwnKitと呼ばれているこの脆弱性は、攻撃者がローカルでの権限を昇格するために悪用できます。つまり、攻撃者は完全な管理者権限で命令を実行したり、危険なソフトウェアを実行できるようになるのです。pkexecの問題は、研究者達が2021年11月に発見するまで12年間も気づかれないままでした。


pkexecユーティリティは、ほとんどすべての著名なLinuxディストリビューションにデフォルトで含まれていますが、AppleはMacのオペレーティングシステムには含めていません。そう思うと、Alchimistの開発者がなぜMacを標的としてmacOSに含まれていないユーティリティの脆弱性を悪用するマルウェアを開発したのか定かではありません。多分、マルウェアの開発者は、標的となるMacにまずpkexecをインストールしてから悪用できるのではないかと考えたのでしょう。あるいは、Macでpkexecを使っているが分かっている特定の誰かを狙ったのかもしれません。


■ Alchimist 関連のマルウェアを除去する方法あるいは防ぐ方法


IntegoのX9シリーズのバンドル製品に含まれているIntego VirusBarrier X9(https://act2.com/integostore)は Alcimist フレームワークに関連したマルウェアの攻撃を防御し、検出および除去することができます。


お使いのMacが感染したと思う場合、あるいは今後の感染からMacを保護したい場合は、信頼できるMac用ソフトウェアの開発者が提供するアンチウイルスソフトを導入することをお勧めします。Macのセキュリティ専門家が開発したVirusBarrierは、リアルタイムスキャン機能を搭載するアンチウイルスソフトです。IntelおよびAppleシリコンのMacの両方に対応し、Appleの最新Mac用オペレーティングシステムであるmacOS Venturaにもすでに対応しています。


■ Alchimist の別名


Intego VirusBarrierおよびIntego Antivirus for Windowsは、このマルウェアと関連ファイルをbackdoor/BDS/Agent.ekgi、OSX/CVE-2021-4034、OSX/OSX.CVE.beswh、OSX/OSX.CVE.ykpzz、trojan/TR/Batch.A、trojan/TR/Redcap.flcv、trojan/TR/Rozena.57446、virus/HTML/ExpKit.Gen、virus/LINUX/Agent.cpde、virus/LINUX/Agent.faqs、virus/LINUX/Agent.F、virus/LINUX/Agent.gzsh、virus/LINUX/Agent.igtr、virus/LINUX/Agent.jktr、virus/LINUX/Agent.jnxv、virus/LINUX/Agent.vzom、そしてvirus/LINUX/Dldr.Agent.csjvとして検出します。


他のメーカでは、様々なファイルをInsekt、EternalBlue、あるいはReshelなどといったマルウェアファミリーとして検出しています。


■ 侵害指標(IoCs)


以下のSHA-256ハッシュが、Alchimistおよび関連マルウェアキャンペーンに関係する既知のファイルに属しています:


0c25a05bdddc144fbf1ffa29372481b50ec6464592fdfb7dec95d9e1c6101d0d

21774b77bbf7739178beefe647e7ec757b08367c2a2db6b5bbc0d2982310ef12

2da9a09a14c52e3f3d8468af24607602cca13bc579af958be9e918d736418660

2f4ef5da60db676272ad102ce0ce7d96f63449400e831a2c6861cf3e61846785

3329dc95c8c3a8e4f527eda15d64d56b3907f231343e97cfe4b29b51d803e270

3b37dacfaf4f246105b399aa44700965931d6605b8e609feeb511050fc747a0b

43a749766b780004527b34b3816031c204b31e8dea67af0a7a05073ff1811046

4837be90842f915e146bf87723e38cc0533732ba1a243462417c13efdb732dcb

56ca5d07fa2e8004a008222a999a97a6c27054b510e8dd6bd22048b084079e37

574467b68ba2c59327d79dfc12e58577d802e25a292af3b3b1e327858a978e4a

57e4b180fd559f15b59c43fb3335bd59435d4d76c4676e51a06c6b257ce67fb2

ae9f370c89f0191492ed9c17a224d9c41778b47ca2768f732b4de6ee7d0d1459

b44105e3a480e55ac0d8770074e3af92307d172b050beb7542a1022976f8e5a2

c9ec5cc0165d1b84fcb767359cf05c30bd227c1f76fbd5855a1286371c08c320

ca72fa64ed0a9c22d341a557c6e7c1b6a7264b0c4de0b6f717dd44bddf550bca

d80fb2c0fb95f79ab7b356b9e3b33a0553e0e5240372620e87e5be445c5586f8

d94fa98977a9f23b38d6956aa2bf293cf3f44d1d24fd13a8789ab5bf3e95f560

ec8617cc24edd3d87a5f5b4ae14e2940e493e4cc8e0a7c28e46012481ca58080

ed487be94bb2a1bc861d9b2871c71aa56dc87f157d4bf88aff02f0054f9bbd41

ef130f1941077ffe383fe90e241620dde771cd0dd496dad29d2048d5fc478faf


以下のIPアドレスがこのマルウェアあるいは関連キャンペーンに紐づけられていると考えられます。


3.86.255[.]88

45.32.132[.]166

95.179.246[.]73

149.28.36[.]160

149.28.54[.]212


ネットワーク管理者は、ネットワーク内のコンピュータが感染した可能性を調べるために上記のIPのいずれかに接続しようとしたかどうかログを確認するのが良いでしょう。





■ お使いのMacは安全ですか?


Mac用のセキュリティソリューションをぜひご検討ください。ACT2の下記のIntego製品ページで機能や目的に合った製品を選択し、早めにインストールしておきましょう。

https://www.act2.com/intego

 

 

さてさて、早いもので、明日からもう 11月ですね!

年内のラストスパート、元気にがんばりましょう。

皆様のご健康とご活躍を祈念しております。

 

株式会社アクト・ツー

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2022年10月18日火曜日

航空会社がApple AirTagを禁止? その詳細とは...


 

今日の内容は、実にタイムリーな、旅行に関係のあるトピックです。


ちょっと長い内容ですが、とても興味深い内容です。ご覧いただいたお礼に、

最後にクーポンコードを載せておきますので、ぜひご利用ください。


(この記事は、20221012日にJoshua Longhttps://www.intego.com/mac-security-blog/author/joshlong/)によってMac Security Blogに投稿されたAre airlines banning Apple AirTags? Here’s the complete storyの翻訳です)

 

先週、ドイツの航空会社であるルフトハンザがAppleAirTagトラッキングデバイスを禁止するとの噂が広まりました( https://www.intego.com/mac-security-blog/topic/airtags/ )。AirTagは、荷物や色々なものの場所を特定するためによく使われています( https://www.intego.com/mac-security-blog/16-things-you-can-track-with-airtags/ )。

 

ルフトハンザ航空の認証済みTwitterアカウントからの返信ツイートによって、この噂の内容は事実であることが確認されました。ツイートによればアクティベートされたAirTag”危険物に分類されるということです。

 

ところが航空雑誌の一誌は、ルフトハンザから内々にほぼ反対の内容を伝えられたともしています。

 

どちらが真実なのでしょうか? 航空会社はAirTagを禁止するのでしょうか? AirTagは危険なのでしょうか?

 

弊社では、ルフトハンザおよび航空輸送標準化団体にコメントを求めました。この記事では、その経緯を説明したいと思います。

 

背景

 

108日の土曜日、一人のTwitterユーザがルフトハンザに航空会社がAirTagを禁止するとの噂は本当なのか質問しました。ルフトハンザのソーシャルメディア担当者の一人が次のように回答しました:

 

    Hi David, Lufthansa is banning activated AirTags from luggage as they are classified as dangerous and need to be turned off./Mony(アクティベートされたAirTagは危険物に分類されるためルフトハンザはアクティベートされたAirTagを禁止します。ですので、AirTagの電源を切っておく必要があります。)

https://twitter.com/djthomashome/status/1578866150993428480

 

次の日、別のTwitterユーザがなぜルフトハンザがAirTagを危険物と見做すのか質問しました。ルフトハンザの別のソーシャルメディア担当者が次のように回答しました:

 

    According to ICAO guidelines, baggage trackers are subject to the dangerous goods regulations. Furthermore, due to their transmission function, the trackers must be deactivated during the flight if they are in checked baggage and cannot be used as a result. /AnaICAOのガイドラインによれば、荷物のトラッカーは危険物の規則の対象となります。さらに、トラッカーには送信機能があるため、受託手荷物内にトラッカーがある場合は電源を切っていなければなりません。)

https://twitter.com/Autopilotuser/status/1579074273049980928

 

これらの公式見解では、ルフトハンザによるICAOの技術仕様の解釈に基づきルフトハンザはAirTagを禁止することにしたように思われます。ICAO(国際民間航空機関)は、飛行の安全などの標準化を行う国連機関の一つです。

 

同時にAirways Magazine誌がAppleAirTagトラッカーが禁止されるという複数の報告に関して確認または否定するかをルフトハンザに問い合わせました( https://airwaysmag.com/lufthansa-not-bannig-airtags/ )。ルフトハンザは、次のように同誌に回答したとされます:

 

    … (ルフトハンザは)AirTagを禁止していませんし、ルフトハンザにはAirTagを禁止するガイドラインや規則もありません。ICAOには、確かにこのようなデバイスを規制する現行の規定がありますが、それはルフトハンザや他の航空会社とは関係がありません。

 

このAirways誌に対する非公式の回答を見ると、ルフトハンザ自体はAirTagを禁止していないようです。ただし、ルフトハンザはAirTagICAOの安全基準に反すると考えているように見受けられます。

 

ICAOが本当にAirTagを危険物に分類しているなら、AirTagは全ての航空会社で許可されないはずです。

 

Airways誌の記事では、それ以上ICAOには触れられていません。しかし、別の標準化団体であるIATA(国際航空運送協会)が登場します。IATAは、荷物として運べるものと運べないものの規則を作り、その内容を“Dangerous Goods Regulations”マニュアルに掲載しています。

 

ルフトハンザの公式および非公式コメントは互いに相容れない内容ですし、さらに二つの標準化団体も登場してきましたので、私はこの3者に連絡を取りコメントを求めることにしました。

 

●Integoに対するルフトハンザの公式声明

 

1011日、ルフトハンザのコーポレート・コミュニケーション・シニアマネージャーが私の問い合わせに答えてくれました。以下がルフトハンザによる声明の全文です:

 

    The Lufthansa Group has conducted its own risk assessment with the result that tracking devices with very low battery and transmission power in checked luggage do not pose a safety risk. We have never issued a ban on devices like that. It is on the authorities to adapt regulations that right now limit the use of these devices for airline passengers in checked luggage. We are in close contact with the respective institutions to find a solution as quickly as possible.(ルフトハンザ・グループで独自のリスクアセスメントを実施した結果、受託手荷物内のバッテリ容量も送信電力も少ないトラッキングデバイスは安全上のリスクにならないと結論しました。弊社がこうしたデバイスを禁止したことはありません。航空機を利用するお客さまの受託手荷物内のこうしたデバイスの利用を制限する規則は存在しますが、それを適用するかどうかは当局の判断となります。できるだけ早急に解決策を見出すべく、弊社は各機関と密に連絡を取り合っています。)

 

    I kindly ask for your understanding that all questions regarding ICAO and IATA guidelines should be addressed to these respective bodies.ICAOおよびIATAのガイドラインに関しては、すべてそれぞれの団体にお問合せいただければ幸いです。)

 

つまり、ルフトハンザはAirTagを禁止したことがないというAirways Magazine誌に語った内容が再確認された形となります。ルフトハンザでは、AirTagが「安全上のリスクにならない」としているのです。

 

でも、これは同社のソーシャルメディア担当者によるTwitterでの発言と真逆のように思われます。もっとも、公には名前しかわかっていないソーシャルメディアアカウントの担当者よりも、コーポレート・コミュニケーションのシニア・マネージャーの言葉の方が信用できると考えるのが普通でしょう。

 

興味深いのは、ルフトハンザがAirTagを禁止していないことを再度確認してから、「...航空機のお客さまの受託手荷物内のこうしたデバイスの利用を制限する規則は存在...」と言っていることでしょう。つまり、ルフトハンザは「受託手荷物内のAirTagが安全上のリスクにならない」と考えていながら、同時にAirTagが現行の安全基準に違反しているとも考えているのです。

 

●Integoに対するIATAの公式声明

 

続いて、1011日のIATAのコーポレート・コミュニケーション・スポークスマンから回答がありました:

 

    There are no specific regulations for AirTags. As they contain lithium batteries and emit a continuous Bluetooth signal, AirTags and other baggage tracking devices fall under the category of personal electronic devices (PED) for regulations concerning their carriage by travelers. The PEDs category also includes mobile phones and tablets which have similar characteristics but with significantly more powerful batteries.AirTagを明示的に対象とする規則はありません。AirTagおよびほかの荷物トラッキングデバイスは、リチウム電池を内蔵し、常にBluetooth信号を発信していますので、旅行者の荷物に関する規則における個人用電子機器(PED)に当てはまります。PEDカテゴリには、同様の機能を持ち、より強力な電池を内蔵する携帯電話やタブレットなどが含まれています。)

 

    The International Civil Aviation Organization sets global standards for the carriage of dangerous goods. Currently these regulations do not permit the carriage of PED in checked baggage unless the PED is completely turned off.(国際民間航空機関では、危険物の輸送に関する世界標準を設定しています。現在、こうした規則ではPEDの電源が完全に切れていない限り、受託手荷物内のPEDを輸送することは許可されません。)

 

    The potential safety risks of AirTags, however, appear to be minimal. Trackers contain very small lithium-ion batteries, and the Bluetooth emits a level of electromagnetic radiation that is below the threshold specified by the US Federal Aviation Authority (FAA) and the European Aviation Safety Agency (EASA) for safety concerns.(ただし、想定されるAirTagの安全上のリスクは非常に小さいと考えられます。トラッカーのリチウム電池はとても小さく、発信されるBluetooth信号のレベルも米連邦航空局(FAA)および欧州航空安全機関(EASA)による安全性の懸念に関する電磁放射線の数値より低いものです。)

 

    Industry consensus is building towards exempting Air Tags [sic] and other trackers provided that the lithium cell does not exceed a certain level and the tags only use Bluetooth. IATA will request the immediate consideration of this by the ICAO Dangerous Goods Panel which will meet next month (November 2022)(業界の考えは、リチウム電池が一定のレベルを超えず、タグもBluetoothしか使わない前提で、AirTagおよびほかのトラッカーを除外する方向で一致しています。IATAでは、この内容が来月(202211月)に開催されるICAO(国連・国際民間航空機構)の危険物パネルによって速やかに取り上げられるよう要望しています。)

 

IATAの声明で、この問題がグッと分かりやすくなりました。全体としてAirTagが特に危険ではないという理解がある一方、技術的に言えば現行の基準ではスマートフォンやタブレットといったより大きな電池を内蔵するデバイスと同様に扱われているというわけです。ちなみに、AirTagは普通の腕時計でよく使われているCR2032という小さなコイン電池を使っています。

 

IATAが早々に来月(202211月)のICAOの危険物パネルで該当する規則を更新するよう要望すると言っているのは特筆に値します。

 

●Integoに対するICAOの公式声明

 

1012日の朝、ICAOのコミュニケーション・オフィサーから次の回答がありました:

 

    Although ICAO is a standard setting body, under the 1944 Convention on International Civil Aviation the regulation of air transport remains a sovereign state responsibility. Governments enhance the safety of the global flight network as a whole by agreeing on common standards through ICAO, which they then transpose into their national regulatory frameworks.ICAOは基準設定団体ではありますが、1944年の民間航空に関する条約では航空輸送の規則は主権国家によって定められるとなっています。各国政府は、ICAOを通して共通基準に同意することで世界的な航空ネットワーク全体の安全を強化し、それぞれの国の規制の枠組みに反映させます。)

 

    As such, ICAO is not in a position to comment on the implementation or interpretation of ICAO specifications by states or by the operators they regulate.(ですので、ICAOは国あるいは対象となるオペレータによるICAOの規則の運用や解釈についてコメントする立場にありません。)

Having said that, we are in a position to provide you with our technical specifications.(とは言え、我々は皆さんに技術仕様を提供する立場にあります。)

    The broad principles governing the international transport of dangerous goods by air are contained in Annex 18 to the Convention on International Civil Aviation —The Safe Transport of Dangerous Goods by Air.{航空機による危険物の国際的な輸送を規制する一般的な原則は、民間航空に関する条約に対する別紙 18 https://www.icao.int/safety/DangerousGoods/Pages/annex-18.aspx )に含まれています—The Safe Transport of Dangerous Goods by Air https://www.icao.int/safety/DangerousGoods/Pages/annex-18.aspx )。}

 

    The ICAO Technical Instructions For The Safe Transport of Dangerous Goods by Air (Doc 9284) amplify the basic provisions of Annex 18 and contain all the detailed instructions necessary for the safe international transport of dangerous goods by air.ICAOの航空機による危険物の安全輸送に関する技術指針(Technical Instructions For The Safe Transport of Dangerous Goods by Air (Doc 9284) https://store.icao.int/en/technical-instructions-for-the-safe-transport-of-dangerous-goods-by-air-doc-9284 )は、別紙18の基本規定を詳説し、航空機による危険物の国際的な安全な輸送に必要な詳細なすべての指示が含まれています。}

 

    I would like to draw your attention to the attached excerpt from this Document.(この書類の抜粋を添付したので、参照ください。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/10/20221011-Extract-ICAO-TI-Table-8-1.png

 

    I hope this is helpful to you.(これがお役に立てば幸いです。)

 

添付された抜粋は次のとおりです:

 

ICAO TI 8.1からの抜粋

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/10/20221011-Extract-ICAO-TI-Table-8-1.png

 

この抜粋には、危険物としてリチウム電池が掲載されています。画像内の「restrictions(制限)」列で強調した部分には次のように書かれています:

 

    [携帯用電子機器に内蔵された電池は、機内持ち込み手荷物として輸送しなければなりません。ただし] 受託手荷物として輸送する場合は:

    — 意図しないアクティベートを防ぎ、デバイスを損傷から保護する対策を施し、かつ

    — デバイスは完全に電源が切れていなければならない(スリープや休止状態ではない);

 

つまり、こうしたICAOの指針を厳密に解釈すると、受託手荷物内のアクティベートされたAirTag危険物の安全基準に違反するのです。しかし、この規則の適用あるいは解釈はICAO自体がするのではなく「国あるいは対象となるオペレータ」の判断に任されているわけです。

 

ルフトハンザを通したドイツ連邦航空局の声明

 

1012日の午後、ルフトハンザのコーポレート・コミュニケーション・シニアマネージャーから再度連絡があり、追加のコメントをいただきました:

 

    受託手荷物内の非常に小さい電池および小さい送信電力のトラッキングデバイスは安全上のリスクとならないという弊社のリスクアセスメントをドイツ航空当局(連邦航空局)が共有することを確認しました。ですので、ルフトハンザの飛行ではこうしたデバイスは許可されます。

 

ルフトハンザの公式で認証済みTwitterアカウントの一つで、同様の声明が公開されました:

https://twitter.com/lufthansaNews/status/1580275638690541568

 

念のためですが、ルフトハンザはドイツの航空会社です。これで、ドイツの当局がAirTagは安全上のリスクとならないことを認めましたので、ルフトハンザは自信を持って受託手荷物でもAirTagが許可されると言えたわけです。

 

●AppleFAATSA、そしてEASAの視点

 

本記事を執筆中の今日公開されたNew York Times誌の記事( https://www.nytimes.com/2022/10/12/travel/lufthansa-apple-airtags-luggage.html )によれば:

 

    Apple [said] its trackers comply with all airline safety regulations.Appleは、同社のトラッカーが航空会社のすべての安全基準を満たすと発言した。)

 

    In the United States, that was confirmed by the Federal Aviation Administration [FAA] and the Transportation Security Administration [TSA]. The European Union Aviation Safety Agency [EASA] said that its regulation did “not in itself ban or allow” the trackers, but that operators had the right to determine which devices were safe to use in flight.(米国では、これが連邦航空局 [FAA] および運輸保安庁 [TSA] によって裏付けられました。欧州航空安全機関 [EASA] は、その規則がトラッカーを禁止したり許可するものではないとし、デバイスを飛行中に安全に使用できるかどうかはオペレーターが判断するとしています。

    …

    An F.A.A. advisory from 2017 https://www.faa.gov/documentLibrary/media/Advisory_Circular/Editorial_Update_AC_91.21-1D.pdf allows devices to use low-powered wireless communication like Bluetooth on board planes in the United States. In a statement on Monday, the Transportation Security Administration confirmed Apple’s view that “tracking devices are allowed in both carry-on and checked bags.”2017年のF.A.A.の勧告によって、Bluetoothのような低電力ワイヤレス通信を使うデバイスは米国内の航空機で許可されています。運輸保安庁は、月曜日の声明でAppleによる「トラッキングデバイスは持ち込みおよび受託手荷物の両方で許可される」との考えを支持しました。)

 

そして、先週の金曜日にTSAのソーシャルメディア担当者の一人が少なくとも米国では「ワイヤレスのトラッキングデバイスは手荷物および受託手荷物の両方で許可される」とコメントしました。

https://twitter.com/leoll1234/status/1578157136822996992

 

お使いのMacは安全ですか?

 

Mac用のセキュリティソリューションをぜひご検討ください。ACT2の下記のIntego製品ページで機能や目的に合った製品を選択し、早めにインストールしておきましょう。

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はぁ~、長いコンテンツを最後までお読みくださって、本当にありがとうございました。

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朝晩の冷え込みが身にしみる季節になってきました。皆様のご健康を、心からお祈りしております。

いつもありがとうございます。

株式会社アクト・ツー

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