2014年2月12日水曜日

【Parallels 検証】 Netboot 時に Boot Camp を呼び出すには...




この件は、あるお客様からのお問合せ内容の一部を検証した時のものです。

そのお客様のご質問は;

Netboot と同時に、Bootcamp 領域にある Windows OS を呼び出せるか?

というご質問。すべてのクライアントマシンには Bootcamp パーティションを切って、Windows 7 がインストール済み(を想定)。このお客様自身、システム管理に携わっていらっしゃるようで、とてもお詳しく、ご自身ですでに相当いろいろやってみたが、どうも解決策が見つからない... とのこと。

いい加減な返事はできないので、少々お時間を頂いて、検証しながら解決策をさぐった。

まず、用意すべき Netboot 用のシステムイメージは、Mac OS 10.9 + Parallels Desktop 9 + Bootcamp から「読み込んだ」Window 7。(インポートした Windows 7 ではないところが論点
で、全く同じ構成のクライアントマシンを複数用意。

なぜ、「インポートした」Window 7 ではダメなのか?「インポートした」Window 7 であれば全く問題なく Netboot できる。その理由は、数百台のクライアントになった場合、インポートした VM(仮想マシン)ファイルの転送負荷を懸念している、とのこと。確かに一理ある。

使用した Mac OS X サーバも 10.9。






さて、実行してみると、たしかに、そのシステムイメージのもととなったクライアントマシンだけは問題なく起動し Bootcamp 領域の Windows を呼びこむが、それ以外のクライアントでは(全く同じマシン構成であるにもかかわらず)以下ののようなエラーが出る。






この場合、この Bootup process window を閉じて、通常の GUI から Bootcamp からの呼び込みを指定してやればもちろん起動できる。

この現象がなぜ起きるかを(開発陣にも確認したところ)そのシステムイメージのもととなっているクライアントマシンで Bootcamp を呼び込んだ際に、そのマシン固有の HD 情報を保持しており、ゆえに異なったマシンではそれが見つからずそこでプロセスが止まってしまう。というのが原因。(お客様の予想通り)




さて、問題は、これを回避する方法はあるのかどうか?
Parallels Command Line Tool でなんらかの Script を作成して対処できるかもしれないが、開発と検証にどれくらいかかるのかやってみないとわからない...

さてさてどうしたものか... と行き詰まっていたところにお客様から、「その方法ではなく、はじめから仮想マシンを作成しておく方向でまとまりました」というご連絡を頂き、やれやれ一安心。





Bootcamp パーティションを作成してそこに Windows を入れたい理由はわからないでもない。まず、Bootcamp 自体は無償である。つぎに、3D ゲームなどをガリガリやるのであればそのほうがパフォーマンスは良いことが多い。

しかし、そもそも Bootcamp と仮想マシンはまったく別物で、仮想マシンにしたほうが、
1)データの共有
2)Mac / Windows の切替に再起動しなくてよい
3)HD の許す限りいくつでも仮想マシンを構築できる
4)スナップショットにより、万が一 Windows に問題が出た場合のリカバリーが楽
5)仮想マシンはポータブルである
6)Mac アプリと Windows アプリをあまり意識せず同時に使える
など、利点を上げたらきりがない。


昔、アップル社から「Bootcamp のことを悪く言わないでちょーだい」とやんわり叱られたたことがあるが、決して悪く言っているのではないのです。そもそも別物ですから。

ただ、Mac で Windows を使うなら Parallels で仮想マシン化したほうが後々便利だろうということです。



さらに、以前のトピック【Parallels Tips】BootCamp から呼び込んだ場合と Windows 仮想マシンの起動時間 で報告したように、Bootcamp から呼び込むより仮想マシンのほうが起動が速いというデータも取れています。

株式会社アクト・ツーは、一括ライセンスの法人向けの Parallels Desktop for Mac Enterprise のディストリビュータとして、日夜、業務に励んでいます。

また、act2 ストアでは1リセーラとして Parallels Desktop 9 の新規パッケージ、乗換パッケージを「act2 サポート付き」で販売しています。(意外と知られていない(涙)

仮想化の世界は奥が深く、また、今後のさまざまなモバイルデイバスとの共存など、おもしろくなるのはこれからですね。

私はこの世界にどっぷり浸かって働ける喜びを噛み締めている今日この頃です。

(MikiyaKato)


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