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2022年11月14日月曜日

iPhone や iPad のバックアップについて考えてみよう


iPhone も iPad も日常に溶け込み過ぎて、ついぞ、バックアップのことなど考えたことない、というユーザさんも多いのではないでしょうか。

この内容は、iPhoneおよびiPadのバックアップとストレージの解説(この記事は、2022117日にJay Vrijenhoekhttps://www.intego.com/mac-security-blog/author/jay-vrijenhoek/)およびKirk McElhearnhttps://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたThe Ultimate Guide to iPhone and iPad Backups and Storageの翻訳)です。




お使いのiPhoneあるいはiPadには日々の生活に必要な情報が保管されているわけですから、そのデータを失わないためにもそのiOSデバイスのバックアップは必須です。iPhoneMacと違って壊したり紛失したりする可能性が高いですし、iPhoneを盗まれたという話もよく聞きます。MacではOSに内蔵されるAppleTime Machine機能やIntegoPersonal Backup https://act2.com/integostore#pb )のようなApple純正以外のバックアップ方法もありますが、iOSデバイスの場合はiCloudバックアップかFinderバックアップという2つの選択肢しかありません( https://www.intego.com/mac-security-blog/should-you-back-up-your-ios-device-to-icloud-or-itunes/ )。


お使いのiOSデバイスでは、どちらのバックアップ方法を選ぶべきでしょう。両方とも使っても良いのでしょうか。それぞれどんな違いがあるのでしょう。この記事では、この2つの方法でお使いのiOSデバイスをバックアップする方法と共に、それぞれの長所と短所を説明します。


■iCloudストレージを確認する


iCloudバックアップは単純だしバックグラウンドで自動的に処理されるので手間要らずですが、iCloudストレージの空き容量については常に注意しなければなりません。各iCloudアカウントには最初から5 GBのストレージ容量が無料で提供されていますが、足りなくなったらAppleから容量を追加して購入することができます。現時点での料金は、次のとおりです:


    50 GB130/

    200 GB400/

    2 TB1,300/


AppleApple OneサブスクリプションにもiCloudの追加ストレージが含まれており( https://www.apple.com/apple-one/ )、ファミリー共有を利用しているなら家族でそのストレージ領域を共用することができます( https://support.apple.com/ja-jp/HT208147 .


お使いのiCloudストレージは多くのアプリで使われますが、一般的に最も容量を消費するのは写真Appです: iCloud写真を有効にしていると(iOSでは設定 > 写真、Macの写真アプリでは写真 > 環境設定 > iCloud)、すべての写真と動画がクラウドに保管されます。たくさん写真を撮るなら、あるいはたくさん動画を撮影するなら、すぐにストレージ容量が不足するでしょう。


利用可能なストレージ容量を調べるには、設定を開いて名前をタップしてからiCloudをタップしてください。下図のように、画面上部にストレージに関する情報が表示されます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups1.png


アカウントのストレージを管理をタップすると、各Appがどれだけストレージを消費しているか確認でき、必要ならストレージプランを変更することもできます。


上のスクリーンショットを見ると、私の場合は写真ライブラリが最もストレージを消費しています。保存し続ける必要がない写真や動画があるなら、時々はライブラリを整理した方が良いでしょう。残念ながら写真ライブラリ内の特定のデータだけを指定してiCloudと同期させることはできませんが、写真アプリ内の特定のデータをMac上の別のフォルダへドラッグし、その後に写真アプリから削除することはできます。この方法でデータをローカルに保管すれば、クラウドにバックアップされることはありません。


■iCloudを使ってiPhoneあるいはiPadをバックアップする


バックアップに利用できるストレージ容量が分かったら、画面の下の方に表示された“iCloudバックアップをタップしてください。下図のように、お使いのiCloudアカウントにバックアップされているすべてのデバイスが表示されます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups2.png


このリストにバックアップがまったく表示されない場合、お使いのデバイスはiCloudにバックアップされていないことを意味します。一番上のトグルスイッチを有効にしてiCloudバックアップをONにしてください。


そのちょっと下に今すぐバックアップを作成があります。初めてバックアップを作成する場合は、これをタップしてください。iCloudバックアップでは、すでにiCloudアカウントに存在するデータはバックアップしません。ですので、写真や動画を再度バックアップすることはありません。実際にバックアップしてみると、利用可能なストレージ容量に対してバックアップするデータが大きすぎたり、容量の残りがギリギリになるまでストレージを消費してしまう可能性があります。


初めてのバックアップが完了したら、画面下部に表示されたお使いのデバイスをタップしてください。ここで直近のバックアップが作成された日付やそのサイズ、次回のバックアップのサイズ、そしてデータをバックアップするAppのリストを確認できます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups3.png


このリストでは、お使いのiCloudバックアップとしてどのAppのデータがバックアップされているのか、そしてそのデータがどれだけの容量を消費しているのか確認できます。上のスクリーンショットを例に挙げると、最も大きなデータは私が自分の車を管理するために使っているAppであることがわかります。リストを下に見ていくと、バックアップする必要がない小さなデータが色々なAppからバックアップされていることも確認できます。こうしたAppが保管しているのは大体が設定ですが、私がメッシュWi-FIの管理に使っているOrbi Appは本当に89MBものデータを設定に使っているか疑問です。バックアップする必要がないAppはトグルスイッチでOFFにしましょう。とは言え、iPhoneをバックアップから復旧しなければならない場合、こうしたデータがあれば設定をやり直さなくて良いのでより早くAppが利用可能になる可能性もあります。そう考えると、よく使うAppはバックアップしておき、あまり使っておらず本当にバックアップする必要がないAppだけOFFにするのが良いでしょう。なお、iCloudにデータを保管するAppはこのリストに表示されません。このリストに表示されているAppのデータをバックアップすることと、AppiCloudにデータを保管するということでは、意味が異なるのです。


前述の通り、iCloudバックアップは自動で処理されます。でも、今すぐバックアップを作成をタップすれば好きなときにバックアップを開始できますし、iCloudバックアップを初めて設定したときには手動でバックアップを実行しておいた方が良いでしょう。なお、自動バックアップはデバイスの画面がオフで電源に接続されている時に実行されます。なので、ほとんどの場合は皆さんが寝ている間に自動でバックアップされるでしょう。前出のスクリーンショットの場合、直近のiCloudバックアップは午前135分に実行されたことが分かります。


お使いのインターネット通信速度やバックアップするデータのサイズにもよりますが、初めてのiCloudバックアップには結構時間がかかるでしょう。バックアップはいつでも中止でき、今すぐバックアップを作成をもう一度タップすれば再開しますが、放置しておいて自動バックアップに任せても構いません。お使いのiCloudプランに十分なストレージ容量がない場合は警告が表示され、ストレージの追加容量の購入を促されます。


■Finderを使ってiPhoneあるいはiPadをバックアップする


macOS Catalinaまで、MacでのiOSデバイスのバックアップにはiTunesが必要でした(Windowsでは、今もiTunesが必要です)。しかしAppleiTunesをいくつかのアプリに分割した際に、このバックアップ機能はFinderが受け継ぎました。


お使いのiOSデバイスをUSB経由でMacに接続したら、Finderのサイドバーで該当端末を探してください。表示された該当端末をクリックすると、基本的な仕様、機種情報、バックアップオプション、そして同期オプションを含むデバイス情報が表示されます。このウインドウ下部では、該当デバイスの容量がどれだけ、どのようなデータで消費されているかバーグラフで確認できます。ポインタをバーの上に移動すると、詳細も確認できます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups4.png


上図のウインドウのバックアップ部分に注目してください。私のiPhoneの場合、「最も重要なデータをiCloudにバックアップ」するよう設定されています。iPhone上のすべてのデータをMacにバックアップすることもできますが、iCloudバックアップではすべてのデータはバックアップされません。バックアップされる内容については、後述する説明を参照ください。


Finderを使ったバックアップ設定は、単純です。iPhoneのすべてのデータをMacにバックアップして、macOSがハードディスクに作成するバックアップファイルを保護するためにローカルのバックアップを暗号化できます。なお、このパスワードを忘れたらバックアップを利用することはできません。バックアップの暗号化では、保存したパスワード、Wi-Fi設定、ヘルスケアデータ、Webサイトの履歴、そして通話履歴もバックアップされます( https://support.apple.com/ja-jp/HT205220 )。これらのデータは、暗号化がOFFだとバックアップされません。


設定が完了したら今すぐバックアップボタンをクリックし、Finderにバックアップを任せてください。デバイスをバックアップする度にFinderが新しいバックアップファイルを作成しますが、コピーするのは新規あるいは変更されたデータだけなので、2回目以降のバックアップは最初のバックアップよりかかる時間が短くなります。


■iCloudおよびFinderバックアップでバックアップされるデータの違い


●iCloudバックアップ


iCloudバックアップには、お使いのデバイスに保管されているほとんどのデータと設定が含まれています。ただしiCloudバックアップには、次のデータが含まれません:


連絡先、カレンダ、ノート、マイフォトストリーム、そしてiCloud写真ライブラリなど、すでにiCloudに保管されているデータ


GmailExchangeなど他のクラウドサービスに保管されているデータ


Appleメールのデータ


Apple Payの情報と設定


Face IDあるいはTouch IDの設定


iCloudミュージックライブラリおよびApp Storeのコンテンツ(以前に購入したコンテンツが、まだiTunesApp、あるいはiBooks Store内にあれば、タップすることで再ダウンロードできます)。


●Finderバックアップ


Finderバックアップにはお使いのデバイス上のほぼすべてのデータが含まれています。ただし、以下のデータはFinderバックアップに含まれません:


iTunesおよびApp Storeから入手したコンテンツ、あるいはiBooksに直接ダウンロードされたPDF


読み込まれたMP3CD、ビデオ、書籍、そして写真などAppleのメディアAppと同期されているコンテンツ


iCloud写真、iMessage、そしてテキスト(SMS)とマルチメディア(MMS)メッセージなど、すでにiCloudに保管されているデータ


Face IDあるいはTouch IDの設定


Apple Payの情報と設定


Appleメールのデータ


アクティビティ、ヘルス、そしてキーチェーンのデータ(これらのコンテンツは、バックアップの暗号化がONだとバックアップされます)


それぞれの長所と短所


復旧にかかる時間


Mac上のバックアップからの復旧にかかる時間は、iCloudのバックアップからの復旧より高速です。Macからの完全復旧が30分以下で完了する場合も、iCloudからの復旧には数時間以上かかるでしょう。実際に復旧にかかる時間はバックアップのサイズに依存し、かつiCloudからの復旧の場合はインターネット通信速度にも依存します。バックアップのサイズに関わらず、デバイスをバックアップ復旧以前の状態まで戻すにはそれなりの時間がかかることに注意しておいてください。これはAppはバックアップされていないので、デバイスに再度ダウンロードしなければならないためです。これは、iCloudバックアップでもFinderバックアップでも同じです。


ストレージ容量


Finderバックアップでは、お使いのMacのハードディスクの空き容量だけが問題となります。必要な容量の空きがあるなら、バックアップは高速で完了しますし料金もかかりません。これがiCloudバックアップの場合は、無料で使える容量はたったの5 GBです。ほとんどのユーザは、デバイスをバックアップするためだけに毎月130円か400円を払っています。まぁ、データ保護のためだと思えば安いものです。


比較のために言うと、前出のスクリーンショットでわかるように私のiPhone 11では、iCloudバックアップは1.66 GBですが、このiPhoneMacにバックアップするとバックアップは約16 GBになります。


複数バックアップを作成


FinderでもiCloudでも、既存のバックアップを上書きして最新のデータだけを保管します。作成したバックアップをアーカイブ化して保管した状態で、次のバックアップを新たに作成できるのはMacでバックアップした場合だけです。ハードディスク容量に余裕があれば、こうして好きなだけバックアップを保管しておけます。


バックアップをアーカイブ化するには、Finderウインドウでバックアップを管理をクリックしバックアップを右クリックしてアーカイブを選びます。バックアップの名前が日付を含むものに変更され、次回のデバイスのバックアップでは新しいバックアップが作成されます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups5.png


これはソフトウェアを試験する際など、事後にデータを以前の状態に戻す必要がある場合に便利です。iOSの最新バージョンを試して問題が起きたら古いバックアップに戻せば良いわけですが、それには以前のiOSのファームウェアファイルも保存している必要があります。そのためには、お使いのiOSデバイスをMac上でアプデートしてファームウェアファイルを保存させる必要があります。この場合、以前にダウンロードしたことがあればホームフォルダ内の /Library/Music フォルダを開くとiPhoneiPad、そしていPod touchのファームウェア用のフォルダがあります。


一方、iCloudでは最新のバックアップしか残せませんので、以前のシステムに戻すことはできませんし、バックアップが壊れてしまったらもう復旧することはできません。


バックアップのバックアップ


Finderが作成するバックアップは、ハードディスク上にあります。つまり、Time Machineや使っている他のバックアップソフトウェアによってバックアップされますので、結果としてお使いのiOSデイバイスの複数のバックアップが存在することになります。これまでに何度もお薦めしてきたように、複数のバックアップを作成するのは本当に良い考えです。


古いiCloudバックアップを削除


前述の通り、お使いのデバイスのバックアップは常時上書きされながら最新の1つだけが保存されます。でも、iCloudにはもう必要ない古い他のデバイスのバックアップが存在し、その貴重なストレージを消費し続けている可能性もあります。それを確認するには、設定を開き、名前をタップしてiCloud > iCloudバックアップをタップしてください。もう使っていないデバイスが表示されるようであればタップし、バックアップを削除をタップしてください。


古いFinderバックアップを削除


iOSデバイスが接続された状態で、Finderウインドウでバックアップを管理をクリックすると、何年も前に使っていた複数のデバイスのバックアップを含む長いリストが表示されるかも知れません。もう使っていないデバイスがあれば、バックアップを削除をクリックしてください。


この時、同時にバックアップが保管されているフォルダの中身を確認するのも良い考えです。と言うのも、場合によってはデバイスのバックアップウインドウに表示されないバックアップが存在することがあるからです。バックアップウインドウ内でバックアップを右クリックし、“Finderに表示を選んでください。これで、お使いのiOSデバイスのバックアップが保管されているフォルダが開きます(このフォルダは、ホームフォルダ内の /ライブラリ/Application Support/MobileSync/Backup です)。このフォルダを整理したことが一度もなければ、何年も前もバックアップがリスト表示されるかも知れませんよ。


■iPhoneおよびiPadにとって最善のバックアップとは


お使いのデバイスのiCloudへのバックアップは自動で処理されますから、とても簡単です。Macにバックアップするとなると、デバイスを接続し、バックアップするためのボタンをクリックしなければなりません(これはFinderでデバイスウインドウにある一般タブのオプションで、“Wi-FiがオンになっているときにこのiPhoneを表示をクリックすればWi-Fi経由でも可能です)。


個人的には、両方を併用したいと思っています。外出中にiPhoneで問題が起きたら、家にバックアップがあっても何の助けにもなりませんのでiCloudバックアップが必要です。でも、少なくとも月に一度はFinderバックアップを実行することでデバイスの復旧が必要になったとき、家に帰りさえすればすべてのデータがバックアップされているので安心です。iOSあるいはiPadOSをメジャーアップグレードする前には常にバックアップしていますし、新しいデバイスに乗り換える場合は、念のためですがデータを転送する前にまずFinderバックアップを行ってから、さらにiCloudバックアップを実行しています。


どの方法を採用するにしても、データを失わないためにお使いのiOSデバイスを定期的にバックアップしてください。バックアップは実際には簡単で、自動で処理することもできるのですから。



お使いのMacは安全ですか?


Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、act2.com の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego



バックアップはセキュリティの最後の砦。

iPhone iPad は私たちの日常生活に必須のアイテムです。ぜひ、これらのバックアップのことを考えてみてください。


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