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2023年11月7日火曜日

Mac上のSafariからパスワードやデータを盗む可能性がある “iLeakage” 攻撃

 

みなさま、こんにちは!

本日、2つ目のブログアップです。 (会社創業依頼初! 笑)




(この記事は、2023年10月27日にJoshua Long(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/joshlong/)によってMac Security Blogに投稿されたiLeakage Attack could let hackers steal passwords, data from Safari on Macsの翻訳です)





Spectre( https://www.intego.com/mac-security-blog/meltdown-and-spectre-what-apple-users-need-to-know/ )と呼ばれる投機的実行攻撃( https://www.intego.com/mac-security-blog/topic/speculative-execution/ )を覚えている読者もいると思いますが、ここへ来て研究者達が、プロセッサの投機的実行機能を悪用する“iLeakage攻撃”と呼ばれる新たな手法を発見しました。具体的には、攻撃者がAppleシリコン(Mシリーズプロセッサ)を搭載するMac上で実行されるSafariブラウザのページ内からパスワードを盗んだりデータを抽出したりできるというものです。同様に、Aシリーズプロセッサを搭載するiPhoneおよびiPadも標的になります。

“iLeakage: Browser-based Timerless Speculative Execution Attacks on Apple Devices”という題名の文書( https://ileakage.com/files/ileakage.pdf )で、4つの大学の研究者達がこの攻撃について説明しています。彼らは、iLeakage攻撃では攻撃者が例えば被害者の個人的なGmailメッセージやYouTubeの閲覧履歴など、資格情報マネージャ( https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-choose-the-right-password-manager-for-you/ )によって自動入力されたパスワードやWebページのコンテンツを復旧する様子をデモしています。

この記事では、iLeakage攻撃について知っておくべきことを解説します。



iLeakageは実際に被害が出ている攻撃なのか


前出の研究者達は、iLeakageを悪用した攻撃が実際に行われている事実は確認していません。とは言え、攻撃がないとの確証もありません。

この手法を使って攻撃を行なっている者以外には、実際に悪用されているのかどうかを知る確実な方法はないのです。ちなみに、このような攻撃はシステムログにも記録されません。



対策はあるのでしょうか


誰かにiLeakage攻撃を仕掛けられるのではないかと不安な場合、 お使いのシステムを保護するいくつかの方法があります。


●対策1: “Swap Processes on Cross-Site Window Open”を有効にする

iLeakageホームページによれば、AppleはmacOS Ventura 13.0でこの攻撃に対する対策を導入したとしています。つまり、以降のSonoma 14.xを含むすべてのmacOSでこのAppleの対策が利用可能です。ただしAppleはこの対策をデフォルトでは無効にしていますので、不安を感じるユーザやIT管理者は手動で該当機能を有効にしなければなりません。

macOS Sonomaのユーザは、次の手順でこの対策を有効にできます:

  1. TerminalアプリのFull Disk Accessを一時的に有効にします。
  2. Terminalを開き、次のコマンドをコピー&ペーストしてキーボードでreturnあるいはenterキーを押します:
    defaults write com.apple.Safari IncludeInternalDebugMenu 1
  3. Safariを開き、Debugメニューをクリックしたら“WebKit Internal Features“のサブメニューにある“Swap Processes on Cross-Site Window Open”を探します。このメニューの左にチェックマークが付いていない場合は現状では対策が有効でないことを意味しますので、このメニューを選んで有効にしてください。
  4. Terminalアプリのフルディスクアクセスを無効に戻します。

フルディスクアクセスを有効にする詳細な手順、そしてmacOS Venturaでは若干異なるこの対策を有効にする手順についてはiLeakageのサイト( https://ileakage.com/ )を参照ください。


●対策2: ロックダウンモードを有効にする

iLeakageの悪用を防ぐもう一つの方法は、ロックダウンモード( https://support.apple.com/ja-jp/HT212650 )を有効にすることです。ただしロックダウンモードでは、攻撃の可能性を減らすために端末の機能を制限するので一般的なユーザには不便になる可能性があります。Appleでは、ロックダウンモードは資金豊富な国家レベルでの攻撃者に狙われる可能性がある人々による利用を想定しています。


●対策3: Safari以外のブラウザを使う

前出の研究者達が開発した特定の悪用方法では、Safariのみが標的になります。ですから、Firefox、Chrome、あるいはその他のChromiumを採用するブラウザを使えば、iLeakage攻撃を防げます。







投機的実行攻撃の歴史


まず2018年1月にプロセッサの処理能力を向上させる技術である投機的実行(speculative execution)に関連する脆弱性について、複数のグループがそれぞれ個別に研究結果を発表しました。その際に、このような脆弱性を悪用する攻撃としてMeltdownおよびSpectre( https://www.intego.com/mac-security-blog/meltdown-and-spectre-what-apple-users-need-to-know/ )についても紹介されています。

この脆弱性についてIntelが批判に晒されましたが、実はIntel(あるいはAMD)CPUだけの問題ではありませんでした。ARMベースのプロセッサを採用するAppleのiPhone、iPad、そしてiPod touch製品も、ソフトウェアレベルでの対策が必要でした。Appleは脆弱性が一般に公開されるより前の2017年の12月と2018年1月に、Macを含めた対象となるシステムのセキュリティパッチを公開しています。

その後の投機的実行攻撃には、2018年8月のForeshadow( https://en.wikipedia.org/wiki/Foreshadow )、2019年3月のSPOILER( https://www.intego.com/mac-security-blog/new-spoiler-attack-puts-intel-processors-at-risk/ )、2019年5月のZombieLoad( https://www.intego.com/mac-security-blog/epic-disasters-zombieload-whatsapp-google-2fa-keys-microsoft-rdp-intego-mac-podcast-episode-83/ )、2022年5月のRetbleed( https://www.intego.com/mac-security-blog/lockdown-mode-intego-mac-podcast-episode-248/ )、そして2023年8月のDownfall( https://act2blog.blogspot.com/2023/09/downfall-intel-mac.html )があり、その全てがIntelプロセッサを対象にしていますが、さらに2022年6月に見つかったPACMAN( https://en.wikipedia.org/wiki/Pacman_(security_vulnerability) )はApple M1プロセッサのみに影響します。

Appleは、2020年から一般に「Appleシリコン」とも呼ばれる独自のARMベース“Mシリーズ(M1、M2、そしてM3)”プロセッサに移行を開始しました。現在、認定整備済製品を除けばAppleはIntelベースのMacを販売していません。ただし2017年から2020年までに発売されたIntelベースの多くのMacがmacOS Sonomaに対応しており現在もサポート対象です。

PACMANや今回のiLeakageの例を見ても、Appleシリコンを搭載するMacも投機的実行攻撃の標的となることが分かります。そして、今後も同様の攻撃手法がさらに見つかることは確実でしょう。



■お使いのMacは安全ですか?

大切な仕事関係の皆さんへの配慮と、インターネットを使うマナーの一環として、Mac にもセキュリティツールをインストールしておきましょう。


https://www.act2.com/intego




11月ですのに、なんだかまだ暖かいですね。

しかし、 季節の変わり目、みなさま、どうぞご自愛下さいませ。

いつもありがとうございます。

- mk

Appleがついに iTunes を完全終了?

 


みなさん、こんにちは。
あっという間に 11月になってしまいましが、みな様お元気にご活躍のことと存じます。

さて、今回のメルマガは、Appleがついに iTunes を完全終了...? というお話です。


(この記事は、2023年10月24日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたApple is finally killing off iTunes—for real this timeの翻訳をベースにしています)




iMac、iTunes、iPod、iPhone、そしてiPadとという5つの製品名は、1997年にSteve Jobs氏が戻ってから世界で最も価値のある企業の一つにまで成長した現在のAppleの隆盛の源だと言って良いでしょう。これらの製品が、21世紀のテクノロジーの風景を定義して来たと言っても過言ではありません。しかし、どれだけ優れた製品も永遠に続くわけがなく、AppleはすでにiPodを引退させましたし、次はiTunesに終了の時が近づいているようです。

iTunesは、Appleのアプリの歴史の中で最も大事なものでしょう。2001年に登場したこのアプリが、Appleという企業のその後の形を決めたのです( https://www.intego.com/mac-security-blog/itunes-at-20-how-one-app-changed-apples-course/ )。当時すでに他の音楽管理アプリもありましたが、iTunesはすぐにCDをリッピングしたり、プレイリストを作成したり、CDを焼いたり、iPodとミュージックを同期したりするための定番アプリになりました。 この無料のアプリが普及したことで、Appleが音楽業界そのものを変革することになる世界レベルのミュージック市場を構築する企業になったわけで、iTunesがAppleのトロイの木馬であったとも言えるでしょう。

2019年にはMac用iTunesがいくつかのアプリに分解されましたが( https://www.intego.com/mac-security-blog/no-apple-isnt-killing-off-itunes/ )、その後もAppleはWIndows用iTunesアプリはそのまま維持してきました。しかし同社はWindowsでもiTunesをいくつかのアプリに分解する予定のようで、Microsoft Storeには“プレビュー”版のApple Music、Apple TV、そしてAppleデバイスが表示されています ( https://apps.microsoft.com/search/publisher?name=Apple+Inc.&hl=ja-jp&gl=jp )。ちなみに最後のアプリは、iPhoneおよびiPadとの同期を管理するアプリです。

これは、MacでiTunesがミュージック、TV、Podcast、そしてBooksアプリに分解されたのとよく似ています(Macではデバイスの同期はFinderで行われます)。なお、この記事を最初に投稿した数時間後に、Mac版では何年も前から可能でしたがWindows版では実現していなかったiTunesでPodcastおよびオーディオブックを聞く機能が含まれたiTunes for WindowsのアップデートをAppleが公開しました( https://support.apple.com/ja-jp/HT210384 )。これは、Appleがどこかの時点でWindows用にもPodcastとBooksアプリを公開するであろうことを予見させます。

しかしWindows用iTunesの引退は、誰もが親しんできたブランドの終了も意味しています。

◾ iTunes というブランド

iTunesは、コンシューマメディアの世界で最も知られたブランドの一つです。多くの人がiTunes Storeという正式名称は使わず、「iTunesで買った」とか「iTunesで借りた」と言います。完全に終了させるのは勿体無い気がしますね。これは世界中で使われているソーシャルメディアアプリを買収し、その名称をローマ字一文字に変更してしまうくらいに勿体無いことです...

会社によっては、特定のブランド名に蓄積された信用を気まぐれに捨て去ってしまうことがままありますが、Appleはそこまでやるつもりはないようで、デジタルコンテンツの販売にiTunes Storeという名称を残しています。Mac上のミュージックアプリからiTunes Storeを使えますし、iPhoneおよびiPadにはiTunes Store Appがあります。ただし、今もiTunes Storeで映画を買ったり借りたりできるものの、AppleではTVアプリで映画を買ったり借りたりして欲しいわけで、両方のアプリで機能が重複した状態になっています。

iTunesブランドとしては、当面ミュージック用のiTunes Storeが残るでしょうが、人々は以前ほどミュージックを買わず、すでにストリーミングに移行しています。

ミュージックの売り上げが衰えるに連れ、iTunesの名称も自然消滅するのでしょうか。デジタルミュージックを買う人がどんどん減っているのは事実ですが、Appleがすぐにその販売を完全に終了させてしまうとは考えにくいでしょう。その市場が今すぐになくなってしまうわけではないからです。全世界のストリーミングを除くデジタルミュージックの売り上げは2012年の約44億ドルを頂点に、2021年には11億ドルまで落ちてしまいました。これは75%の落ち込みなんですが、Appleが今でもかなりの金額をデジタルミュージックの販売で稼いでいるだろうことも推測できます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/10/digital-music-sales.png )(Source: Statista= https://www.statista.com/statistics/263109/global-digital-music-revenue/

RIAA(アメリカレコード協会)によれば、2022年の米国のデジタルミュージックの販売は4億9,500万ドルほどだそうです。同協会のアニュアルレポート( https://www.riaa.com/wp-content/uploads/2023/03/2022-Year-End-Music-Industry-Revenue-Report.pdf )によれば、米国における音源の売り上げに対する“ダウンロード”の比率は、2012年の43%から2022年には3%まで落ちているということです。ちなみに、2022年の音源の総売り上げは159億ドルに達しています。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/10/riaa-pie-chart.png )(Source: RIAA PDF書類= https://www.riaa.com/wp-content/uploads/2023/03/2022-Year-End-Music-Industry-Revenue-Report.pdf )

一方で、Apple MusicやApple TV+のサブスクリプション、App Storeの売り上げ、そしてミュージックの売り上げを含むAppleのサービスの売り上げは、2023年8月の同社の直近四半期全売上の26%になります。これは210億ドル以上、あるいはたった四半期の金額なのにすでに全世界のデジタルミュージックの年間売上額の19倍なのです。そう思うと、Appleが近い将来にデジタルミュージックの販売を終了し、iTunesという名称を公式に引退させるということもあり得るように思えてきます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/10/august-quarter-breakdown.png )(Source: Six Colors= https://sixcolors.com/post/2023/08/charts-apple-q3-2023-results/ )



◾ iTunesの終焉

iMac、iTunes、iPod、iPhone、iPadというい5つの名称は、それぞれがAppleの成長の節目を表します。その内の一つはすでに引退し、もう一つももうすぐ終了します。この中で最も新しいiPadは2010年の発売ですが、その後はこのリストに追加できるほどのインパクトがあるApple製品は登場していません。

Appleは、もうi製品を発売していません。最後のiBookが出たのは2005年で、現在ではPages、Numbers、そしてKeynoteという生産性アプリにiWorkという総称を、クラウドストレージシステムの心臓部の名称としてiCloudが使われているだけです。その後の新しい製品やサービスの名称には、Apple TV、Apple Music、Apple WatchなどAppleが付いています。こうした名前は、ブランドとしては無難すぎると言えるでしょう。ウェアラブル端末の名称としてWatchという単語の前に会社名を付けたり、ストリーミングサービスの名称としてMusicの前に会社名を付けるくらいにそそられない名前があるでしょうか。普通の名詞に会社名を形容詞的にくっつけると凡庸な名前になるという見本と言えそうです。

一方、iTunesはまるで魔法のような名前でした。音楽世界の扉を開き、人々に音楽をリッピングしたりミックスしたりCDに焼き付けたりさせた名前です。20世紀で最も影響力のあるポータブルミュージックプレイヤーにミュージックをコピーできたのです。クリック一発で最新のミュージックを手に入れることができるストアも作り上げました。しかし、すべてのものに終わりは来ます。そして今、iTunesを見送る時が来たのでしょう...


2022年11月14日月曜日

iPhone や iPad のバックアップについて考えてみよう


iPhone も iPad も日常に溶け込み過ぎて、ついぞ、バックアップのことなど考えたことない、というユーザさんも多いのではないでしょうか。

この内容は、iPhoneおよびiPadのバックアップとストレージの解説(この記事は、2022117日にJay Vrijenhoekhttps://www.intego.com/mac-security-blog/author/jay-vrijenhoek/)およびKirk McElhearnhttps://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたThe Ultimate Guide to iPhone and iPad Backups and Storageの翻訳)です。




お使いのiPhoneあるいはiPadには日々の生活に必要な情報が保管されているわけですから、そのデータを失わないためにもそのiOSデバイスのバックアップは必須です。iPhoneMacと違って壊したり紛失したりする可能性が高いですし、iPhoneを盗まれたという話もよく聞きます。MacではOSに内蔵されるAppleTime Machine機能やIntegoPersonal Backup https://act2.com/integostore#pb )のようなApple純正以外のバックアップ方法もありますが、iOSデバイスの場合はiCloudバックアップかFinderバックアップという2つの選択肢しかありません( https://www.intego.com/mac-security-blog/should-you-back-up-your-ios-device-to-icloud-or-itunes/ )。


お使いのiOSデバイスでは、どちらのバックアップ方法を選ぶべきでしょう。両方とも使っても良いのでしょうか。それぞれどんな違いがあるのでしょう。この記事では、この2つの方法でお使いのiOSデバイスをバックアップする方法と共に、それぞれの長所と短所を説明します。


■iCloudストレージを確認する


iCloudバックアップは単純だしバックグラウンドで自動的に処理されるので手間要らずですが、iCloudストレージの空き容量については常に注意しなければなりません。各iCloudアカウントには最初から5 GBのストレージ容量が無料で提供されていますが、足りなくなったらAppleから容量を追加して購入することができます。現時点での料金は、次のとおりです:


    50 GB130/

    200 GB400/

    2 TB1,300/


AppleApple OneサブスクリプションにもiCloudの追加ストレージが含まれており( https://www.apple.com/apple-one/ )、ファミリー共有を利用しているなら家族でそのストレージ領域を共用することができます( https://support.apple.com/ja-jp/HT208147 .


お使いのiCloudストレージは多くのアプリで使われますが、一般的に最も容量を消費するのは写真Appです: iCloud写真を有効にしていると(iOSでは設定 > 写真、Macの写真アプリでは写真 > 環境設定 > iCloud)、すべての写真と動画がクラウドに保管されます。たくさん写真を撮るなら、あるいはたくさん動画を撮影するなら、すぐにストレージ容量が不足するでしょう。


利用可能なストレージ容量を調べるには、設定を開いて名前をタップしてからiCloudをタップしてください。下図のように、画面上部にストレージに関する情報が表示されます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups1.png


アカウントのストレージを管理をタップすると、各Appがどれだけストレージを消費しているか確認でき、必要ならストレージプランを変更することもできます。


上のスクリーンショットを見ると、私の場合は写真ライブラリが最もストレージを消費しています。保存し続ける必要がない写真や動画があるなら、時々はライブラリを整理した方が良いでしょう。残念ながら写真ライブラリ内の特定のデータだけを指定してiCloudと同期させることはできませんが、写真アプリ内の特定のデータをMac上の別のフォルダへドラッグし、その後に写真アプリから削除することはできます。この方法でデータをローカルに保管すれば、クラウドにバックアップされることはありません。


■iCloudを使ってiPhoneあるいはiPadをバックアップする


バックアップに利用できるストレージ容量が分かったら、画面の下の方に表示された“iCloudバックアップをタップしてください。下図のように、お使いのiCloudアカウントにバックアップされているすべてのデバイスが表示されます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups2.png


このリストにバックアップがまったく表示されない場合、お使いのデバイスはiCloudにバックアップされていないことを意味します。一番上のトグルスイッチを有効にしてiCloudバックアップをONにしてください。


そのちょっと下に今すぐバックアップを作成があります。初めてバックアップを作成する場合は、これをタップしてください。iCloudバックアップでは、すでにiCloudアカウントに存在するデータはバックアップしません。ですので、写真や動画を再度バックアップすることはありません。実際にバックアップしてみると、利用可能なストレージ容量に対してバックアップするデータが大きすぎたり、容量の残りがギリギリになるまでストレージを消費してしまう可能性があります。


初めてのバックアップが完了したら、画面下部に表示されたお使いのデバイスをタップしてください。ここで直近のバックアップが作成された日付やそのサイズ、次回のバックアップのサイズ、そしてデータをバックアップするAppのリストを確認できます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups3.png


このリストでは、お使いのiCloudバックアップとしてどのAppのデータがバックアップされているのか、そしてそのデータがどれだけの容量を消費しているのか確認できます。上のスクリーンショットを例に挙げると、最も大きなデータは私が自分の車を管理するために使っているAppであることがわかります。リストを下に見ていくと、バックアップする必要がない小さなデータが色々なAppからバックアップされていることも確認できます。こうしたAppが保管しているのは大体が設定ですが、私がメッシュWi-FIの管理に使っているOrbi Appは本当に89MBものデータを設定に使っているか疑問です。バックアップする必要がないAppはトグルスイッチでOFFにしましょう。とは言え、iPhoneをバックアップから復旧しなければならない場合、こうしたデータがあれば設定をやり直さなくて良いのでより早くAppが利用可能になる可能性もあります。そう考えると、よく使うAppはバックアップしておき、あまり使っておらず本当にバックアップする必要がないAppだけOFFにするのが良いでしょう。なお、iCloudにデータを保管するAppはこのリストに表示されません。このリストに表示されているAppのデータをバックアップすることと、AppiCloudにデータを保管するということでは、意味が異なるのです。


前述の通り、iCloudバックアップは自動で処理されます。でも、今すぐバックアップを作成をタップすれば好きなときにバックアップを開始できますし、iCloudバックアップを初めて設定したときには手動でバックアップを実行しておいた方が良いでしょう。なお、自動バックアップはデバイスの画面がオフで電源に接続されている時に実行されます。なので、ほとんどの場合は皆さんが寝ている間に自動でバックアップされるでしょう。前出のスクリーンショットの場合、直近のiCloudバックアップは午前135分に実行されたことが分かります。


お使いのインターネット通信速度やバックアップするデータのサイズにもよりますが、初めてのiCloudバックアップには結構時間がかかるでしょう。バックアップはいつでも中止でき、今すぐバックアップを作成をもう一度タップすれば再開しますが、放置しておいて自動バックアップに任せても構いません。お使いのiCloudプランに十分なストレージ容量がない場合は警告が表示され、ストレージの追加容量の購入を促されます。


■Finderを使ってiPhoneあるいはiPadをバックアップする


macOS Catalinaまで、MacでのiOSデバイスのバックアップにはiTunesが必要でした(Windowsでは、今もiTunesが必要です)。しかしAppleiTunesをいくつかのアプリに分割した際に、このバックアップ機能はFinderが受け継ぎました。


お使いのiOSデバイスをUSB経由でMacに接続したら、Finderのサイドバーで該当端末を探してください。表示された該当端末をクリックすると、基本的な仕様、機種情報、バックアップオプション、そして同期オプションを含むデバイス情報が表示されます。このウインドウ下部では、該当デバイスの容量がどれだけ、どのようなデータで消費されているかバーグラフで確認できます。ポインタをバーの上に移動すると、詳細も確認できます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups4.png


上図のウインドウのバックアップ部分に注目してください。私のiPhoneの場合、「最も重要なデータをiCloudにバックアップ」するよう設定されています。iPhone上のすべてのデータをMacにバックアップすることもできますが、iCloudバックアップではすべてのデータはバックアップされません。バックアップされる内容については、後述する説明を参照ください。


Finderを使ったバックアップ設定は、単純です。iPhoneのすべてのデータをMacにバックアップして、macOSがハードディスクに作成するバックアップファイルを保護するためにローカルのバックアップを暗号化できます。なお、このパスワードを忘れたらバックアップを利用することはできません。バックアップの暗号化では、保存したパスワード、Wi-Fi設定、ヘルスケアデータ、Webサイトの履歴、そして通話履歴もバックアップされます( https://support.apple.com/ja-jp/HT205220 )。これらのデータは、暗号化がOFFだとバックアップされません。


設定が完了したら今すぐバックアップボタンをクリックし、Finderにバックアップを任せてください。デバイスをバックアップする度にFinderが新しいバックアップファイルを作成しますが、コピーするのは新規あるいは変更されたデータだけなので、2回目以降のバックアップは最初のバックアップよりかかる時間が短くなります。


■iCloudおよびFinderバックアップでバックアップされるデータの違い


●iCloudバックアップ


iCloudバックアップには、お使いのデバイスに保管されているほとんどのデータと設定が含まれています。ただしiCloudバックアップには、次のデータが含まれません:


連絡先、カレンダ、ノート、マイフォトストリーム、そしてiCloud写真ライブラリなど、すでにiCloudに保管されているデータ


GmailExchangeなど他のクラウドサービスに保管されているデータ


Appleメールのデータ


Apple Payの情報と設定


Face IDあるいはTouch IDの設定


iCloudミュージックライブラリおよびApp Storeのコンテンツ(以前に購入したコンテンツが、まだiTunesApp、あるいはiBooks Store内にあれば、タップすることで再ダウンロードできます)。


●Finderバックアップ


Finderバックアップにはお使いのデバイス上のほぼすべてのデータが含まれています。ただし、以下のデータはFinderバックアップに含まれません:


iTunesおよびApp Storeから入手したコンテンツ、あるいはiBooksに直接ダウンロードされたPDF


読み込まれたMP3CD、ビデオ、書籍、そして写真などAppleのメディアAppと同期されているコンテンツ


iCloud写真、iMessage、そしてテキスト(SMS)とマルチメディア(MMS)メッセージなど、すでにiCloudに保管されているデータ


Face IDあるいはTouch IDの設定


Apple Payの情報と設定


Appleメールのデータ


アクティビティ、ヘルス、そしてキーチェーンのデータ(これらのコンテンツは、バックアップの暗号化がONだとバックアップされます)


それぞれの長所と短所


復旧にかかる時間


Mac上のバックアップからの復旧にかかる時間は、iCloudのバックアップからの復旧より高速です。Macからの完全復旧が30分以下で完了する場合も、iCloudからの復旧には数時間以上かかるでしょう。実際に復旧にかかる時間はバックアップのサイズに依存し、かつiCloudからの復旧の場合はインターネット通信速度にも依存します。バックアップのサイズに関わらず、デバイスをバックアップ復旧以前の状態まで戻すにはそれなりの時間がかかることに注意しておいてください。これはAppはバックアップされていないので、デバイスに再度ダウンロードしなければならないためです。これは、iCloudバックアップでもFinderバックアップでも同じです。


ストレージ容量


Finderバックアップでは、お使いのMacのハードディスクの空き容量だけが問題となります。必要な容量の空きがあるなら、バックアップは高速で完了しますし料金もかかりません。これがiCloudバックアップの場合は、無料で使える容量はたったの5 GBです。ほとんどのユーザは、デバイスをバックアップするためだけに毎月130円か400円を払っています。まぁ、データ保護のためだと思えば安いものです。


比較のために言うと、前出のスクリーンショットでわかるように私のiPhone 11では、iCloudバックアップは1.66 GBですが、このiPhoneMacにバックアップするとバックアップは約16 GBになります。


複数バックアップを作成


FinderでもiCloudでも、既存のバックアップを上書きして最新のデータだけを保管します。作成したバックアップをアーカイブ化して保管した状態で、次のバックアップを新たに作成できるのはMacでバックアップした場合だけです。ハードディスク容量に余裕があれば、こうして好きなだけバックアップを保管しておけます。


バックアップをアーカイブ化するには、Finderウインドウでバックアップを管理をクリックしバックアップを右クリックしてアーカイブを選びます。バックアップの名前が日付を含むものに変更され、次回のデバイスのバックアップでは新しいバックアップが作成されます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/11/backups5.png


これはソフトウェアを試験する際など、事後にデータを以前の状態に戻す必要がある場合に便利です。iOSの最新バージョンを試して問題が起きたら古いバックアップに戻せば良いわけですが、それには以前のiOSのファームウェアファイルも保存している必要があります。そのためには、お使いのiOSデバイスをMac上でアプデートしてファームウェアファイルを保存させる必要があります。この場合、以前にダウンロードしたことがあればホームフォルダ内の /Library/Music フォルダを開くとiPhoneiPad、そしていPod touchのファームウェア用のフォルダがあります。


一方、iCloudでは最新のバックアップしか残せませんので、以前のシステムに戻すことはできませんし、バックアップが壊れてしまったらもう復旧することはできません。


バックアップのバックアップ


Finderが作成するバックアップは、ハードディスク上にあります。つまり、Time Machineや使っている他のバックアップソフトウェアによってバックアップされますので、結果としてお使いのiOSデイバイスの複数のバックアップが存在することになります。これまでに何度もお薦めしてきたように、複数のバックアップを作成するのは本当に良い考えです。


古いiCloudバックアップを削除


前述の通り、お使いのデバイスのバックアップは常時上書きされながら最新の1つだけが保存されます。でも、iCloudにはもう必要ない古い他のデバイスのバックアップが存在し、その貴重なストレージを消費し続けている可能性もあります。それを確認するには、設定を開き、名前をタップしてiCloud > iCloudバックアップをタップしてください。もう使っていないデバイスが表示されるようであればタップし、バックアップを削除をタップしてください。


古いFinderバックアップを削除


iOSデバイスが接続された状態で、Finderウインドウでバックアップを管理をクリックすると、何年も前に使っていた複数のデバイスのバックアップを含む長いリストが表示されるかも知れません。もう使っていないデバイスがあれば、バックアップを削除をクリックしてください。


この時、同時にバックアップが保管されているフォルダの中身を確認するのも良い考えです。と言うのも、場合によってはデバイスのバックアップウインドウに表示されないバックアップが存在することがあるからです。バックアップウインドウ内でバックアップを右クリックし、“Finderに表示を選んでください。これで、お使いのiOSデバイスのバックアップが保管されているフォルダが開きます(このフォルダは、ホームフォルダ内の /ライブラリ/Application Support/MobileSync/Backup です)。このフォルダを整理したことが一度もなければ、何年も前もバックアップがリスト表示されるかも知れませんよ。


■iPhoneおよびiPadにとって最善のバックアップとは


お使いのデバイスのiCloudへのバックアップは自動で処理されますから、とても簡単です。Macにバックアップするとなると、デバイスを接続し、バックアップするためのボタンをクリックしなければなりません(これはFinderでデバイスウインドウにある一般タブのオプションで、“Wi-FiがオンになっているときにこのiPhoneを表示をクリックすればWi-Fi経由でも可能です)。


個人的には、両方を併用したいと思っています。外出中にiPhoneで問題が起きたら、家にバックアップがあっても何の助けにもなりませんのでiCloudバックアップが必要です。でも、少なくとも月に一度はFinderバックアップを実行することでデバイスの復旧が必要になったとき、家に帰りさえすればすべてのデータがバックアップされているので安心です。iOSあるいはiPadOSをメジャーアップグレードする前には常にバックアップしていますし、新しいデバイスに乗り換える場合は、念のためですがデータを転送する前にまずFinderバックアップを行ってから、さらにiCloudバックアップを実行しています。


どの方法を採用するにしても、データを失わないためにお使いのiOSデバイスを定期的にバックアップしてください。バックアップは実際には簡単で、自動で処理することもできるのですから。



お使いのMacは安全ですか?


Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、act2.com の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego



バックアップはセキュリティの最後の砦。

iPhone iPad は私たちの日常生活に必須のアイテムです。ぜひ、これらのバックアップのことを考えてみてください。


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