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IntelおよびM1 MacでWindowsを使う方法
(この記事は、2022年1月10日にKirkMcElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMacSecurity Blogに投稿されたHow to Run Windows on an Intel or M1Macの翻訳です)
Macユーザにとって、Windows用AppやWindows用ゲームのためにWindowsPCを用意するより、MacでWindowsを実行してしまった方が合理的な場合があります。
ちょっと前まで、MacでWindowsを実行するのは比較的に簡単な話でした。
WindowsはIntelプロセッサ用に開発されているため、Intelプロセッサを搭載するMacをWindowsで起動したり、仮想環境でWindowsを実行することが問題なくできたからです。
しかしIntelとは違うARMプロセッサの一種であるM1プロセッサを搭載する新しいMacが登場して、全てが変わってしまいました。
この記事では、IntelMacでWindowsを利用する幾つかの歴史的な選択肢に触れてから、M1MacでWindowsを利用する方法について説明します。
■Mac上のWindowsの歴史
90年代、AppleとMicrosoftはプラットフォーム戦争を戦っていました。PC市場におけるAppleのシェアは微々たるものだったので、多くのMacユーザにとって、特にプロフェッショナル環境においては、Windows用Appを使うためにWindowsPCが必須でした。
仕事で特定のAppを使ったり、Windows用ゲームをプレイするためにはWindowsPC以外の選択肢はありませんでした。
また多くのウェブデザイナが、Windows用ブラウザで問題なくウェブサイトが動作するか確認するためにWindowsPCを使っていました。
1994年になると、Appleは同じコンピュータで両方のオペレーティングシステムが実行できるMacを発売します。
PowerMacintosh6100には、必要ならWindowsからも起動できるだけでなく、モニタが2台あれば両方のオペレーティングシステムから同時に起動できるようにIntel80486 DX2/66プロセッサを搭載するPDS(processor directslot)カードが搭載されたモデルが用意されていました。
1996 Power Mac 4400も、Pentiumプロセッサを搭載するPCIPC互換カードを利用することでWindowsに対応していました。
しかしSteveJobs氏がAppleに戻ってからはこの路線が継承されず、ユーザはエミュレーションソフトウェアを使うしかなくなりました。
1997年には、Mac上でWindowsをエミュレートできるVirtualPCをConnectixが公開しました
(https://tidbits.com/1997/09/15/virtual-pc-slow-but-well-worth-the-wait/)。
速度は遅かったのですが、WindowsのコードをMacのPowerPCプロセッサで実行できるように変換することでmacOS内でWindowsが実行でき、再起動も不要でした。
AppleがIntelプロセッサを採用したハードウェアを発売するまで、長年に渡りVirtualPCこそがMac上でwindowsを実行するAppの代名詞でした。
■Intel MacでWindowsを実行
2006年にAppleがIntelプロセッサに移行すると、Windowsの実行は以前より簡単になりました。
Appleでは、ユーザがMac上の専用パーティションにWindowsをインストールして必要に応じてWindowsから起動できるBootCampを公開しました。
ほぼ同時期に、macOS内でWindowsを実行できるため起動するオペレーティングシステムを切り替える必要がない仮想環境であるParallelsDesktopが公開されます( https://www.parallels.com/jp/ )。
1年後には、同様の機能を持つVMwareFusionが公開されます( https://www.vmware.com/jp.html)。
現在も、この2個の素晴らしい製品がMac用Windows仮想環境を提供しています。
ただし、それはMacがIntelプロセッサで動作していればです(ちなみに、どちらのAppもLinuxのようなWindows以外のオペレーティングシステムや古いバージョンのmacOSなどを実行することもできます)。
Intel Macで使える選択肢としては、設定がやや複雑なVirtualBox(https://www.virtualbox.org/wiki/VirtualBox)、
そしてWindowsそのものではなく一部のWindows用Appを実行できるCrossOver(https://www.codeweavers.com/crossover )も存在します。
こうした豊富な選択肢があるため、AppleがMacに独自プロセッサに採用してからも、Windowsを実行する必要があるユーザの一部、特に既に仮想環境を利用していたユーザはIntelMacを手放さずにいます。
■M1 MacでのWindowsの実行
AppleのM1 MacはARMプロセッサの一種を採用しているため、Windowsを実行するための選択肢にBootCampがありません。
Parallels Desktopは、M1 MacでWindowsを実行できますが、VMwareFusionでは実行できません。
Parallels Desktopでは特別なWindowsバージョンが必要な以外は、これまでのIntelMacと同じ手順でWindowsを利用できます。
Windows Insider Previewプログラムに参加しているなら、PararellsDesktopが必要とするARM版のWindows 11がMicrosoftから入手できます
(https://www.microsoft.com/en-us/software-download/windowsinsiderpreviewARM64)。
このバージョンは公式リリースされておらず、現時点では無料です。MicrosoftがARM版のWindows11を、このプレビュープログラム以外で公式リリースするかは不明です。
Parallels Desktopは、利用できる仮想RAMとCPUコアに一定の制限があるスタンダード製品で8,345円です。
Proeditionは、9,818円/年です。常時使うなら、後者を選んだ方が賢明でしょう。
なお、ParallelsDesktopでのWindowsの実行には、DirectX12に対応しないなど制限がありますので、プレイしたいWindows用ゲームの全てをプレイすることはできないかもしれません。
また、Windowsを含む複数のオペレーティングシステムをエミュレートするオープンソースのQemuを使うという選択肢もあります
(https://www.qemu.org/download/#macos )。
ParallelsDesktop同様、ARM用Windowsを入手するにはWindows InsiderPreviewプログラムに参加しなければなりません。
Qemuの設定は、Parallels Desktopよりもちょっとばかり面倒です
(https://medium.com/techiepedia/running-and-benchmarking-windows-10-in-m1-mac-using-acvm-qemu-4d836805695d)。
最後に、CrossOverを使うことでWindowsオペレーティングシステムそのものではなく、主にゲームになりますがいくつかのWindows用AppをM1Macで実行することができます
( https://www.codeweavers.com/crossover/)。
使いたいAppにCrossOverが対応しているか事前に確認しておいてください。
■Mac上のWindowsの未来
今後は、インターネットに高速接続していて、時々Windwos用Appを使うだけならば、Mac上でWindowsを実行する必要はなくなるかもしれません。
Macユーザのための未来のWindowsは、Webブラウザになる可能性があるからです。MicrosoftWindows 365 Cloud PCは、Windows体験を安全に「どのデバイスにもストリーミング」するとされます
(https://www.microsoft.com/ja-jp/windows-365)。
つまり、Mac、iPad、そしてiPhoneからでさえも利用できるでしょう。
さまざまな処理がクラウドサーバで実行されるため、Macの処理速度に影響がなく、ドライブのスペースも消費されません(ParallelsDesktopの仮想環境は、数十ギガバイトを消費します)。
現状、Microsoftはこのサービスをビジネス向けにしか販売しておらず、4,210円/月の費用がかかります
(https://www.microsoft.com/ja-jp/windows-365/business/compare-plans-pricing)。
基本的にクラウドサーバ上でWindowsの仮想インスタンスをレンタルするのであり、他の仮想クラウドサーバ同様の費用を払うことになりますので、ときどきWindows用Appを利用するホームユーザやMacでWindows用ゲームをプレイしたいユーザ向けのソリューションではありません。
しかし、仕事で常時Windowsを使っているなら検討する価値があるでしょう。
多くのMacユーザがWindowsを必要としてきた長い歴史があります。そ
れは、たった一つのAppのためだったり、Macに対応しないゲームのためだったりします。
今やゲーム専用機が標準となり多くのゲーム好きは専用機を使う時代ですが、それでもMacでWindowsを実行したいと思う場合があるでしょう。
そんなとき、IntelMacより選択肢は狭まるとはいえAppleの新しいM1Macでも、必要に応じてWindowsを実行することは可能なのです。
■お使いのMacは安全ですか?
Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:
https://www.act2.com/intego
株式会社アクト・ツー
Software Product Team
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