2022年7月6日水曜日

M1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法〜IntegoTips〜

 

こんにちは、いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

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M1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法

(この記事は、2022年6月30日にKirkMcElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)およびJoshuaLong(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/joshlong/)によってMacSecurity Blogに投稿されたHow to Run Windows 11 for Free on an M1 or M2Macの翻訳です)

かなり昔から、AppleはBoot Camp( https://support.apple.com/ja-jp/boot-camp
)という機能によって比較的簡単にMacでWindowsを使えるようにしてきました。このBoot
Campを使えば、Intelプロセッサを搭載するMacをmacOSとWindowsのどちらからでも起動することができるので、両方のオペレーティングシステムを使う必要がある人には手放せないものになっています。

ところが残念なことに、AppleはIntelプロセッサを搭載するMacにしかBoot
Campを提供していません。つまりAppleがMacにM1とM2というApple製プロセッサを搭載してから、Windowsで起動したり(https://act2blog.blogspot.com/2022/07/2022mac-integotips.html)、Intelプロセッサを利用してWindows用Appをネーティブで実行できるMacはほとんどなくなりました(https://act2blog.blogspot.com/2022/06/intelm1-macwindows.html)。現状、Appleが販売するIntelプロセッサを搭載するMacは、Macminiの1機種と一般的なパーソナルコンピュータの価格帯をはるかに超える価格のMacProだけです。

しかし、今後はApple製プロセッサを使いたい人にも、まだ仮想化という選択肢が残っています。MacでWindowsや他のオペレーティングシステムを実行するためのAppとしては、ここしばらくはMVWare
FusionとParallelsDesktopの2つが主流となっています。ただし、M1あるいはM2を搭載するMacに対応しているのはParallelsDesktopだけです。ちなみにParallels Desktopの価格は、旧バージョンからのアップグレードが5,204円、そしてProEditionは9,818円となっています(https://www.parallels.com/jp/products/desktop/buy/)。キャンペーンなどでは、もう少し安い価格になっていることでしょう。

この金額が高いと思う人には、インストールがちょっと面倒ですが無料でオープンソースのエミュレータ、QEMUという選択肢もあります(https://www.qemu.org/download/#macos )。しかも、UTMAppというプログラムを使えばMacでQEMUを利用する際の設定を極力省くこともできます。UTMはParallelsDesktopほどの機能は持ちませんが、無料です(正確に言えば、支払わない方法があります)。

この記事では、無料のUTMと無料のWindows 11 Proを使って、M1、M1 Pro、M1 Max、M1Ultra、あるいはM2プロセッサを搭載するMacでWindowsを実行する方法を説明します。

■UTMについて

UTMは、QEMUのすべてのソフトウェアを含む上にユーザに分かりやすいグラフィカルインタフェースが搭載されています。UTMを使うには基本的にコマンド入力が不要で、見た目はParallels
Desktopに少し似ています。UTMをインストールしてWindowsを設定することは、さほど複雑ではありません。

UTMはそのウェブサイトから無料でダウンロードできますが( https://mac.getutm.app/
)、Mac App Storeから1,220円で購入することもできます(https://apps.apple.com/jp/app/utm-virtual-machines/id1538878817)。どちらでも同じバージョンのUTMが入手できますが、Mac App
Store経由で購入した場合は開発を金銭的に支援することができる上に、今後もプログラムは自動アップデートされます。ウェブサイトからダウンロードできる無料版には自動アップデート機能がないため、常に最新版を使いたければこまめにUTMのアップデートの有無をチェックし、アップデートがあれば手動でダウンロードしなければなりません。

■初めてのUTM

使用開始する前に、起動ボリュームに少なくとも100
GBの空き容量があることを確認してください。これだけの空き容量があれば、UTMとWindowsをダウンロードしてインストールしても少しは空き容量が残るので、今後のmacOSのセキュリティアップデートも問題なくダウンロードしてインストールできるでしょう。空き容量が100GBない場合はIntegoのセキュリティおよびユーティリティのバンドル製品であるMac PremiumBundle X9( https://www.act2.com/integostore )に含まれるWashing
Machineのようなプログラムを使って空き容量を増やすことができるかもしれません。

Mac App Storeで購入したのではなく、ウェブサイトからUTMの無料版をダウンロードした場合、プログラムは275
MBのディスクイメージとしてダウンロードされます。ディスクイメージを開くと次の図のような画面になるので、UTMAppをアプリケーションフォルダへドラッグしてコピーしてください。UTMのディスクイメージは圧縮されているので、アプリケーションフォルダへAppをコピーすると実際には1.1GBほどの容量を消費します。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm1.png

UTMを開くと、次の図のような画面が表示されます:
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm2.png

このような仮想化ソフトウェアの設定では、まず新しい仮想マシンを作成します。こうして作成した仮想マシンに、UTM経由で使用できるWindowsとAppをインストールします。MicrosoftはIntelプロセッサ用のWindowsしか販売していないので、M1あるいはM2MacでWindowsを使うためにはARMプロセッサに対応する特殊なバージョンを入手しなければなりません。ARMというのは、AppleのM1およびM2プロセッサの基になっているプロセッサのシリーズです。現時点では、MicrosoftはARMプロセッサ用のWindowsを販売していませんが、Windows
Insider Programに参加すればWindows 11のプレビュー版を無料でダウンロードすることができます(
https://www.microsoft.com/en-us/software-download/windowsinsiderpreviewARM64
)。このファイルは10GB以上の容量があるので、高速な回線でダウンロードしないとダウンロードに一晩中かかる可能性もあります。

なお、サードパーティ製のWindows用ソフトウェアには、ARM用のWindowsに完全対応していないものがあることに注意しておいてください。ARM用Windows11はARMプロセッサ用ですが、基本的なIntel用Appも実行できるようにx86/x64エミュレーションエンジンが内蔵されています。これは、Intelプロセッサ用macOSを対象にしたAppをApple製プロセッサを搭載するMacで実行するためのRosetta2と同様の考え方です( https://support.apple.com/ja-jp/HT211861)。ただしアンチウイルスソフトやビデオゲームなど複雑なソフトウェアの場合は、開発元がAppをARMネーティブに書き換えるまで動作しない可能性があります。MicrosoftがARM用Windowsを販売も宣伝もしていない現状なので、ARMネーティブのWindows用Appを開発する開発元はほとんどありません。繰り返しになりますが、多くのサードパーティ製AppはMicrosoftの内蔵エミュレータで問題なく動作するので大きな問題はないでしょう。

Windows11が完全にダウンロードされるまで、UTMのGalleryを覗いてみるのも良い考えです。これは、ダウンロードできる仮想マシンのリストを確認できるUTMのウェブページです(https://mac.getutm.app/gallery/
)。リストには、利用可能な多様なLinuxディストリビューションに加え、懐古趣味を満足させるためのMac
OS 9.2.1も用意されています。Classic Mac OSを使う場合は、Mac OS 9: Some Love for
the Classics!(https://www.intego.com/mac-security-blog/mac-os-9-some-love-for-the-classics/)という記事も参照ください。 すでにサポートは終了していますが、Mac OS9用の古いIntego製ユーティリティをダウンロードするリンクもあります。

UTMで特定の仮想マシンを初めて起動した場合、マウスカーソルは動作しません。次の図で矢印の右にあるUTMツールバーのマウスカーソルをキャプチャするためのボタンをクリックしてください。カーソルが仮想マシンによって「キャプチャ」された状態からカーソルを解放したい場合は、Control+Optionを押してください。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm3.png

このギャラリーには、いくつもの古いバージョンのWindowsがあることに気づくことでしょう。Windows
7あるいはWindows XPを実行するための仮想マシンをダウンロードすることもできます。MacOS 9同様、こうした古いWindowsのバージョンにはセキュリティアップデートは提供されていないのでご注意ください。Windows11の項目には、この記事で説明しているのと同様のインストール手順が記載されています。ダウンロードしてすぐに使い始めることができる仮想マシンは存在しませんので、このガイドでは順を追って操作を説明していきます。

■Windows仮想マシンの設定

Windows仮想マシンを設定するには、UTMのホーム画面で「Create a New Virtual
Machine」をクリックし、ツールバーの「+」アイコンをクリックします。ここではARM用のWindows11をダウンロードしてありますので、次の画面ではVirtualizeを選んでください。これは、選択したソフトウェアがM1あるいはM2プロセッサ上でネーティブで実行することを意味します。なお、M1あるいはM2プロセッサを搭載したMacでIntel用のWindows11を実行したい場合は、エミュレーションが必要なので処理速度の遅いEmulateを選ぶことになります。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm4.png

次の画面では、どのオペレーティングシステムを実行するか指定しますのでWindowsを選んでください。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm5.png

次の画面には有効になっている2個のオプションがありますので、そのまま有効にしておいてください。BrowseをクリックしたらダウンロードしたWindows
11 VHDXイメージを指定し、OpenをクリックしてからContinueをクリックします。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm6.png

続いて、仮想マシンに割り当てるメモリ容量とCPUコアの数を選びます。デフォルトのままにしておいて、必要なら後で変更するのが良いでしょう。Continueをクリックします。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm7.png

次の画面では、共有ディレクトリ、あるいは共有するフォルダを選択できます。この設定は、Macから仮想マシンへ、あるいは仮想マシンからMacへファイルを転送したい場合は必須です。Browseをクリックして使いたいフォルダを指定するか、新規フォルダを作成します。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm8.png

最後の設定画面は、まとめ画面です。ここで設定の内容を確認するとともに、仮想マシンの名前を指定できます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm9.png

Saveをクリックすると、UTMが仮想マシンを用意します。次のような画面が表示されます:
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm10.png

大きな矢印をクリックすると、仮想マシンが起動します。数分でWindowsの設定画面が表示されます。前述の通り、UTMウインドウ内でカーソルを使うためにはツールバーに表示されたカーソルボタンをクリックする必要があります。その後、UTMにカーソルを解放させるにはControl+Optionキーを押す必要があることは忘れないでください。

設定の過程でWindowsがネットワークへのアクセスを要求しますが、これがちょっと面倒なのです。とりあえず、Shift-F10キーを押してWindowsコマンドプロンプトを起動し、OOBE\BYPASSNROと入力してEnterキーを押してください。これで、Windowsにネットワーク設定をスキップさせられます。仮想マシンが再起動するので、設定でネットワーク画面が表示されたら「Idon't have internet」というオプションを選びます。このオプションをクリックし、Continuewith limitedsetupをクリックします。後でソフトウェアを追加でインストールすることで、ネットワークを利用できるようになります。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm11.png

次の設定は、ユーザアカウントです。好みのユーザ名とパスワードを入力し、3個のセキュリティの質問を設定します。これは、自分のことをちょっとでも知っている人なら、あるいは自分のFacebookの投稿を読んでいる人なら、誰でも答えられるような単純な質問です。なので、質問には正直に答えず適当な答えを設定し、それを忘れないように記録しておくのも良い考えです。質問と回答をパスワードマネージャに保存しておくこともできます(
https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-choose-the-right-password-manager-for-you/
)。

その後もいくつかの画面を進み、設定が終わるまで数分待つと、Windowsのデスクトップが表示されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm12.png

でも、まだ終わりじゃありません。ネットワークやその他の機能を使うためにいくつかのソフトウェアをインストールしなければなりません。UTMのサポートページ(https://mac.getutm.app/support/ )を開き、SPICE Guest Tools and QEMU Drivers(Windows)をダウンロードしてください。

この.isoディスクイメージファイルをダウンロードしたら、UTMウインドウのツールバーで右から2番目に表示されたDriveOptionsボタンをクリックします。CD/DVD (ISO) image (usb) >
Changeを選び、イメージファイルを選択します。Openを選ぶと、D:ドライブとしてマウントされます。後ろにバージョン番号が付いたspice-guest-toolsという名称のファイルがありますので開き、インストールを許可してください。これでネットワークドライバが追加され、さらにコピー&ペーストなどの他の機能を実現します。

このインストールが完了したら、仮想マシンを再起動します。これで、Windowsが使えるようになりました。

UTMは素晴らしいソフトウェアとはいえ無料ですから、Parallels
Desktopより機能が少ないです。処理速度も遅いし、オペレーティングシステム間でファイルをドラッグすることもできません。でも、SPICE
Guest
Toolsのおかげで、オペレーティングシステム間で少なくともテキストはコピー&ペーストできます。

■UTM環境設定と設定

UTMの環境設定と設定は、2つの場所にあります。メニューバーのAppleメニューの隣にあるUTMメニューをクリックしてPreferencesを選ぶと、App自体の環境設定画面が開きます。特別な理由がなければ、その設定はデフォルトのまま変更しない方が良いでしょう。

QEMUおよび仮想マシンに関係する設定を呼び出すには、仮想マシンを選んでツールバーに表示されたEditボタンをクリックします。仮想マシンの設定を変更するバイは、事前に仮想マシンを終了して仮想マシンのステータスにStoppedと表示されている必要があるので注意してください。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm14.png

ここには、CPUコアやメモリなど変更できる設定がたくさんあります。UTMを初めて設定する際には、こうした設定をデフォルトのままにしておくように上でお勧めしました。でも、お使いの仮想マシンが遅いと感じたら、メモリやCPUコアを増やして違いがあるか試すことができます。ただし、この設定変更が必要なのは、プロセッサやRAMに負担のかかる処理を行う場合だけで一般的な用途では変更しても大きな違いは期待できません。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/utm15.png

他の設定も確認だけはしておきましょう。基本的に設定はしなくて構いませんが、必要なら変更も可能です。

■これでM1 Macでも無料でWindowsが使えます

前述の通り、Mac App
Storeで1,220円で販売されているUTMなら、Appは自動でアップデートされます。ウェブサイトから無料でダウンロードした場合、Appには自動アップデート機能が内蔵されていないので、新しいバージョンが公開される度にUTMを手動でアップデートしなければなりません。最新バージョンはUTMGitHubページ( https://github.com/utmapp/UTM/releases)で確認できます。アップデートにはUTMのAppとその基になっているQEMUソフトウェアの両方のアップデートが含まれているので、必ず常に最新にアップデートしておかなければなりません

Windowsを頻繁に使うにしても時々しか使わないにしても、UTMは無料でWindowsが使える素晴らしい方法です。なお現時点ではWindows11も無料ですが、いつまで無料でダウンロードできるかは誰にもわかりません。今後どこかの時点で、MicrosoftがARM用Windowsを販売開始する可能性は高いと思います。

■お使いのMacは安全ですか?

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego

株式会社アクト・ツー
Software Product Team

2022年7月4日月曜日

2022年に自分の用途にあったMacを選ぶ 〜IntegoTips〜

 

こんにちは、いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

act2ブログ~IntegoTips~をお届けいたします。

2022年に自分の用途にあったMacを選ぶ

(この記事は、2022年6月20日にKirkMcElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMacSecurity Blogに投稿されたHow to choose the right Mac for your use case in2022の翻訳です)

ここ最近で、AppleのMac製品ラインアップは様変わりしました。新しいMacを買おうにも、それぞれの製品にどんな特徴があるのかつぶさに調べなければ違いがわからないほどです。Macに詳しく必要な仕様がはっきりしているなら、迷うことなく買うべき製品を決めることができるかも知れませんが、人によってはどれにしたら良いのかいつまでも決められないのではないでしょうか。

探しているのがデスクトップMacなら、まだ大きく4つのモデルから選ぶだけですが、ラップトップではモデル、機能、そして画面サイズによっていくつもの選択肢が出てきます。ラップトップを持ち歩くのでなくデスクの上に置いてメインでも使うとなれば、これまたいくつかの要素を組み合わせて検討しなければなりません。この記事では、皆さんが新しいMacを買う際にその用途や目的に合わせて選ぶべき製品をお勧めできたらと思います。

■AppleのM1およびM2プロセッサ

まず、ここ数年でMacに起きた最も大きな変化は2020年後半のAppleのM1プロセッサを搭載するMacの登場です(
https://www.apple.com/uk/mac/m1/
)。これにより、新しいMacを選ぶ際にはプロセッサの種類について考えなければなりません。2022年も半分が過ぎた今、1種類のMacを除けば、すべてのMacがAppleの自社製プロセッサのバリエーションを搭載しています。Appleがこの新しいプロセッサを搭載したMacを初めて公開したプレゼンテーションは、多くのMacユーザにとってその内容を俄には信じられないほどの驚きでした。

https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-announces-first-macs-with-apple-silicon/ )

発表された処理速度と電力消費は予想外に優れたものでしたが、それがベンチマーク計測および実際の利用によって裏打ちされたデータだったのですから驚くのも当たり前です。

https://www.intego.com/mac-security-blog/a-week-with-the-new-apple-m1-macbook-air/

当初のM1
Macには、8コアのプロセッサが搭載されました。ちなみに、コアとはそれ自体が小さなプロセッサであるとも考えられますから、1個のプロセッサに実は8個のプロセッサが入っていると言っても良いでしょう。一般的なほとんどの作業で使用されるコアは1個だけですが、高い処理能力を必要とする処理では複数のコアが同時に使用されます。

AppleがM1 ProおよびM1 Maxプロセッサと呼ぶ二代目M1プロセッサを搭載するMacは、当初はMacBookProだけでした。14"と16"の2種類の製品があり、まさにプロ用と呼ぶにふさわしいラップトップでした。8コアあるいは10コアにグラフィック用コアが追加され、初代M1Macより多くのメモリを追加することができました。


2022年3月に、AppleはM1 Ultraをその時点での新製品MacStudioに搭載しました。このプロセッサは、並行処理を提供するために2個のM1Maxプロセッサをダイトゥダイ相互接続して作られています。

2022年6月に、Appleは次世代プロセッサであるM2プロセッサを搭載した初めてのMacを発表しました。この新しいプロセッサの能力はM1から飛躍的に改良されているわけではなく、最大24GB RAMに対応するなどの改良版という位置付けです。13" M2 MacBookProは前身製品のすべての機能を持ちながら、処理速度は高速化し、AppleはM1の該当製品に比べて1.4倍高速だとしています。

M2 MacBook Airは、Appleの軽量ラップトップを全く新たに作り直した製品です。楔のような空力設計におさらばし、2台のiPadProを一つに重ねたような形状をしています。とはいえ、まだファンレスのM2 MacBookAirには、LiquidRetinaディスプレイとMagSafe対応が追加され、最長18時間のバッテリ駆動時間を誇ります。もちろんお値段も相応で、まだ134,800円で販売されているM1モデルより3万円ほど高くなっています。

Appleのほぼすべての製品ラインアップが自社製プロセッサにアップデートされた今、前時代のIntelプロセッサを搭載するMacの購入を検討する必要はありません(もちろん、後述するようにIntelプロセッサを必要とする人もいす)。予算に合わせた選択肢があり、サイズに合わせた選択肢があります。2020年後半に発売されたM1Macの最初の波には、MacBook Air、13" MacBook Pro、そしてMac miniがありました。24"iMacは2021年5月に発売され、2021年10月にはAppleが14"と16"のMacBookProモデルを発売しました。そして2022年3月にMac miniとMac Proの間に位置する新しいMacStudioが発売されます。ちなみに、このMacProはApple製プロセッサがまだ搭載されていない唯一の製品です。最後に、Apple製プロセッサの今後の展開を予想させる13"M2 MacBook ProとMacBook Airが発表されました。

M1 iMacは7色
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2021/04/imac-sides-hero-600.jpg

一つ大事なことがあります。AppleのM1プロセッサに対応しておらず今後も対応しないであろうソフトウェアを使っている場合、あるいはBootCampを使ってMac上でWindowsを使うためにはInteglプロセッサが必要です。そしてIntelプロセッサが必要なのであれば、今こそMacを買っておくべきです。この記事執筆時点で、まだ販売中のIntelプロセッサを搭載するMacはMacminiの中の1モデルとMacProだけです。しかし、近い将来にはすべてのMacがApple製プロセッサ搭載になるはずです。まぁ、いざとなればIntelプロセッサを搭載する中古Macは山ほどありますし、Appleのオンラインストアで整備済製品を買うこともできます。

■費用

2022年3月までは、金に糸目をつけず、とにかく強力なMacが必要なのであれば、考えるまでもなくMacProを買えばよかったのです。662,800円以上出せれば、デスクトップMacのロールスロイスを買えるのです。超高速で大量のRAMとSSDストレージが必要なら、500万円ほど追加してカスタマイズすることもできます。でも、近いうちにAppleは自社製プロセッサを搭載したMacProを発売しそうですから、今Mac Proを買うのは賢い選択とは言えません。高速なIntelMacがどうしても必要ならこの製品を買うしかありませんが、2022年3月に発売されたAppleの新しいMac
Studioこそが、今プロが買うべきMacです。

Mac ProとAppleのPro Display XDR
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2021/02/mac-pro.jpeg

MacProを選ぶ人が注目しているのは、処理速度だけではありません。大量のRAM、膨大なストレージ容量、高速ネットワークカードへの対応なども魅力です。60万円近くするAppleのProDisplay XDRと組み合わせれば、デジタルクリエーションのための究極のワークステーションとなります。これは、MacProを必要とする人にとっては自明の理です(ほとんどの人はMacProを必要としませんが、どうしても必要な人もいるのです)。

少し背が高いMac miniのようなMac Studioは、M1Ultraプロセッサを搭載する初めてのMacです。このプロセッサは、倍の速度、倍のメモリ、そしてGPUパワーを実現するために2個のプロセッサを1個に連結したものです。558,800円でもMacProよりお安く、やや非力なM1 Maxプロセッサを搭載したモデルなら278,800円で買うことができます。Appleの新しいStudioDisplayと組み合わせれば、クリエーティブなプロのための強力なワークステーションになります。MacStudioは最大128 GBのユニファイドメモリと8 TBSSDストレージに対応し、最大にカスタマイズしても978,800円です。選択肢として比較するべきなのは、Teslaの価格にも肉薄するMacProの最高モデルということになるでしょう。

その際、Mac Studioには拡張性がなく、MacProにのみ追加できる拡張カードが存在するという事実を忘れてはいけません(https://support.apple.com/ja-jp/guide/mac-pro/apd589f8ae17/mac)。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/03/studio-mac-and-display.jpg

ラップトップについて言うと、ハイエンドは最低338,800円する16" MacBookProです。より高性能なプロセッサに変更し、メモリとストレージの容量を増やせば、この金額はさらに高くなります。16"MacBookProは、80万円を超えるまでカスタマイズすることができます(メモリとストレージについては後述します)。

■何の目的でMacを使いますか?

Macをウェブ閲覧、電子メールの送受信、音楽のストリーミング、そして簡単なゲームにしか使わないなら、とにかくAppleのM1プロセッサを搭載するMacであれば用をなすでしょうから、134,800円のMacBookAirのベーシックモデルを買っておけば間違いありません。

しかし、ゲームが大好きだったり、大量のビデオを撮影したり、写真の編集をするなら、処理能力の高いMacが必要になります。そんな場合でも、M1Macを選んでおけばM1プロセッサの処理能力を使い切ることはないでしょう。M1プロセッサが登場した時には製品を選ぶのは簡単でしたが、今やM1、M1Pro、M1 Max、M1Ultra、そしてM2の5種類の選択肢がありますから最適な製品を選ぶのは大変です。こうしたプロセッサのベンチマークを読み解くのも一苦労です。すべてのM1プロセッサはシングルコアの処理速度は変わりませんが、M1ProとM1 Maxではマルチコアの処理能力に差が出てきます。

さらに、Macを持ち歩くつもりなら重さにも配慮しなければなりません。持ち歩かなくても、使っていない時は畳んでしまっておく必要があるかも知れません。現在のラップトップMacの能力であれば、デスクでの仕事と持ち歩きの両方の用途でほとんどの人を満足させるでしょう。家や職場で画面の小ささが気になる場合は、外付けモニタを接続すれば良いのです。そして使っていない時や不要な時は、畳んでしまっておくこともできます。

軽さに注目するなら、Appleのラップトップの中ではMacBook Airの1.29Kgが最軽量で、13"MacBook Proの1.4Kg、14" MacBook Proの1.6Kgと続きます。16" MacBookProは2.2Kgありますので、荷物を極力軽くしたいならこのモデルは避けるべきでしょう。

なお、特別な用途があるわけでなく、Apple純正以外の特殊なAppも必要なく、Macにコピーしたり、Macからコピーしなければならないファイルもないのであれば、iPadを選んだほうが得策です。

https://www.intego.com/mac-security-blog/which-ipad-is-best-for-you/)

■デスクトップMac Proの長所と短所

家や職場のデスクで仕事をし、Macを持ち歩く必要もないのなら、iMacが最善の選択肢です。ちなみに、Mac
Studioが発売された際に27"のiMacが販売終了したので、今では24"モデルしかありません。そのため、より大きな画面が必要なら、MacminiとAppleのStudioディスプレイの組み合わせか、新しいMacStudioとStudioディスプレイを組み合わせることになります。あるいは、ラップトップMacにStudioディスプレイを接続して使うこともできます。MacBookProはラップトップMacですが、M1プロセッサが初めて搭載されたMacの内の一つであるMacminiよりも高機能です。

現在のMac
miniは、多くの用途でお得な選択肢です。周辺機器は自分で選ぶ必要がありますが、ベーシックモデルが92,800円と低価格だし、サイズも小さくて静かです。Appleは、Intelプロセッサを搭載するMacminiもまだ売っているので、サイズの小さなIntelプロセッサのデスクトップMacが必要なら、検討する価値があります。

Mac mini
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■ラップトップMacの長所と短所

Appleには、MacBook AirとMacBook Proという2種類のラップトップのシリーズがあります。MacBookAirは画面が13"ですが、MacBookProには画面が13"、14"、そして16"の製品があります

強力でありながら手の出しやすい価格のMacを探しているすべての人にとって、M2 MacBookAirは最適な選択肢になるでしょう。13" MacBook ProとMacBook Airの主な違いは、MacBookAirが13" MacBook Proより少し軽いということと、MacBook Proに搭載されているTouchBarがMacBookAirにはないと言うことです。しかしTouchBarは、一部の人には絶賛されながら多くの人に嫌われていますし、同時にMacBookProの価格が高くなる原因にもなっています。Touch Barが便利だと思うのならMacBookProも選択肢になるでしょうが、ベーシックモデルのM2 MacBook Airは164,800円のところ、MacBookProは178,800円からとなります。

13" MacBook Pro
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/03/m2-macbook-pro.jpeg

TouchBarの有無を除いた使い勝手という点で言えば、この2つのシリーズに違いはほとんどありません。同じプロセッサ、同じ容量のRAM、そしてどちらにも2個のUSB-C/ Thunderboltポートしかありません。MacBookAirには冷却ファンがなく騒音を立てないという点には注目して良いでしょう。AppleのM1プロセッサの電力効率が非常に良いためあまり熱くならないことがその要因の一つです。静かなMacが欲しければ、MacBookAirを選んでください。なお、Touch BarはMacBook Proにしかありませんが、MacBookAirもMag-Safe対応です。

Appleは、2021年9月にM1 ProおよびM1 Maxプロセッサを搭載した14"と16"の新しいMacBookProを発売しました。初代のM1Macが高速なら、新たにグラフィックコアも追加されたこの新しいプロセッサは超高速です。これらのモデルの価格は、それぞれ274,800円からと478,800円からとなります。

14"と16" MacBook Pro
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2021/10/macboook-pro-pro-max.jpg

M1 ProおよびM1 Maxを搭載するMacBookProにはより多くのポートがあり、MagSafe対応です。MagSafeとは磁石で電源ケーブルを本体に接続するもので、電源ケーブルを引っ掛けてもラップトップが引っ張られて床に落ちることがありません。M2MacBook AirもMagSafe対応です。ディスプレイは改良されていますし、全体に13" MacBookProより優れた製品です。新しいMacBook Proの追加機能とパワーが不要なら、MacBookAirかMacBook Pro 13"を買ってお金を節約できます。

■ストレージとメモリ

Appleは、Macを注文する際にストレージとメモリを追加できるビルド・トゥ・オーダーの仕組みで大きな利益を上げています。ちなみにメモリは異なるサブシステムによってプロセッサ全体で共有されるため、自社製プロセッサ上のメモリをRAMと呼ばずユニファイドメモリと呼んでいます。さらにプロセッサに溶接されているので、以前のように安い純正ではないRAMを買って交換したり増設することはもうできません(MacProだけは例外です)。例えば、搭載メモリが8 GBの13" MacBookProをの場合、基本仕様で178,800円です。さらに8GBのメモリを追加すると28,000円が追加され、24GBの最大容量まで増量するとさらに28,000円がかかります。メモリが最大の24 GBで、SSDが最大の2TBにすると合計で346,800円になります。

そして新しいM1 ProとM1 Maxのモデルを見ると、さらに多くのプロセッサ、メモリ、そしてストレージの選択肢が用意されています。14"MacBook Proは274,800円で、より多くのコアを持つプロセッサにすると最大98,000円、16GBのメモリを64 GBに増やすと112,000円、そしてSSDストレージを8TBに増やすとなんと336,000円も余分に費用がかかります。M1 Ultraプロセッサを搭載するMacStudioでは、メモリを最大128 GBまで増やすことができます。

ここまで多くのメモリとストレージを必要とする人はいるのでしょうか? M1Macの登場で、メモリとストレージの意味は大きく変わりました。このプロセッサとオンボードのRAMは素晴らしい技術で最適化されているので、ほとんどの用途ではメモリは8GBあれば十分です。私は、基本仕様のM1 MacBook Airを買いましたが、生まれて初めて出荷時のたった8GBのRAM以上のメモリの必要性を感じません。最も負荷の高い作業も難なくこなし、画面表示もスムーズです。

さらに新しいMacBook Proでは、メモリは16 GBから始まり、プロセッサの種類によっては最大64GBまで増やせます。Macをプロセサ負荷の高い処理に使うなら、最大メモリを選ぶべきですが、それは本当の意味でのプロが使うMacBookProを意味します。重たいビデオ編集をこなすようなプロ用のコンピュータですから、予算の許す限り最大で最高の仕様を選択してください。ただし、膨大な処理能力を必要としない日常業務にしか使わないのであれば、64
GBのメモリも宝の持ち腐れになることは確実です。

ストレージについては、現在お使いのコンピュータをよく見て、その使用頻度を考えて必要と思われる二倍の容量を選んでください。と言うのも、新しいコンピュータを買ってから次のコンピュータに買い替えるまでの間に、Appはさらに大きくなり、写真、音楽、そしてビデオの量も増えるからです。すでに巨大な音楽およびビデオのライブラリを持っていたとしても、デスクトップMacなら外付けのドライブが使えますから、新しいMacで余分なストレージにお金を払う必要はありません。外付けのSSDは、そんなに高いものではありませんし、場所も取らないので邪魔になることもありません。1
TBのデータを保存するストレージが必要だと言うなら、外付けSSDが最適な選択肢でしょう(用途別のドライブの種類については、次の記事を参照ください:
https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-choose-the-right-hard-disk-for-your-mac/)。

■お金を節約する一つの方法

Appleのオンラインストアにある認定整備済製品のページをチェックすると、費用を節約できるかも知れません(
https://www.apple.com/jp/shop/refurbished)。

このページには、Macを始めとするApple製品が、約15%引きで販売されています。場合によっては一年前の製品かも知れませんが、Appleによる保証があり、AppleCareを付けることもできます。私も整備済みのMacを何台か買ったことがありますが、お金を節約するには良い方法でした。ただし、仕様を変更できないので自分の用途にピッタリ合うMacを選ぶ必要があります。この記事執筆時点では、Appleは認定整備済製品のページで多くのM1Macと同時に多くのIntel Macを販売しているので、IntelMacを探しているならチャンスかも知れません。

今や新しいMacを買おうとすると、Apple製プロセッサを搭載したMacのサイズ、重量、処理能力、そして価格の違いによるたくさんの選択肢があります。これでApple製プロセッサへの移行がほぼ完了したと考えれば、今後何年間も使い続けることができる高速な新しいMacを購入するには良いタイミングなのだと言えるでしょう。

■お使いのMacは安全ですか?

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください。


https://www.act2.com/intego

株式会社アクト・ツー
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