2022年7月13日水曜日

macOS Ventura BetaをUTMを使ってM1あるいはM2Macの仮想マシンにインストールする方法

こんにちは、いつもact2ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
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macOS Ventura BetaをUTMを使ってM1あるいはM2Macの仮想マシンにインストールする方法(この記事は、2022年7月5日にKirkMcElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMacSecurity Blogに投稿されたInstall macOS Ventura Beta in a Virtual Machine on anM1 or M2 Mac with UTMの翻訳です)

先日、UTMを使ってM1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法について解説しましたhttps://act2blog.blogspot.com/2022/07/m1m2-macwindows-11integotips.html)。

ちなみに、UTMはお使いのMacで他のオペレーティングシステムを実行することを可能にする無料でオープンソースの仮想化ソフトウェアです。

WindowsおよびLinuxが実行できるだけでなく、MacOS9.2さえも実行できます。さらに言えば、macOS Montereyもインストールできるし、macOSVenturaのベータ版を使って仮想マシンを作成することもできます。今回は、その方法を説明しましょう。

■UTMにmacOSをインストール

UTMをダウンロードして設定する方法は、前出の「M1あるいはM2 MacでWindows 11を無料で使う方法」という記事で説明しました。

https://act2blog.blogspot.com/2022/07/m1m2-macwindows-11integotips.html

なので、UTMを使うための最初の手順については、該当記事を参照してください。

macOSをインストールするには、Start画面でVirtualizeをクリックし、続いてOperatingSystem画面でmacOS 12+をクリックしてください。

"recovery IPSW"をダウンロードするか確認されます。IPSW( https://en.wikipedia.org/wiki/IPSW)は、AppleがiPhoneとiPadのファームウェアを提供するために使っているファイルですが、M1プロセッサが登場してからはMacでも使われています。

モバイル端末の場合は接続すればFinder経由で復旧用のIPSWファイルを入手できますが、Macの場合は復旧パーティションから起動しなければなりません。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac4.png

UTMはお使いのMacに必要なIPSWを提供できるはずですが、私が試験した限りでは、このファイルを使ったインストールは完了しませんでした。

Mr.Macintosh(https://mrmacintosh.com/apple-silicon-m1-full-macos-restore-ipsw-firmware-files-database/)やIPSW Downloads( https://ipsw.me/)などAppleのIPSWファイルへのリンクが記載されたウェブサイトがいくつかありますが、このいずれからでもお使いのM1Macに必要なIPSWを見つけてダウンロードすることができるでしょう。

次の手順では、2つの選択肢があります。私はデベロッパアカウントを持っているので、macOSMonterey用の復元用IPSWファイルをダウンロードして、そのオペレーティングシステムをmacOSVenturaの開発者用ベータ版にアップデートすることができます。

デベロッパアカウントを持っていない場合は、Mr.MacintoshからVenturaのパブリックベータをダウンロードしてください。

この場合、最新バージョンをダウンロードしても開発者用ベータよりは古い可能性があります。

Browseをクリックし、ファイルを選択してContinueをクリックします。

次の2つの画面では、ハードウェアとストレージ設定を選択するように促されます。

MemoryおよびCPU設定はデフォルトのままにし、ストレージは仮想マシンのサイズに合わせて調整するのが良いでしょう。

仮想マシンのサイズについては、後述します。

Summary画面では、仮想マシンの名前を指定してSaveをクリックします。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac7.png

次の画面には、仮想マシンのリストが表示されますので、macOSのために今作成した仮想マシンを選んで大きな矢印をクリックすれば、インストール処理が開始されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac8.png

このドライブに本当にmacOSをインストールして良いか、UTMが確認しますのでOKをクリックします。

すると復旧用IPSWを読み込み、ソフトウェアのインストール処理を開始します。

完了するまで、しばらくかかるでしょう。

完了すると、macOSをインストールしたり、新しいMacを設定した時と同じ初期設定画面が表示されます。地域と言語を選び、指定するように促されるすべての設定を行います。

しかし、AppleIDとパスワードの入力の部分で問題が発生します。処理が完了できないというメッセージが表示されるのです。

なので、AppleIDについては後で設定を選び、初期設定を完了させてください。完了したら、インストールしたバージョンのmacOSが立ち上がります。

デベロッパアカウントをお持ちなら、仮想マシン内のSafarideveloper.apple.comhttps://developer.apple.com/ )を開き、アカウントにサインインし、macOS DeveloperBeta AccessUtilityをダウンロードしてください。

インストーラを実行すると、システム環境設定のソフトウェアアップデート画面が開きます。

これで、ソフトウェアアップデートを使ってmacOSVenturaの最新バージョンとそれに続くベータ版がダウンロードできます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac11.png

完了したら、UTMウインドウ内にmacOS Venturaが表示されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac10.jpg

デフォルトでは、UTMがmacOSを1920 x1200の解像度で表示します。

解像度は仮想マシンの設定で変更できますが、事前に仮想マシンを終了しておく必要があります。

UTMウインドウで、ツールバーの右に表示されたボタンをクリックして設定を開き、サイドバーのDisplayをクリックしてください。

すると、Macの特定の機種を含む非常に長いサイズのリストが表示されるので、仮想マシンの解像度を選択してください。

変更は、次に仮想マシンを起動した際に適用されます。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac13.png

■UTMでmacOSを使う

macOSはUTMで問題なく実行できますし、仮想化であってエミュレーションではありませんから、処理速度もネーティブで実行されているのとほとんど変わりません。しかし制限もあります。残念ながらシステム環境設定でApple
IDを承認できないため、連絡先、カレンダといったiCloudデータが使えず、そしてAppleMusicやAppleTV+のサブスクリプションも使えません。共有フォルダを使ったり、仮想マシンとホストの間でコピー&ペーストを実現するためのSPICEツールもインストールできません(https://github.com/utmapp/UTM/discussions/3772 )。

仮想マシンにファイルを移動したり、仮想マシンからファイルを取り出したい場合は、SafariでiCloud.comにログインし、そこからiCloudDriveを使うという手があります。

ファイルの保管に普段からDropboxやOneDriveといった他のクラウドストレージソフトウェアを使っているなら、インストールしても構いません(私は試験していませんが、動作しない理由はないと思います)。

Apple IDでウェブサイトにログインすることはできます。ただしApple IDでMac AppStoreにサインインできないので、ソフトウェアをダウンロードすることもできません。

つまり、仮想化環境でのmacOSの利用には限界があるということです。

単にmacOSの異なるバージョンやベータ版を試したいだけなら、大した問題ではないでしょう。

しかしiCloudへのアクセスが必須なAppの試験をしようと思っていた開発者は、この方法を諦めるしかありません。

前出のmacOS用仮想マシンのサイズですが、私の場合はデフォルトの64 GBで問題なくインストールができ、その後の仮想マシンの空き容量は40GBほどとなっています(UTMおよび私のMacでは、この64 GBの仮想マシンは68.75
GBと表示されます)。

これは、お使いのMacのストレージに余裕がない場合は問題となるでしょう。私は試していませんが、仮想マシンのサイズをもっと小さくして試すのも手で、合計40GBほどのサイズでも動作すると思います。macOSで仮想マシンを見るとディスクのサイズが約63GBなのですが、これはいわゆる1000対1024のビットとバイトの計算方法の違いによるものでバグとかではないでしょう。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/07/utm-mac12.png

UTMの利用はmacOSを実行するための完璧な解決策ではありませんが、ベータ版を試したい人には良い選択肢で、ベータ版毎に毎回わざわざMac上でパーティションを切ってインストールする手間と労力は省けるはずです。

AppleIDの問題が大きいですが、比較的簡単にVenturaのベータ版が試験できますので試す価値はあるでしょう。

■お使いのMacは安全ですか?

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:


https://www.act2.com/intego

株式会社アクト・ツー
Software Product Team

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