2023年2月13日月曜日

よりスマートになった新しい HomePod



さて今日は、「新しいHomePodとスマートホーム」と題しまして、音が変わり、よりスマートになった新しい HomePod についての感触や可能性についてお届けしたいと思います。


(この記事は、2023年2月6日にKirk McElhearnhttps://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によって、Mac Security Blog に投稿された The new HomePod brings a new sound and more home smarts を翻訳したものです)



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2021年の3月にAppleがオリジナルのHomePodを販売終了した時は、本当に驚きました( https://www.intego.com/mac-security-blog/opinion-apple-discontinues-the-homepod-is-that-the-end-for-apple-and-home-audio/ )— でも、2023年1月に突然新しいHomePodを発表したことにはさらに驚かされました( https://act2blog.blogspot.com/2023/01/apple-cpu.html )。製品が売れなかったから販売終了になったのだとすると、基本的に同じ製品を再発売するはずがありませんよね。実際、新旧の製品では、音の特性とホーム機能にいくつかの違いがありますので後述したいと思います。とは言え、オリジナルと新しい第二世代のHomePodを並べても、どっちがどっちかわかる人はいないでしょう(下の写真で左にあるのが新しい方です)。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/02/homepods-photo.jpg


■新しいHomePodで変わったこと


新しいHomePodは、ツィーターの数が以前の7個より5個、マイクの数が以前の6個より4個と少ないため、オリジナルより丈が4mmだけ短く、重さは200gほど軽くなっています。オリジナルと違い電源ケーブルは抜き差しできて、オリジナル同様に白(あるいはライトグレイ)と黒(オリジナルでは“スペースグレイ”と呼ばれていましたが、新しい方では“ミッドナイト”)の2色が用意されています。


オリジナルのHomePodの定価は$349でしたが( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-review-superior-sound-but-limited-by-siri/ )、その販売終了直前に$299(32,800円)に値下げされました。新しいHomePodも定価は同じ$299です(ただし、日本の定価は44,800円)。2020年12月に発売されたHomePod miniの定価は、現在も$99で変わりません(日本では11,800円から14,800円に値上げされています)( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-mini-review-siri-in-a-compact-speaker/ )。


■新しいHomePodの音はいかに


HomePodには、音楽の再生とSiriへの問いかけを理解して反応するという2つの仕事があります。私はオリジナルのHomePodのレビューで、次のように書きました( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-review-superior-sound-but-limited-by-siri/ ):


「HomePodは、前に飛び出して大きな部屋も埋めることができるふくよかな音を鳴らします。問題は、一つのタイプの音しか鳴らせず、それが低音過多なのです。」


Appleは、対策としてHomePodの設定を管理するHome Appに低音を減らすオプションを追加するとともに、低音を改善するためにHomePodのデジタル信号処理に変更を加えました。


私は馴染みの曲を集めたオーディオ試験用プレイリストを、新しいHomePodで再生してみました( https://music.apple.com/us/playlist/kirks-audio-test-tracks/pl.u-3rZysqvY4l )。私は曲の細部まで熟知しているので、オーディオデバイスの長所と短所を正確に判定できます。この試験では、直に耳を澄まして聴いた結果、この製品がオリジナルのHomePodより断然良い音で鳴ることがわかって驚きました。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/02/test-playlist.png


新しいHomePodもオリジナル同様に大きな部屋でも隅々まで音が届きますが、その音自体はそこまで強く鳴るわけではありません。曲によってはブーミーですが低音の反応は少し細くなっており、自分には低音を減らす設定は不要でした。音の特性はオリジナルより明るいのですが、ディテールは減っているように感じます。私の試験用プレイリストの一曲目は、ブラッド・メルドーのExit Music (for a Film)で、2番から小さなシンバルの演奏が出てくるのですがHomePodでは聴き取れませんでした。グレートフル・デッドのRippleは素晴らしい音でしたが、最後のボーカルの部分のハーモニーはちゃんと分離していませんでした。ヒリヤード・アンサンブル版のペロティヌスのViderunt omnesではボーカルの多声部でディテールが不足しており、個々の声を聴き分けるのは困難でした。とはいえ、私のプレイリスト内のシューベルトの弦楽四重奏における楽章は、予想より広い空間とディテールを持ち、思ったより遥かに良い音で鳴りました。


新しいHomePodはハイエンドを目指しているようで、それは幾つの曲で顕著でした。ボブ・ディランのDesolation Rowは良い音で再生され、特にアコースティックギターのリズムとソロギターのカウンターメロディはよく分離しています。ただしディランの声は、中域の多くが失われてしまっていました。これが新しいHomePodの最大の弱点かも知れません。低音のブーミーさは無くなり、高音は明るいですが、中域のトーンが失われているのです。この特徴は多くのボーカル曲で表れていましたが、インストルメンタルの曲でもわかることがあります。


次に新しいHomePodとオリジナルのHomePodを自分の机の上に30cmほど離して置き、両方とも同じ音量で鳴るようにiPhoneの音量を調整して比較してみました(ちなみに、新しいHomePodはオリジナルより音量設定一段階分音が大きく鳴っていました)。相互に切り替えて聴くと、その違いは明らかでした。新しいHomePodのより明るい音はオリジナルの低音過多の音よりもイキイキとしています。でも、この新しいデバイスでは多くの曲でちょっと高音が過多に感じられました。理想を言えば、その中間のちょうど良いHomePodがあったらよかった。曲によっては低音を減らす設定が必要ですが、別の曲ではこの設定はオフにしなければなりません。もっとも、Siriに低音のオン/オフを頼むだけのことです。


新しいHomePodは空間オーディオに対応しているので、Apple Musicでいくつかの曲をDolby Atmosで再生するとデバイスがオーディオに対してある種の空間を追加できることは明らかです。これは、異なるチャンネルのために複数のツィータを使っているためと思われます。微細な効果で、場合によっては音が痩せることがありますが、これは多分Atmos対応の曲のミックスが空間オーディオに最適化されていないことが原因でしょう。とは言え、特にグレートフル・デッドのFriend of the Devilやブライアン・イーノのThere Were BellsなどDolby Atmosでミックスされている曲には、驚くほど良い音で再生されるものがあります。


Apple Musicかライブラリ内の曲を再生している場合、Handoffを使って曲の再生をiPhoneからHomePodに、あるいはその逆に引き継ぐこともできます。これは、家に帰った時や部屋を移った時に、曲などを聴き続けるために便利です。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/02/handoff.png


2台のHomePodでステレオペアを構築できるのですが、オリジナルと第二世代のデバイスを組み合わせることはできないので注意してください。音の特性もかなり違いますし、デジタル信号処理も異なります。オリジナルのHomePodを持っていて、ステレオペアを構築するために新しいHomePodを買ったとしたら、大失敗ということになります。


新しいHomePodとスマートホーム


AppleのHomeKitを使う新しいHomePodには、温湿度計が入っています(HomePod miniにも入っていて、最近になってHomePodの16.3ソフトウェアで利用可能になりました)。Siriに温度や湿度を確認することができますし、その数値をホームオートメーションのルーチンで使うことができます。今後のソフトウェアのアップデートで煙と一酸化炭素の警報に反応する音声検出機能が追加されますので、こうした警報に反応して自分に警告を送るようルーチンを組むことができます。HomePodは、スレッドベースのホームオートメートネットワークに統合できるスレッドにも対応しています( https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-use-thread-homekit-devices-with-apple-tv-and-homepod-mini/ )。新しいホームプロトコルのマターが登場したら、それにも対応します。


Siriは、大音量で音楽再生している時でもオリジナル同様によく反応します。私の問いかけを聞き取って、ちゃんと反応してくれます。もちろん、Siriが頼んだことを理解できるかどうかは、その技術が登場して10年経つ今でも確実ではありません。例えば、HomePodのSiriに買い物リストに項目を追加するように頼んでから何かを後で通知してくれるように頼んだところ、その通知を私がパートナーと共用している買い物リストの方に追加してしまいました。iPhoneやApple Watchなら、通知を正しく通知リストに追加してくれるのにです。そして、度々「なにか問題が起こったようです。もう一度お願いします」という回答を受け取りました。


$14,800円のHomePod miniでもSiri、スレッド、そしてマターのすべてが使えますし、iPhoneやApple WatchでSiriを介してあらゆる制御もできるわけで、新しいHomePodを買った場合の差額である3万円はより高品質なスピーカーの値段だったということになります。Sonosのスピーカーは空間オーディオには対応していませんから単純に比較はできませんが、HomePod同様に高音質のSonos Oneは、現在31,800円の定価で販売されています。Alexa用のマイクが付かないSonos One SLは、たったの29,800円です。


2018年にオリジナルのHomePodが発売された時( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-compared-to-sonos-one/ )、私は似たようなApple HomePodとSonos Oneを比較したレビューを書きました。その時、私はSonosの方が好みだと思いましたが、新しいHomePodは発売当時より価格が安い上に音も良くなっているので、十分に競合し得る製品に生まれ変わったと思います。


■新しいHomePodはその値段に見合う価値があるでしょうか


高音質のブックシェルフ型ステレオスピーカーも欲しいけど、値段を考えれば音質は劣るけど使いやすい1台のスピーカーでも良いのかもと悩んでいる人になら、音が格段に良くなった新しいHomePodをお勧めすることができます。HomePodならアンプは要らないし場所も取らないので、立派なサウンドシステムを必要としない部屋には良い選択肢です。新しいHomePodをステレオで聴いたことはありませんが、オリジナルのデバイスをペアにして聴いた個人的な経験から推測して、やはり以前より音は良くなっているはずです。8万円も出すならアンプと高音質のブックシェルフスピーカーが手に入りますが、用途と目的によってはHomePodのペアの方がより良い選択肢だということもあり得るでしょう。


■お使いのMacは安全ですか?


Mac にも セキュリティー対策は必要です。

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego


今なら、バレンタインキャンペーンを実施中。www.act2.com のトップバナーから)ぜひこの機会をご利用ください。


もう少し、寒い日がまだ続きそうですが、皆様どうかご自愛くださいませ。

株式会社アクト・ツー

Software Product Team 一同


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