2013年3月17日日曜日

1ドルの心の交流

サンフランシスコは相変わらずホームレスの人が多い。
ある晩、コンビニで何かを買って、店を出たところに一人のホームレスの人が紙コップを差し出していた。ちょうどお釣りの1ドル紙幣を手ににぎっていたので、それを彼の紙コップに入れてあげた。英語で言えばいいのに日本語で「少ないけど何かの足しにしてね」彼には日本語はわからないだろうけれど気持ちは確かに伝わっていた。




その時の彼の眼が忘れられない。Thank you, thank you... と何度も言ってくれて、そこまで言われるほどのことではないので、そうそうと立ち去った。

しかし、あの時の、お互いに眼を見あった瞬間のことは今も忘れられない。

人生はそもそも不公平である。
いったい何が、その明暗を分けるのか。
すべては運のように思える。

昔、オフィスのロンリウムのフロアにダンボールを敷いて、1週間、缶詰で仕事をしたことを思い出した。あれは背中が痛い。きっとホームレスの人はいつもその痛みの中で眠っているのかと思うと切ない。

と同時に、狭くてもベッドで寝られることの有り難さを再認識した。

( MikiyaKato )