2013年3月18日月曜日

実践 VMware FUSION その1(プロセッサとメモリ)


ご好評を頂きました「解説 VMware FUSION」シリーズに続き、「実践 VMware FUSIONシリーズを何回かに分けて連載していきたいと思います。

Mac に VMware FUSION をインストールすると、仮想マシン環境ができ、そこに Disk 容
量が許す限り様々な OS の仮想マシンを作ることができることは前シリーズで記述してきました。


VMWare Fusion 8


「Mac で Windows を動かす」ということが最も多いニーズだと思いますので、このシリーズでは、仮想マシンは Windows 8 を主体に考察していきます。


今ファイルの共有、ネットワークの共有、シームレス view など、機能的な事項の前に、設定関連を把握しておきましょう。

VMware FUSION 自体に様々な設定メニューが存在します。その中から重要であったり、わかりづらいものについて解説していきます。




まず、ほとんどの設定は、仮想マシンがシャットダウンしている状態でないと変更はできません。仮想マシンのシャットダウンは VMware FUSION のメインメニュー「仮想マシン」から「シャットダウン」を選択します。時々「サスペンド」との違いを聞かれることがありますが、サスペンドは suspend の文字通り「一時停止」であって、起動した仮想マシンの構成や設定はそのままに、最小限の電源で維持された状態です。

ですから、仮想マシンの根本的設定を変更するにはサスペンドではなく、完全に Power OFF の状態、つまりシャットダウンをする必要があります。

さて。

今回は、仮想マシンのパフォーマンスに最も関連があるプロセッサとメモリについて。




この設定は上記のように仮想マシンがシャットダウンの状態でしか変更できません。普通に考えてもそれは理解できますよね。

iMac、MacBook、Mac Pro などのハードウェアに記載されている CPU はすっかり Intel 系になり、Core Duo シリーズから最近は 8 コアの CPU を搭載したマシンもあります。コアというのは CPU そのもので、 CPU  とはそもそも「Central Processing Unit = 中央演算装置」のこと。コンピュータの実際の計算の中核を成すものです。これが昔は 1 つの CPU に I つのコアだったのですが、CPU チップ技術の進化によって複数のコアを 1 つのチップに実装することが可能になったわけです。

複数のコアを持つことのメリットは、並列処理の実現です。ですから、 1 つのソフトウエアプログラムでも並列処理のアルゴリズム(計算方法)を使用すれば高速化が図れますし、複数のソフトウエアプログラムを実行する際にはまさにその面目躍如です。

もう一方の要素「メモリ」。ここでいうメモリとは、その仮想マシンに割り当てられる(仮想マシンが持つ)メモリのことです。実メモリ(RAM)が空いていればそれを使用できますが、既に Mac OS 側でフルに使用されている場合は、どれかをハードディスクに移行させてから使用することになります(メモリスワップ)。

Windows 8 を仮想マシンとしてインストールした際に、デフォルト(最初の設定)では、プロセッサ = 1 コア、メモリ = 1024 MB(約 1 GB)に設定されています。





今、私がこれを書いているマシンは 4 コア(Intel 5)、4GB のマシン。この程度のマシンの場合、全体の使い方によって仮想マシンのパフォーマンスはかなり異なってきます。

仮想マシンだけで使用していれば十分快適ですし、逆に Mac OS 側で様々なソフトウエアを起動している場合にはメモリスワップが起きる可能性があり、その場合は仮想マシンが起動するまでにちょっともたついた感じになります。特にブラウザには注意してください。ウインドウをたくさん開けばそれだけ多くのメモリを必要としますから。

これを書いている途中、VMware FUSION 側で Windows 8 の設定を、「1 コア 1 GB」から「2 コア 2 GB」に変更してみました。起動時にメモリスワップが起きているようでしたが、いったん起動してしまうと実に快適に Windows 8 を使うことができました。





Mac OS には「アクティビティモニタ」というユーティリティプログラムがあります。これを起動しておくと、CPU の稼働状況、システム・メモリ状態が表示されて、とても参考になります。




要約すると、仮想マシンのプロセッサとメモリの設定は仮想マシンをどういう目的でどのように使うのかによって調整されるべき非常に重要なファクターなのです。


そして、VMware FUSION 5 は Mac OS との相互作用において、絶妙なチューニングがなされており、例えば、これはまた後日のエントリーにて記載させていただきますが、仮想マシンの消費電力も随時自動的に最適に調整が成されています。

まあ、しかし、とりあえず Microsoft の Office を使用することが主な目的のような場合には、プロセッサ及びメモリはデフォルトの設定で十分だと思われます。

以上、仮想マシンの設定において最も重要な要素、プロセッサとメモリについて、基本的な概要を記しました。

次回は、「ネットワークの設定」についてを予定しています。


( MikiyaKato )


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VMWare Fusion 8