2022年5月8日日曜日

AppleのAirTagが一周年


AppleのAirTagが一周年(この記事は、2022年4月29日にKirk
McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac
Security Blogに投稿されたApple's AirTags: One Year Onの翻訳です)

AppleがAirTagを発売して1年が経ちました。AirTagは、iPhoneおよびiPadで構成される巨大ネットワークを活用した小さなトラッキングデバイスです。失くした鍵を見つけたり、荷物をトラッキングしたり、バックパックを監視することが目的のデバイスですが、残念なことにストーキングや窃盗で使われることもあります。この記事では、AirTagの一年を振り返ってみましょう。

■AirTagsとは

AirTagは、2021年4月30日に出荷開始されました。一個3,800円、あるいは4個セットで12,800円のこの小さなデバイスは、鍵を無くした人や盗まれたものをトラッキングする必要がある人の需要に応えたものです。その当時、我々もAirTagでトラッキングできる24種類のもののリストを作成しましたが、もちろんそれ以外に思いもよらないものもトラッキングできます(
https://www.intego.com/mac-security-blog/16-things-you-can-track-with-airtags/
)。

AirTagは、巷のiPhoneおよびiPadを活用するAppleの「見つける」ネットワークを利用し、屋外へ持ち出したものでもトラッキングできます(
https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-use-the-find-my-app-to-locate-your-iphone-mac-apple-watch-airpods-and-friends/
)。このデバイスが使用するBluetoothプロトコルの有効距離が100mであることを考えると、失くしたり盗まれたものに貼り付けたAirTagの有効範囲に、誰かしらiPhoneを持った人がいる可能性は高いでしょう。例えば、昨年の7月には、盗まれた自転車にAirTagが貼り付けてあったおかげで、ボストンの警官が自転車を取り返してくれました(
https://gadgetlite.in/2021/07/apple-airtag-helps-boston-police-to-recover-stolen-bike/
)
。また、AirTagを引越しの荷物に忍ばせておいた女性が、引越し業者が荷物をすぐ近くまで持ってきているのに届けていないことを発見しました(
https://www.washingtonpost.com/technology/2022/01/24/apple-airtag-helped-woman-catch-movers-lie/
)。

AirTagの詳細については、弊社のApple AirTags: The Complete Guide to How to They
Work, What to Track with Them, and Moreという記事を参照してください(
https://www.intego.com/mac-security-blog/complete-guide-to-apple-airtags-how-to-use-them-how-they-work-and-what-to-track-with-them/
).

■AirTagとストーキングの問題

発売当初から、ストーカーや虐待者によるAirTagの悪用が懸念されていました。Appleは、自分がAirTagによってトラッキングされていることに気づいていないユーザに通知を送る方法を変更することでこの問題に対応しました。こうして、多くの人、特に女性が、自分のiPhoneに対してAirTagからその存在について通知があったと報告しています。たった8つの地域内でも、50近くの報告があったそうです(
https://www.engadget.com/apple-airtag-stalking-police-reports-190022315.html
)。AirTagを使ったストーキングで逮捕された人もおり、複数の州検事が安全に関する警告を出したほどです(
https://www.cnet.com/tech/mobile/airtags-are-being-linked-to-stalking-and-its-a-problem-apple-cant-solve-alone/
)。

AirTagは、自動車の窃盗にも悪用されました。他人の高級車にAirTagを仕込んで保管場所を知り、夜間に盗むのです(
https://www.nytimes.com/2021/12/30/technology/apple-airtags-tracking-stalking.html
)。

2022年2月に、AppleはAirTagの動作に対するいくつもの変更を発表しました。こうした変更には、AirTagを設定する際のプライバシーに関する注意や警告の改良も含まれています(
https://www.apple.com/jp/newsroom/2022/02/an-update-on-airtag-and-unwanted-tracking/
)。こうした変更は、今月初旬に公開されたiOS 15.4アップデートに実装されています(
https://www.cnet.com/tech/mobile/3-new-iphone-privacy-and-security-features-you-should-know-about/
)。

それでも、AirTagの近くにいる人に対して警告を通知するのがiPhoneだけだという問題があります。Appleは“Tracker検出”(
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.apple.trackerdetect
)と呼ばれるAndroid用Appを公開しましたが、自らを守るためにこのAppのインストールが必要であることを知っる人は少なく、すべてのAndroidスマホで動作するわけでもありません。また、AppleがこのAppの名前に"AirTag"を含めなかったので、多くの人は見つけることができないでしょう。

■AirTagの良いところ

AirTagのプラス面を見ると、失くしたり置き忘れた鍵や財布、バックパックなどを見つけられた人がたくさんいます。旅行中の飛行ルートのどこかでカバンが失くなってしまった際に、航空会社は協力的でなかったにも関わらず、AirTagを入れておいたおかげで発見できた人もいます(
https://9to5mac.com/2022/04/25/man-uses-airtags-and-powerpoint-presentation-to-ask-airline-for-his-lost-bags/
)。

Appleが「一年以上」とするバッテリ寿命は、ほとんどの人にとって十分な容量があるようです。次の図のように、私の家にあるほとんどすべてのAirTagは、12ヶ月経っても容量が半分から3/4程度は残っています。ソーシャルメディア上で聞き及んだところでは、皆さん大体同じ感じのようです。
https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/04/IMG_2850-scaled-bordered.png

とは言え、事前の警告もなくAirTagのバッテリが死んでしまったという報告もあります(
https://www.frequentbusinesstraveler.com/2022/04/apple-airtag-batteries-start-to-fail-without-alerting-users/
)。これは問題です。バッテリ残量が少なくなったら、あるいはバッテリが死んでしまったら、使っているiPhoneから該当AirTagのバッテリを交換するよう警告すべきです。これでは、Appleがその製品で唯一ユーザ自身でバッテリ交換できるようにAirTagを設計した意味がありません。ちなみに標準のCR2032バッテリを使っているので、簡単に交換できます。

AirTagには、良い点も悪い点もあります。一年が経って、悪用されていることもわかりました。AirTagストーキングから人々を守るために、AppleはさらにAirTagを改良する必要があるでしょう。

■お使いのMacは安全ですか?

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:
https://www.act2.com/intego

株式会社アクト・ツー
Software Product Team


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