Apple WWDCのハイライト: 新しいMac、Vision Proヘッドセット、macOS Sonoma、そしてiOS 17
(この記事は、2023年6月6日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたApple WWDC Highlights: New Macs, Vision Pro Headset, macOS Sonoma, and iOS 17の翻訳です)
Appleは、今年もWorldwide Developer Conferenceで新しいハードウェアとソフトウェアをプレビューしました。同社は3種類のMacの新製品に加えて、Mac、iPhone、iPad、およびApple Watch用の新しいオペレーティングシステムを紹介するとともに、Vision ProというAR/VRヘッドセットを初披露しました。この記事では、そんな発表の中でも弊社が特に注目した内容に触れていきます。
これで全てのMacがAppleシリコン搭載
Appleは、自前のシステム・オン・チップを搭載する新しいMacを発表したとき( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-announces-first-macs-with-apple-silicon/ )、2年以内に同社の全てのコンピュータをAppleシリコンに移行させるとしました。予定より半年長くかかりましたが、全てのMacがApple独自のプロセッサ搭載になりました。
まず、Appleは同社で最も人気がある13インチMacBook Airの成功に続こうと同社のチップの2世代目となるM2プロセッサを搭載する15インチMacBook Airを発表しました。これまで11インチと13インチはありましたが、15インチはMacBook Airとして初めてのサイズとなります。最大18時間使えるバッテリを内蔵する新しいMacBook Airは、その小さな兄弟と大きな違いはありません( https://www.intego.com/mac-security-blog/m2-macbook-air-review-new-form-factor-for-apples-most-popular-mac/ )。しかしラップトップでも大きな画面が必要な人にとっては“Pro”を選んだ瞬間に価格が跳ね上がってしまう問題があったわけで、198,800円からのこの製品は新たな素晴らしい選択肢となるでしょう。
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Apple製品のラインアップではハイエンドに当たるMac Studioは、変更は最小限ながらM2 MaxとM2 Ultraプロセッサ搭載となり、298,800円から購入できます。
そしてAppleのプロセッサに最後まで移行しなかったMac Proが、やっとAppleシリコン搭載になりました。先代のIntel版Mac Proと同じチーズ削りを纏った新型は、M2 Ultraチップ搭載で、7個のPCIスロットとたくさんのThunderboltポート、そして最上級の性能を誇ります。このMac Proは、24コアCPU、76コアGPU、最大192 GBのメモリで、最大8台のディスプレイに対応します。“たったの”1,048,800円から購入できるこのMacは、完全にプロ用です。
今年のAppleオペレーティングシステムをチラ見
例年通り、AppleはMac用のスクリーンセーバ、メッセージのステッカーといった今秋に登場するオペレーティングシステムの“最も重要な新機能”を紹介しました。Appleがこうした地味な新機能の紹介に多くの時間を割いたということは、今後はそのオペレーティングシステムに大きな変更は加えられず、微調整したり改良するだけということを示唆しています。それはインタフェースや機能に大きな変更が加えられてユーザが戸惑うことがなくなることを意味しますし、オペレーティングシステムの進化がゆっくりになって以前より安定していくわけで、良い兆候と言えるでしょう。
では、macOS、iOS、 iPadOSの機能について見ていきましょう。
macOS Sonoma
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macOS Sonomaでは、Macにウィジェットが導入されるとともに、Macデスクトップ上のウィジェットをiPhoneから利用できるようになります。ビデオ会議で、Macユーザはバルーン、紙吹雪、そしてハートなどのリアクションを共有でき、リモートプレゼンテーションではプレゼンターオーバーレイを使って小さなイメージで画面を共有することができます。
Appleは、これまで成功したとは言えないMacでゲームすることが最先端であるとする持論を“CPUおよびGPUにおいてゲームを最優先することでよりスムースで安定したフレームレートを実現する最適化されたゲーム体験”を提供するとするゲームモードで証明しようとしています。
Safariには、大きな変更が待っています。プライベートブラウジングを改良することで、ウェブサイトによるトラッキングやユーザの特定を防止することができ、ユーザが席を離れている間も本当にプライバシーが守られるようにプライベートブラウジングウインドウがロックされます。Safariプロフィールでは、それぞれが異なるお気に入り、タブグループ、Cookie、そして機能拡張を持つことができる仕事と個人用のプロフィールを別々に作成できます。そして、ついにSafariであらゆるウェブサイトからウェブアプリを作成できるようになります。これは、お気に入りのSafari機能拡張は維持したまま、iPhoneやiPadでウェブサイトアイコンをAppとしてホーム画面に保存することでクリックするだけでそのWebサイトを開くことができるようになる機能と同様のものです。
自動修正と音声入力の改良、および新たな予測テキスト機能により、Macでの文字入力あるいは音声入力がより簡単になるでしょう。さらに、写真が家族の一員である猫や犬を「ピープル」として認識するようになります。
macOS Sonomaで弊社が期待する機能のトップ10についての記事も参照ください( ACT2BLOG2).
iOS 17
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iPhoneでは、電話というその本来の用途に関連するいくつかの新機能が追加されます。連絡先のポスターでは、あなたが他のiPhoneユーザに電話をかけた際に相手の画面に表示される写真を作成できます。ライブ留守番電話では、ロック画面にボイスメールの文字起こしが表示されるので電話に出るべきかどうか判断することができます(訳註: 日本で利用できる時期については未定)。
FaceTimeではボイスメールのようにオーディオおよびビデオメッセージを残せるようになり、macOSに導入されるのと同じリアクションが使えます。 そしてApple TVとiPhoneが連携カメラを介して連動している場合、将来的にはお使いのTVからFaceTimeが使えるようになります。大画面で家族でチャットするのに最適ですね。
見ただけで一発でわかる新機能の一つに、iPhoneを充電中に横向きに置くと画面表示されるスタンバイがあります。このカスタム可能な機能では、離れた場所からも確認できる時計、ウィジェット、あるいはライブアクティビティから画面表示を選択できます。
ジャーナルという新しいAppは、「心身の健康を改善するといわれている、日記をつけるという行為を通じて、iPhoneユーザーが感謝の気持ちを振り返り、実践するのに役立つ新しいアプリ」ということです。アイデア、写真、運動や散歩などの記録が付けられます。このAppは、アクティビティをもとに助言を行うことができ、その内容は全て暗号化されてプライバシーは守られます。
やっとマップでオフラインマップがダウンロードできるようになります。Apple Musicには共同作業プレイリストが追加されます。友人や家族でAirTagを共有することもできます。しかし最も大きな変化を受けるのはSiriで、もう「Hey Siri」と言わず「Siri」というだけでこのデジタルアシスタントを呼び出せます。
iPadOS 17
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iPadでも iPhoneが昨年から対応するカスタムロック画面を使えるようになります。インタラクティブウィジェットにより、ウィジェットからAppを開くのでなく、ウィジェットをタップするだけでリマインダを消したり電気を点けたりできます。
iPadOS 17では、PDFも改良されます。PDFフォームでは、検出機能の向上によってフォームに入力し、署名し、発送者に返送することができます。そしてノートAppでPDFを整理することもできるようになります。
さらにAppleは、iPadにもヘルスAppを追加します。このデータはiCloud経由で同期されるので、ユーザはもうこのAppの利用をiPhoneだけに制限されません。iPadの大きな画面を使えばデータや傾向を確認するのが楽になるでしょう。
watchOS 10
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Apple Watchは、Appのデザインが改良されてiOSやiPadOSのデザインと違和感がなくなります。Digital Crownを回すだけでウォッチフェースから利用できる新しいウィジェットのスマートスタック機能により、もうウォッチフェースがゴチャゴチャになることがなく、Digital Crownの一捻りで様々な情報を表示させられます。
サイクリングやハイキングをトラッキングしたり、開発者がウォッチのモーションセンサーから情報を取得できるワークアウトAppの新しいAPIもあり、スヌーピーおよびウッドストックの新しいウォッチフェースなどいくつかの新機能があります。またAppleは、MDM(Mobile Device Management)でApple Watchを管理する機能を追加して企業市場にも目を向けていくことになるようです。
AppleのAR/VRゴーグル、Vision Pro
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Vision Proは、Appleが“空間コンピューティング”と呼ぶ市場に進出することを意味する製品です。このスキーのゴーグルに見える端末は、Appから映画、あるいはFaceTimeからゲームまであらゆるものを表示することができます。約49万円からと言われ、来年初頭に米国で発売され、追って他の国でも発売となります。Appleは、この製品でコンピュータ端末を使う新しい市場を開拓するとの意気込みです。
Vision Proは、Appleが開発のために5,000の特許を出願したと言うほどの驚くべき技術の集合体です。両方の目に一つずつ2つの合計2,300万ピクセルという超高精細のディスプレイだけでなく、多くのカメラとセンサーが内蔵されています。Vision Proの優れた機能の一つに、ボタンのクリック、スワイプ、あるいはスクロールなどの操作のためのハンドジェスチャーがあります。これは端末下部にある下向きのカメラが手の動きを検出することで実現しています。先進の視線追跡機能により、画面上の異なる要素を見るだけでほとんどの制御が可能です。
他の同種の製品では端末の前面は不透明ですが、Appleは装着者の目が見えるように外側にディスプレイを搭載しました。これで一緒にいる人がこの端末を使っている人から無視されていると感じることがなくなるというのですが、実際にAppleが公開したソファーに座るVIsion Proを装着した人が端末を装着していない別の人を見ながら会話していると思しき写真は何かディストピア的な感じがします。
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Apple製品は、常に邪魔にならないコンピュータ端末を目指してきました。しかしVision Proを使用中は常に邪魔になるわけで、これまでと正反対の製品と言えるでしょう。この端末を装着していることを忘れることは困難でしょうし、仮に画面表示に没入できたとするなら周囲の世界から隔絶した状態となります。Appleは人々が共同作業できるコンピュータ世界を目指してきましたが、この端末は反対です。使用中は、ユーザを周囲から隔絶させてしまうでしょう。
これは、Appleにとって大きな賭けになります。人々がコンピュータをストラップで顔に装着することを望んでいるという証拠はなく、確かに工業や医療の世界での用途はあるのでしょうが、数時間しか持たないバッテリを搭載した周囲から隔絶させるゴーグルが一般に許容されるかは、特に予想されている価格帯を考えると疑問があるところです。
またAppleは、まだこの製品で何ができるか詳細を決めていないようです。この端末を今から開発者に見せることで、映画を見たり、FaceTime通話をしたり、ゲームで遊んだりする以上の何か素晴らしいAppが出てくることに期待しているんだと思います。Appleは、拡張現実(AR)でのゲームを2018年のWWDCでもう紹介しています( https://www.theverge.com/2018/6/4/17426880/apple-ar-kit-2-multiplayer-competitive-game-swift-shot )。その後、拡張現実ゲームについて何か聞いたことがありますか。数年後にVision Proがまだ現役かどうか、知るのが楽しみです。
■ お使いのMacは安全ですか?
Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:
https://www.act2.com/intego
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