2023年6月8日木曜日

Appleの最新 OS のベータ版をインストールしてみる



AppleのmacOS Sonoma、iOS 17、iPadOS 17、watchOS 10、あるいはtvOS 10のベータソフトウェアをインストールする方法

(この記事は、2023年6月8日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたHow to Install Apple Beta Software for macOS Sonoma, iOS 17, iPadOS 17, watchOS 10, and tvOS 10の翻訳です)

このベータソフトウェアとは、アプリが問題なく動作するかその開発者が試験するための公式公開前のソフトウェアです。また、社内でバグや互換性の問題がないか確認するためにも使われます。Apple製品が好きで新しい機能を何でもいち早く試したいユーザは、すでにApple Beta Software Programに参加していることでしょう。あるいはベータソフトウェアが公開されるより前に試すためだけに、毎年12,800円か12,980円で開発者アカウントを登録している人もいるかも知れません。


しかし今年Appleは、開発者アカウントのポリシーを変更しました( https://developer.apple.com/jp/support/compare-memberships/ )。現在では、そのソフトウェアのベータ版を試すためために有料の開発者アカウントは必要ありません。ソフトウェアをAppleのApp Storeで流通させるか、直接販売するためにmacOS用ソフトウェアを公証しなければならないならこれまで同様に毎年12,800円か12,980円が必要ですが、Appleのベータ版ソフトウェアをインストールするだけなら無料で可能になったのです。


ここでは、Appleの新しいオペレーティングシステムのベータ版をインストールする方法を紹介すると同時に、なぜインストールするべきではないのかも説明します。




ベータソフトウェアをインストールするべきでない理由


他の人たちが実際に使い始める数ヶ月前から、お使いのコンピュータや端末で今後登場する新しい機能を試すのは魅力的です。しかし、それはデータ損失や破壊の危険性と隣り合わせなのです。ベータソフトウェアは未完成であり、期待通りに動作しない可能性があります。Apple自身も「パブリックベータソフトウェアは商用リリースではないため、エラーや不具合が発生したり正しく機能しなかったりする可能性があることにご注意ください」と言っているのです。

ベータソフトウェアでは一部の機能は正常に動作しない可能性があり、お使いのMac、iPhone、あるいはiPadで普段なら問題のない操作や処理の全てが同様に問題なく実行できるとは限りません。さらに、ベータ版が公開された時点では多くの他社製ソフトウェアは対応しません。なぜならアプリの開発者は、Apple Worldwide Developer Conferenceとオペレーティングシステムが公式公開される秋までの3ヶ月間でソフトウェアを対応させるのが普通だからです。

Appleも「メインデバイスや本番用のデバイスにはインストールしないことをおすすめします。サブのシステムやデバイスまたはお使いのMacのサブパーティションにインストールすることを強くおすすめします」と警告しています。

特にmacOS Sonomaについて言えば、アンチウイルスやファイアウォールソフトウェアのようなOSと深い連携を必要とするソフトウェアが今時点で完全対応する可能性はほぼゼロだと考えられます。

こうした危険性を理解した前提で、お使いのApple端末にベータソフトウェアをインストールする方法を紹介します。




MacにmacOS Sonomaベータソフトウェアをインストール


お使いのMac上で現在のオペレーティングシステムに追加する形でインストールできるmacOSベータは、Appleの様々なオペレーティングシステムの中でも例外的に安全に試すことができるベータ版だと言えます。その方法は、いくつかあります。

1)2番目のAPFSボリュームにインストールする:

Macは、コンピュータ用のボリュームを作成する際にApple File System(APFS)を使います。このボリュームはパーティションとよく似た仮想ディスクのようなものなので、Macに接続した2番目のAPFSボリュームにmacOSベータをインストールすることができるのです。詳細については、Install macOS Betas on Your Mac in a New APFS Volume( https://www.intego.com/mac-security-blog/install-macos-betas-on-your-mac-in-a-new-apfs-volume/ )を参照ください。インストールできたらシステム設定 > 一般 > 起動ディスクで起動に使いたいボリュームを選んで再起動をクリックすれば、お使いのMacを再起動する際にどちらのボリュームから起動するか指定できるようになります。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/06/beta-restart.png

2番目のAPFSボリュームを用意したら、macOS Sonomaベータをインストールします。Apple Configurator( https://apps.apple.com/jp/app/apple-configurator/id1037126344?mt=12 )と別のMacが必要と面倒ではありますが、Appleは復旧イメージをダウンロードできるようにしてくれてはいます。

2つ目のAPFSボリュームにmacOS Sonomaをインストールする方法は、その他に2種類あります。一つ目は、Mac App Storeからダウンロードしたインストーラを使ってmacOS Venturaをインストールし、そのボリューム上のオペレーティングシステムでベータアップデートを試すオプションを有効にするやり方です。これは、システム設定 > 一般 > ソフトウェアアップデートを開いてベータアップデートの隣に表示された i をクリックし、試したいオペレーティングシステムのベータを指定します。macOS Sonomaを選ぶとアップデートが適用可能であると通知されるので、いつも通りにダウンロードしてインストールすることができます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/06/beta-updates-mac.jpeg

もう一つの方法は、いわゆるズルをする方法です。Mr. MacintoshのWebサイトにはmacOSインストーラのリンクが掲載されており、macOS Sonomaベータインストーラのリンクが表示されるページがあります( https://mrmacintosh.com/macos-sonoma-full-installer-database-download-directly-from-apple/ )。このインストーラをダウンロードし、お使いのmacOS Venturaから実行して2番目のAPFSボリュームをソフトウェアのインストール先として指定します。



2)macOSベータを外付けディスクにインストール

2番目のAPFSボリュームにmacOSベータソフトウェアをインストールするには、起動ディスクに十分な空き容量が必要です。macOSはインストール直後には大きな容量を必要としません。私の場合、インストール直後には13.5GBを消費していました。しかしアプリを追加インストールしたり多くのファイルで作業すると、もっともっと大きな容量が必要になります。お使いのMacに2つのボリュームがあるのも不便でしょう( https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/06/beta-disk-utility.png )。

より大きな空き容量が必要なら、ベータソフトウェアを外付けのディスクにインストールすることもできます。最も簡単な解決方法はお使いのMacに接続するポータブルSSDを購入し、インストール先として2番目のボリュームではなく外付けドライブを指定してmacOS Sonomaベータをインストールすることです。 新しいソフトウェアを使うためにはMacにこのディスクを接続しなければなりませんが、新しいソフトウェアを完全に分離して試すことができます。


3)仮想マシンにmacOSベータをインストール

macOSベータを仮想マシンにインストールしたいと思う人もいるでしょう。仮想マシンでは、ディスク上にコンピュータ上の他のデータとは隔離された独自のボリュームを作成します。この方法の利点は、お使いのMacでmacOS Venturaを使いつつ別のウインドウ内でベータソフトウェアを実行できることです。

仮想マシンには、VMware Fusion( https://docs.vmware.com/en/VMware-Fusion/13/com.vmware.fusion.using.doc/GUID-474FC78E-4E77-42B7-A1C6-12C2F378C5B9.html )、Parallels Desktop( https://kb.parallels.com/125561/ )、あるいは無料のUTMなどがあります。UTMでのインストールの詳細は、Install macOS Ventura Beta in a Virtual Machine on an M1 or M2 Mac with UTM( https://www.intego.com/mac-security-blog/install-macos-ventura-beta-in-a-virtual-machine-on-an-m1-or-m2-mac-with-utm/ )を参照ください。

仮想マシンでmacOSベータを使う場合には、お使いのApple IDにサインインできない制限があります。つまり、iCloudが使えないので連絡先やカレンダーの同期できない上に、Apple IDが必要ならあらゆるAppleのサービスが使えません。




iPhoneあるいはIPadにiOS 17またはiPadOS 17をインストール

iPhoneまたはiPadにベータソフトウェアをインストールするのはmacOSより単純ですが、危険は逆に大きくなります。普段使っている端末にベータソフトウェアをインストールすることは、絶対にお勧めしません。試験に使える古いiPhoneかiPadがあるなら、必ずそっちを使ってください。ベータソフトウェアには、端末を使用不能にする可能性があります。

iOS 17あるいはiPadOS 17をインストールするには、設定 > 一般 > ソフトウェアアップデートを開きます。ベータアップデートをタップし、iOS 17 Developer BetaあるいはiPadOS 17 Developer Betaをタップします。現在のベータソフトウェアをインストールするか確認され、今後のベータ版公開時には通知されます( https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/06/beta-iphone.png )。

端末に前出のベータ版が表示されない場合は、developer.apple.comhttps://developer.apple.com/ )にログインする必要があるかも知れません。




Apple WatchにwatchOSベータをインストール


お使いのApple WatchにwatchOS 10ベータをインストールしたら、もうwatchOS 9にダウングレードすることはできないので事前によく考えてください。

watchOS 10をインストールするには、Watch Appで一般 > ソフトウェアアップデートを開きます。ベータアップデートをタップし、インストールしたいアップデートを選びます。iPhoneやiPad同様に、まずベータ版のインストールについて確認され、その後は新しいベータが公開されると通知があります( https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/06/beta-watch.png )。




AppleTVにtvOSをインストール



tvOS 10をインストールするには、設定Appを開き、システム > ソフトウェアアップデートを選びます。ベータアップデートを取得を選び、インストールしたいアップデートを選択します。iPhone、iPad、あるいはApple Watch同様に、まずベータ版のインストールについて確認され、その後は新しいベータが公開されると通知があります。

大好きなオペレーティングシステムの新機能を、今から試せたら楽しいでしょう。でも、やっぱり秋の公式公開まで待つのが最善です。




■お使いのMacは安全ですか?

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:



https://www.act2.com/intego

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