2023年1月27日金曜日

Apple の最新CPU及び各最新モデルのポイント

 



今日の内容は、Apple の最新CPU及び各最新モデルのポイントチェックです。


(この内容は、2023年1月18日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたApple Announces M2 Pro & M2 Max Chips, New MacBook Pros, New Mac mini, and New HomePodの翻訳です)


Appleの純正プロセッサは順調にアップグレードされていて、同社はM2 ProおよびM2 MaxというM2チップの新しいバージョンを発表しました。これらの新しいプロセッサは、M1 ProおよびM1 Max同様の機能を持っていますが、より多くのコア、より多くのメモリへの対応、そして消費電力の縮小などさらに進化をしています。


同社は、同時にこれらのより高速で高機能なプロセッサを搭載したM2 Mac miniおよび14"と16" MacBook Proという新しいMacを公開しました。さらには、どういうわけか2年前に販売終了したフルサイズのHomePodも復活しました。


■AppleのM2 ProおよびM2 Maxプロセッサ


AppleがそのM1チップのProおよびMaxバージョンを発表したのは、たった15ヶ月ほど前です( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-goes-pro-in-second-homegrown-silicon-salvo/ )。これらのプロセッサは、チップ上のCPUおよびGPUコアの数を増やし、メモリ帯域幅を増やし、電力消費を抑えたものでした。AppleはM2プロセッサでもM1の時と同様の改良を加えたM2 ProとM2 Maxを発表し、新しいMacに搭載して出荷開始します。


M2 Proは、最大12個のCPUコアと最大19個のGPUコアを持ち、32 GBのユニファイドメモリに対応します。M2 Maxはその上を行き、最大38個のGPUコアと2倍のユニファイドメモリ帯域幅を持ち、最大96 GBのメモリに対応できます。それ以上のメモリに対応するAppleのプロセッサは、128 GBのメモリが扱えるMac Studioに搭載されたM1 Ultraだけです。


Appleは、XcodeとPhotoshopでそれぞれ25%および40%の処理速度の向上を確認し、このような高速化はプロセッサ負荷が高い他のアプリでも体感できるとしています。例えば、12コアのM2 Proはほとんどの処理を行う高効率コアを4個持ち、さらに負荷の高い処理を行う高性能コアを8個持っていいます。これはM1 ProおよびMaxより2個多く、最大38個のGPUコアについてもM1チップの32個より多くなっています。最大の変更は、これらのチップが扱えるメモリサイズで、M2 Maxの場合は最大98 GBとなっています。


■新しいMac mini

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/01/mac-mini-back.jpg


Mac miniは、2020年後半にAppleのMシリーズプロセッサに移行した最初の製品の一つです。今回の新製品では数ヶ月前から提供開始されていたM2プロセッサを搭載するとともにM2 Proオプションも用意されています。価格を見ると、エントリーレベルの8 GB / 256 GBの機種は、ファイルサーバや基本的な計算処理に使われる小型のMacとしては破格の値段設定と言える84,800円に値下げされています。M2 Proを搭載するハイエンドの機種では、最大32 GBのメモリおよび8 TBのストレージ容量で構成できます。M2では2台、M2 Proでは3台のディスプレイに対応でき、それぞれ2個あるいは4個のThunderbolt 4ポートを持ちます。この全てが新しくなったMac miniは、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.3を搭載し、Appleではどちらの機種も「ハイインピーダンスのヘッドフォンに対応するアップグレードされたヘッドフォンジャック」を持つことを強調しています。さらに、10 GB Ethernetのオプションも用意されています。


今回の新しいMacは、M2の機種が84,800円から、M2 Proの機種は112,800円からで、1月23日に受注開始されて2月3日から出荷開始されます。


■新しい14"および16" MacBook Pro

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/14-16-mbp.jpg


言うまでもなく、前述のM2プロセッサの改良は新しいMacBook Proモデルにも適用されます。M2 Proチップに加え、これらの機種では最大38個のGPUコア、より高速なメモリ帯域幅、そして96 GBのメモリに対応するM2 Maxも提供されます。ラップトップにこれほどのグラフィック能力とメモリを必要とする人がいるのか疑問に思うかも知れませんが、これらのラップトップでは8Kディスプレイに接続することが可能で、接続するとなればそれなりのパワーが必要になるのです。これらの新機種には、ハイインピーダンスヘッドフォンジャックに加え、3個のThunderbolt 4ポート、Wi-Fi 6E、そしてBluetooth 5.3が搭載されています。


以前の機種と同様に価格は178,800円および288,800円から始まり、すでに受注は開始されていて2月3日からの出荷となります。


■“新しい”HomePod

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/01/new-homepod.jpg


Appleが新しいMacを発表した翌日、同社から唐突にHomePod(第2世代)と呼ばれる新しいフルサイズのHomePodが発表されました。見た目は2021年3月に販売終了した以前の機種と全く変わらず( https://www.intego.com/mac-security-blog/opinion-apple-discontinues-the-homepod-is-that-the-end-for-apple-and-home-audio/ )、追加された機能は温度と湿度センサーだけです。これで、Siriを使ってHomePodに室温を尋ねることができます。これをすごい新機能と呼ぶべきか... なお、温度と湿度センサーはHomePod miniにも入っているので( https://www.macrumors.com/2021/03/22/homepod-mini-temperature-humidity-sensor/ )、HomePodソフトウェアのアップデートでこの機能が使えるようになることは注目に値するでしょう。


最初のHomePodの価格は$349ですが、音質が今ひとつだったので価格が高すぎると言われました( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-review-superior-sound-but-limited-by-siri/ )。その製品生命の終焉が近づくと、Appleは価格を$299に下げて日本でも32,800円で発売しました。この$299と言うのは、奇しくも新しいHomePodと同じ価格設定です(ただし日本での価格は44,800円)。ほとんどの人にとって、機能的にはHomePod Miniで十分満足できるでしょう( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-mini-review-siri-in-a-compact-speaker/ )。ただし新しいHomePodの音質が向上しているかは、現時点ではわかりません。2台のHomePodがあれば映画やTV番組をApple TVで観る時に最適なステレオペアを構築できますが、数万円で品質の良いサウンドバーが買える時代に9万円かける価値があるかは疑問です。


HomePod(第2世代)の受注は開始されており、2月3日から出荷開始となります。


■お使いのMacは安全ですか?


Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego



さてさて、火曜日から始まった10年に1度の強烈な寒波。

全国各地でこの寒波による様々な被害が報道されています。

どうか、皆様、おケガや災難に会われることなく、今しばし辛抱しましょう。

皆様の安全とご健康をお祈りしております。


株式会社アクト・ツー

Software Product Team


2023年1月17日火曜日

TechTool Pro が Ventura (macOS 13) を完全サポート

 



親愛なる act2.com ユーザの皆様へ

 

たいへんお疲れさまです。

いつもact2メルマガをご覧いただき、ありがとうございます。

 

 

たしか、 本日のランチタイムあたりに「Appleの衝突事故検出機能」 についてのメルマガを お届けしたばかりですよねぇ…  皆様、お忙しい中、たびたび申し訳ございません。

 

しかし、急ぎお伝えしたいことがあり、このメルマガを書いております。

 

TechTool Pro が macOS 13 Ventura に完全対応しまして、1/19 から発売することになりました。

 

TechTool Pro のような ソフトウェア製品は、 もちろん、開発スケジュールを立てて開発を進めるわけですけれども、 思わぬ難所に遭遇したりすることは 珍しくなく、 よって、 開発ロードマップを公開して、事前に発売日をお知らせする、 ということが大変難しい製品です。

 

もちろん Ventura がまだベータ版のころから、 それに、対応したバージョンの開発を続けてきたのですが、 上述のように、 リリース日を明言することが難しく、 沈黙の期間が続きました。2週間ほど前に FC (Final Candidate) が上がり、さらに慎重を期して、つい先日、US でやっとリリースいたしました。 弊社も万全を期して、もろもろ準備を進めてきておりまして、すみやかに公表できるところへこぎつけました。

 

正式な発売日は 1/19 を 予定しております。 それまでは WEB ページ上は v.16 のままです。1/19 に切り替わります。

 

あと2日ほどですが、 ダウンロードストアの調整のために、本日から 1/19 までは、TechTool Pro はダウンロード販売が一時的にサスペンドされます。

 

それから、販売面につきまして、4点ほどお伝えさせて頂きたいことがございます:

 

1)価格はほぼ据え置きです。弊社は「ワールドプライスキープ」を基本理念としております。US価格が据置きでも昨今の円安を考慮しますと日本プライスは値上げせざるを得ないのが道理なのですが、弊社は日本円を据え置くことにいたしました。(これで US のユーザさんが act2 ストアで購入してくださると良いのですが (^^)

 

2)TechTool Pro v.16 が出たのがまだ半年ほど前のことですので、「もうアップグレードかよ!」と、ちょっとムカッときたのはお客様だけでなく、私も同じ心境です。それで、こうします。通常ですと、新バージョンの発売 30日以内にご購入頂いた方へは無償アップグレードを提供しておりますが、今回は、その期間を 60日とさせていただきます。どうかこれでご了承いただけますでしょうか?

 

3)従来、アップグレード料金は、直近のバージョンからのアップグレードとそれより古いバージョンからのアップグレードでは相違がありましたが、今回から、アップグレード料金は「どのバージョンからでも」同一になります。

 

4)最後に、今回から「サブスクリプション形式」も導入いたしました。特に法人様名義でご利用いただいている場合、経理的にも処理が単純になりますし、なにより、今まで「このバージョンはスキップする」というケースにおいて皆様お悩みになられたことと思いますが、その負荷が軽減されると思っております。

 

以上が、このメールの主旨になります。

 

TechTool Pro 17 は、これといって目新しい機能は追加されておりませんが、なんといっても「 Ventura に対応した」という点が最重要点になります。

Ventura はすでに多くの Mac ユーザさんがお使いになられて実感されていると思いますが、機能的にも性能的にも素晴らしい出来栄えだと思います。(それゆえに TechTool Pro の開発にも多大な労力が必要でした)

 

昔は、TechTool は単なる Mac のハードディスクの修復ツールでした。しかし、今日では、SSD の微妙な寿命のステータスを事前に検知したり、常時、ドライブの稼働状況をバックグラウンドで監視したり、Mac に搭載されているさまざまなセンサーのチェックをしたりと、ずいぶん仕様も変わりました。現在のコンピュータのアーキテクチャの宿命である「ボリューム構造」のチェック・再構築は健在で、Ventura においても大きな貢献をするだろうと思っています。

 

 

今年の act2.com のキャッチコピーは(年頭に何度も書き換えましたが..)「健全な IT 環境を」としました。これは、クラウドプラットフォームだけでなく、手元にあるクライアントマシンも健全でなければならない、という思いからです。

 

その観点から Mac にはぜひ、TechTool (と Intego セキュリティ)は必須のツールと思っています。

 

念のために TechTool Pro 17 に関する画面ショットを何点が載せておきますのでご参考にしていただければ幸いです。









以上、取り急ぎ、1日に2度もメルマガをお送りすることになってしまい、たいへん失礼いたしました。

 

みなさまのご健康とご発展を、心より祈念しております。

 

敬具

株式会社アクト・ツー

代表

加藤幹也 拝

 

&

 

株式会社アクト・ツー

Software Product Team

 一同

Appleの衝突事故検出機能は、誤作動しすぎるのか?

 

今日の内容は、「Appleの衝突事故検出機能は、誤作動しすぎるのか?」Apple Watch が急激な衝撃を感知したときの動作についてです。


(この記事は、2023年1月11日にKirk McElhearn(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/s7r3ausut3br/8n8vgqfy/)およびJoshua Long(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/q7g1irz4e8e9/8n8vgqfy/)によってMac Security Blogに投稿されたIs Apple’s Crash Detection causing too many false positives?の翻訳です)

 


昨年Appleは、iPhone 14、Apple Watch SE(第二世代)、Apple Watch Series 8、そしてApple Watch Ultraを対象に衝突事故検出機能を提供開始しました(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/deh1r0eur6bv/8n8vgqfy/)。この機能は、「衝撃、圧力の変化、そして騒音レベルと組み合わさった速度変化」に加えて重力加速度の突然の変化を検出すると発動します(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/c9jwn1g6gkn1/8n8vgqfy/)。衝突事故検出機能が発動すると、救急サービスに事故があった旨の警告と共に正確な場所が通報されます。

 

衝突事故検出機能が期待通りに作動すれば、人命救助につながるでしょう。例えば、この機能のおかげで事故に巻き込まれた奥さんを、旦那さんは救急車が到着する前に見つけることができたそうです(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/a3s9s4nzhqrw/8n8vgqfy/)。

 

しかしAppleの衝突事故検出機能では、多くの誤作動も報告されています。どうしたら良いのでしょう。この機能は、無効にするべきでしょうか。無効にした方が良いとしても、どうやって無効にするのでしょう。この記事では、衝突事故検出機能の現状を分析すると共に、Appleがどのように機能を改良するべきかにも触れたいと思います。

 

■誤作動が救急サービスに不要な負担をかけています

 

誤作動に関する初期の報告は、ローラコースターの乗客から始まり(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/t3ct24axaubd/8n8vgqfy/)、スキー場で転倒する人々へと広がりました(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/kqo8o7twi349/8n8vgqfy/)。カナダでは、ヘリコプターでの長時間の捜索に発展し(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/o7q4jqv0uzwy/8n8vgqfy/)、騎馬警官隊が被害者とされる人が無事かどうか確認するために、そのご近所を一軒ずつ回る羽目になりました。

 

今がウインタースポーツのシーズンであることも重なり、この機能の誤作動はよくニュースで取り上げられています。特にスキーで誤作動が多発しており、コロラド州の一部では救急サービスが毎日3~5回の通報を受け取っています。(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/x3kmx9iyw1v4/8n8vgqfy/)。ほとんどの場合は救急車を必要とするほどの事故ではありませんが、救急サービスではこの機能を無効にすべきだとは考えていません。ゲレンデで転倒したならその場で誰かに助けてもらえるでしょうが、ゲレンデ外に出たらこの機能で命が助かることもあり得るからです。

 

でも、ミネソタ州の一部では救急サービスがこの機能の無効化を呼びかけています。スキーヤーやスノーモービルのドライバ達がこの機能を有効にしていて、通報があったスキーヤーを探した結果、怪我をしていないことが確認できるまで4時間もかかったからです(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/bpu1j8a1w726/8n8vgqfy/)。

 

iPhoneあるいはApple Watchが事故を検出すると、10秒間のカウントダウンが始まり、同時に持ち主の注意を引くために大きな音を鳴らします。何もしないと、次の10秒間のカウントダウンの後に地元の救急サービスに電話をかけます。でも、重大かどうかに関わらず、事故があってもApple WatchやiPhoneの音に気づかないということがあるのでしょう。Apple Watchを分厚いスキーグローブの下に付けていて、しかもヘルメットも被っていたら音は聞こえないかも知れません。 iPhoneがポケットにあり、分厚いスキーパンツを履いていたら、やはり音は遮断されてしまうかも知れません。

 

さらに複雑なのは、付けているグローブが静電容量式タッチに対応していなければ、限られた時間以内に画面をタッチして救急発信をキャンセルすることは難しくなるでしょう。

 

衝突事故検出機能は命を守る大事な技術ですが、誤作動が多すぎてはいけません。ミネソタの郡保安官は「派遣センターでは通報の対応に時間を割かれており、誤作動であることが確認できない場合は保安官代理を派遣しなければならず、事務所が小さいこともあり、現場へ赴いて通報の内容を確認することが大きな負担になっている」と言います。

 

■衝突事故検出機能は無効にするべきか

 

この機能を無効にしてしまうと、特に危険な活動を行なっていたり毎日車で移動しているなら、事故が起きても助からない可能性があるでしょう。

 

しかし救急サービスが衝突事故検出機能を無効にするよう要請している地域に住んでいるなら、従うべきか悩むところです。

 

例えば、遊園地やスキー場に遊びに来ただけなら、善良な市民として衝突事故検出機能は無効化するべきかも知れません。

 

いずれにしろ、誤作動を引き起こす可能性がある活動を始める際、特に危険はないと思われるなら、この機能を無効にするべきです。ただし、何らかの事故に巻き込まれた際に衝突事故検出機能が無効だったら意味がありませんので、機能を再度有効に戻すことを絶対に忘れてはいけません。

 

この機能を、常に無効にしておくのは危険です。自動車事故に巻き込まれるなど、自分に代わって自動で救急サービスに連絡をしてもらう必要がある事態に陥った時、この機能が有効でよかったと思うはずです。

 

■衝突事故検出機能をオン/オフする方法

 

Appleは、衝突事故検出機能を一時的に無効にするための方法を説明する記事を公開しています(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/deh1r0eur6bv/8n8vgqfy/)。

 

iPhoneで衝突事故検出機能を無効にするには、設定 > 緊急 SOS を開き、「激しい衝突事故発生後に電話」をオフにします。

 

Apple Watchで衝突事故検出機能を無効にするオプションは2個あります。iPhoneでWatch Appを開き、マイウォッチタブで「緊急 SOS」を開き、「激しい衝突事故発生後に電話」をオフにします。あるいは、Apple Watch自体で設定 > SOSを開き、「激しい衝突事故発生後に電話」をオフにします。

 

この機能を無効にしたら、誤検出を招きそうな活動を終了次第、忘れずに再度有効に戻してください。

 

衝突事故検出機能を再度有効にするには、前述の手順を踏み、最後に「激しい衝突事故発生後に電話」をオンに戻します。

 

Appleは、緊急 SOS をキャンセルしたユーザが同社になぜキャンセルしたのかを説明する手段をiOS 16.2で導入しました。これは、iPhoneあるいはApple Watchでボタンを押し続けることで自ら意図して発信した通話をキャンセルした場合を対象にしており、ユーザが意図してこの機能を呼び出したのかを確認するダイアログが表示され、機能がどのように利用されているかAppleが分析できるように同社にログを送るか確認されます。Appleはこの機能を改良するためのデータを集めているようなので、多分、衝突事故が検出されたけれどキャンセルされた場合にも同じダイアログが表示されるものと思われます。

 

■衝突事故検出機能の誤作動を減らすためにAppleができること

 

前述の通り、Appleは誤作動による緊急発信を減らす方法を探るためにデータを収集しています。

 

そして、明らかにAppleが今すぐできる改良があります。例えば、遊園地にある動きの激しいローラコースターのGPS座標など誤作動が起きやすい場所の周囲に仮想的な境界線を設けることです。こうした境界内で衝突事故検出機能が作動しても、Appleが発信を無視することができるでしょう。周囲の駐車場や道路など、ユーザが本当に自動車を運転している場合は衝突事故検出機能が通常通り動作するくらいに境界範囲を狭く設定しておくことができれば、理論上は誤作動を減らす簡単な対策の一つとなるはずです。

 

スキー場のような他の場所では、Appleにそこまで単純な対策の選択肢はなさそうです。

 

言うまでもなく、Appleは今後もこの機能を改良し続けると思われます。iOSおよびwatchOSのアップデートで対策が追加され、今後の数ヶ月で誤作動は減っていくでしょう。

 

安全対策およびセキュリティ機能は、常にリスクと利便性のバランスの上に成り立っています。命を守るための機能が登場すると、その機能が期待通りに動作するようになるまで改良が必要になるのは仕方がないことでしょう。

 

■お使いのMacは安全ですか?

 

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/r935ahr7lsj0/8n8vgqfy/

 


2023年が始まりました。元気にスタートダッシュでいきましょう!そのためにも「健全な IT 環境」は必須です。Mac にも正しいセキュリティツールを入れておく習慣をつけましょう!


この記事にある「Appleの衝突事故検出機能」は筆者自身、2度体験しています。これはいい機能ですね!

しかし、この機能が動作しないことが一番良いことですから、どうかみなさま、お気をつけくださいませね。

ちなみに、私の2度の経験というのは、いずれも「室内転倒」でした!(おバカ)



株式会社アクト・ツー

Software Product Team



セキュリティを強固にするためのAppleの高度なデータ保護技術解説

 


今回は、セキュリティを強固にするためのAppleの高度なデータ保護および他の機能についてお届けします。

 

(この記事は、2022年12月9日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたApple’s Advanced Data Protection and Other Features Harden Securityの翻訳です)

 

セキュリティを強固にするためのAppleの高度なデータ保護および他の機能(この記事は、2022年12月9日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたApple’s Advanced Data Protection and Other Features Harden Securityの翻訳です)

 

Appleは、そのオペレーティングシステムおよびデバイスに対し、iMessage Contact Key Verification、セキュリティキーへの対応、そして高度なデータ保護の3つの新しいセキュリティおよびプライバシー機能の追加を発表しました。これらの機能により、Appleデバイスは現在で最も安全なデバイスとなります。この3つの機能は、2023年に公開となりますが、今からその内容と仕組みを説明しておきたいと思います。

 

■iMessage Contact Key Verification

 

iMessageは、現在でも安全なメッセージプラットフォームです。Appleユーザ同士で送受信するメッセージは暗号化され、盗聴することはできません(ただし、メッセージアプリを使たSMSの送受信は安全ではありません)。iMessage Contact Key Verificationでは、メッセージをやりとりしている相手がその本人であることを確認するものです。Appleは「iMessage Contact Key Verificationを有効にしているユーザ同士が通信している場合、国家が背景にいる攻撃者のような非常に高度な敵がクラウドサーバに不正侵入し、こうした暗号化された通信を盗聴するために自らのデバイスを追加した場合に自動で警告を受け取るようになります」としています。iMessageでは複数のデバイスで同じアカウントを使えるので、誰かがアカウント保護を突破して追加したデバイスでメッセージを盗聴しているかを下図のような警告によって知ることができます。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/12/messages-2.jpg

 

ほとんどのユーザにとってこの機能は不要ですが、Appleは重要な内容をメッセージし合う「ジャーナリスト、人権活動家、政府関係者など通常以上のデジタルの脅威と向き合っているユーザ」などのために用意されたとしています。

 

■セキュリティキーへの対応

 

Appleの二要素認証は高機能ですが( https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-use-two-factor-authentication-for-your-apple-id-and-icloud-account/ )、新しいデバイスの認証を他のデバイスに依存しています。例えば、誰かがお使いのデバイスの1台を利用できる状態になれば、お使いのAppleアカウントも悪用できる状態になることを意味します。そこでAppleは、アカウントへの新規のアクセスを認証するためにハードウェアキーという、さらなる要素を追加できるようにします。Appleでは「この機能は、著名人、ジャーナリスト、そして政府関係者など、その公開されているプロフィールが原因でオンラインアカウントに対する組織的な脅威に晒されている人を想定している」とします。例えば、過去にあった個人的な写真が盗まれたようなようなiCloudアカウントのハッキングを防ぐことができますが、さらにメッセージやEメールの保護も提供します。

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■セキュリティキー

 

現在でも、セキュリティキーは様々な接続方式で提供されていますが、NFC(近距離無線通信=near-field communication)で動作するものであればデバイスに接続する必要はありません。Appleデバイスの場合、製品によってコネクタがUSB-AだったりUSB-Cだったり、ライトニングコネクタだったりすることを考えると、コネクタが関係ないNFCセキュリティキーが最善と思われますが、キーによってはUSBとNFCの両方に対応するものもありますし、製品によっては異なるUSBポートが使えるようにアダプタが付いているものもあります。来年、Appleがストアやオンラインストアでセキュリティキーの販売を始めても不思議ではありません。弊社でも、過去の記事、How to Use a Security Key to Protect Sensitive Online Accounts( https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-use-a-security-key-to-protect-sensitive-online-accounts/ )でセキュリティキーについて触れています。

 

■高度なデータ保護

 

もう何年の前から、iCloudアカウントのエンドツーエンドでの暗号化を多くのユーザが要望して来ました。お使いのiPhoneやiPadなら、そしてFile Vaultが有効ならMac上でも、そのデータは暗号化されています。そしてすべてのiCloudサービスの通信中のデータ、およびAppleのサーバ上のデータは暗号化されています。しかし同社は暗号化キーを持っており、法の執行機関が請求すればユーザのデータの一部にアクセスすることは可能なのです。Appleは、この新しい機能が「最高レベルのクラウドデータセキュリティを提供し、信頼するデバイスでのみ復号化できるエンドツーエンド暗号化によりユーザがほとんどの最も個人的なiCloudデータのを保護する選択肢を提供します」 としています。

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Appleはこの高度なデータ保護が有効な場合に何が暗号化されるかも説明しており、「iCloudは、すでにデフォルトでエンドツーエンド暗号化を使って、iCloud Keychainおよびヘルスケアデータを含む14種類の個人的なデータカテゴリを保護しています。高度なデータ保護を有効にしたユーザは、エンドツーエンド暗号化で保護されるデータのカテゴリが23種類に引き上げられ、iCloud バックアップ、メモ、写真、などがその対象に加わります。ただし、重要なiCloudデータのカテゴリではありますが、グローバルメールシステムとの相互運用が必要なiCloudメール、連絡先、そしてカレンダーは保護の対象になりません」となっています。

 

このAppleのサポートドキュメントでは、現時点で何がエンドツーエンドで暗号化されており、何がされていないかも説明されています( https://support.apple.com/HT202303 )。重要なのは、このドキュメントに登場する「暗号化して転送され、暗号化したフォーマットで保管」という言葉の意味を理解しておくことです。「新しいデバイスでのサインイン時、バックアップからの復元時、パスワードを忘れてしまった後のデータ復旧時など、必要が生じた場合にはユーザに代わって Apple がデータを復号化できます。Apple ID でサインインできさえすれば、バックアップ、写真、書類、メモなどにアクセスできます。」と書かれている通り、データは暗号化されているものの、必要に応じてデータを復号化できるキーをAppleは持っているのです。エンドツーエンドの暗号化とは、Appleでさえもデータを絶対に復号化できないことを意味します。

 

EFF( https://www.eff.org/deeplinks/2022/12/victory-apple-commits-encrypting-icloud-and-drops-phone-scanning-plans )のようなプライバシーの支持者はこうした動きを歓迎していますが、FBIは不満のようです。先日のThe Washington Postに対するエンドツーエンドでの暗号化全般に関する声明で( https://www.washingtonpost.com/technology/2022/12/07/icloud-apple-encryption/ )、FBIは「これはサイバー攻撃や子供達への暴力に始まり、麻薬の密輸、果ては組織犯罪やテロなどの犯罪行為から米国民を守るために必要な私たちの能力を妨げるもの」としています。

 

なお、高度なデータ保護にもリスクはあるということに触れておくべきでしょう。ユーザがApple IDパスワードを忘れてしまった場合、事前にデータにアクセスするには復旧用連絡先あるいは復旧キーを設定していなければなりません。詳細については、How to Set iCloud Account Recovery Contacts, Legacy Contacts, and Trusted Phone Numbers( https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-set-icloud-account-recovery-contacts-legacy-contacts-and-trusted-phone-numbers/ )を参照してください。

 

iMessage Contact Key Verificationは、2023年に全世界で公開となります。Apple ID用のセキュリティキーは、2023年初頭に全世界で公開となります。iCloudの高度なデータ保護は、米国ではApple Beta Software Programのメンバーなら今から試すことができ、年末には米国のユーザに提供開始されます。この機能は、その他の地域では2023年初頭に順次提供開始されます。

 

■お使いのMacは安全ですか?

 

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego

 

 

 

 (ついでに...)

 

■お使いのMacは健康ですか?

https://www.act2.com/ttp16

 

 

今年もあと10日。年内に今年最後のメルマガを配信する予定ですが、念のために。

みなさま、今年もたいへんお世話になりまして、誠にありがとうございました。

今年の冬は例年以上に寒いようですので、どうかご自愛くださいますように。

そして新しい良いお年をお迎えくださいませ。

 

最後にコマーシャル:

年末年始は、act2 ダウンロード販売で、全製品特別値引きを実施していますので、ぜひご利用くださいませ。

 

 

 

株式会社アクト・ツー


Software Product Team


2022年12月14日水曜日

5年経過するとディスクの信頼性は大きく低下する?

 今回は、わかっているようでわかりきっていないバックアップについて。


Macをバックアップするために最適なハードディスクあるいはSSDを選ぶ(この記事は、2022年11月29日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたHow to Choose the Best Hard Drive or SSD to Back Up Your Macの翻訳です)


バックアップは、保険に似ています。誰にとっても必須でありながら、使わずに済めばそれに越したことはありません。言うまでもなく、お使いのMacにもバックアップは必須です。何らかの理由でデータを復旧しなければならなくなった場合もバックアップ用ハードディスクがあれば、時間、労力、そして付随する様々な頭痛の種を省いてくれます。弊社ではファイルのバックアップがいかに大切か、これまで何度も指摘してきましたが、有効なバックアップを実現するためには単にデータをコピーすれば良いと言うわけではなく、そのデータを保管しておく媒体についても考慮する必要があります。


Macでバックアップ用に使えるディスクには、いくつかの種類があります。Macに常時接続しておく外付けデスクトップハードディスク、必要に応じて接続できる外付けポータブルハードディスク、あるいはネットワーク経由で接続するデバイスもあります。どれを選んでも良さそうですが、それぞれに最適な用途や特徴があります。では、実際のところどれを買えば良いのでしょうか?


この記事では、Macのバックアップに使えるこうしたいくつかの種類のディスクを紹介し、どれを買えば良いのか説明します。


■必要なストレージサイズ


いずれのディスクを選ぶにしても、必要なストレージサイズを事前に把握しておかなければなりません。お使いのMacを定期的に問題なくバックアップするためには、バックアップするデータ総量の2倍以上のサイズのディスクを選ぶことをお勧めします。すべてのデータが500 GB SSDのMacに保存されている場合、1 TBの外付けディスクならサイズは十分でしょう。しかし、バックアップするデータが内蔵SSD上に保存されているファイル以外にもある場合、例えばメディアファイルや過去の仕事のアーカイブなどを含むファイルが別の外付けディスクにも保存されている場合は、その合計を対象にしなければなりません。500 GB SSDのMacに接続した4 TBの外付けディスクにメディアやアーカイブが保存されているなら、バックアップ用ディスクのストレージサイズは少なくとも8 TBが必要となるでしょう。


過去の任意の時点のバックアップに戻れるように複数のバージョンのバックアップファイルを保管し続けるAppleのTime Machineの場合でも、ハードディスクを選択する際に必要なストレージサイズは同様に考えることができます。例えば、500 GB SSDのMacを使っているとして、Time Machineは変更されていないファイルはコピーしないので8TBのディスクがすぐにいっぱいになることはないでしょう。なおTime Machineは、新たなバックアップのための容量が不足すると古いバックアップは削除しますので、ディスク容量が大きいほど戻ることができるバックアップデータはより古くなります。


数年前まで、入手できるハードディスクの最大容量は8 TBでした。しかし最近のハードディスク技術の進歩により、今では最大で20 TBまでの容量が入手できますし、近いうちにもっと大きなサイズの製品も出てくるでしょう。昔に比べると、大量のデータをバックアップするための選択肢は多くなったと言えます。


さらに、外付けSSDの製品でも最大容量が増えるとともに値段はどんどん安くなっています。ハードディスクに比べれば値段が高いですが、ここまで安くなればSSDへのバックアップを検討しても良いでしょう。特に高速回転するディスク上のデータを読み書きするハードディスクに比べると、SSDは可動部品が少ないのでハードディスクより長持ちする可能性が高いと考えられます。


■ハードディスクの寿命


オンラインのバックアップサービスであるBackblazeは、約200,000台のディスクを使用していますが、こうしたディスクがどれくらいの期間保つかを含めたディスクに関するデータを定期的に公開しています。同サービスのHow Long Do Disk Drives Last?( https://www.backblaze.com/blog/how-long-do-disk-drives-last/ )によると、5年経過するとディスクの信頼性は大きく低下するということです。同サービスでは一般的なMacユーザよりも激しくディスクを稼働させていますし、使っているディスクは最も信頼度の高い製品ですから、同じ製品を使っているのでない限りは簡単に比較できませんが、大いに参考になるでしょう。


購入しようとするハードディスクの保証期間にも注目する必要があります。私の場合、3年半ほど前に買った2台のLaCie製ハードディスクの動作が不安定になってきました。いざという時のためのTime Machineバックアップに使っていたのですが、保証期間が2年だったので結局は買い換えることにしました。メディアやアーカイブのバックアップに使っているもっと最近に買ったLaCie製ディスクの保証期間は5年ですので、まだまだ不安なく使えるでしょう。


ハードディスクは必ず壊れる消耗品ですので、使っているハードディスクが壊れるか壊れないかを心配するのではなく、常にいつ壊れるかを考え、いつ壊れても良いように対策を講じておくべきです。Backblazeが言うように「あなたが購入したハードディスクは、例外なくいつかは壊れる」のです。


1. 外付けハードディスク

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Macをバックアップする最も一般的な媒体は、USBあるいはThunderboltで接続されたハードディスクでしょう。様々なメーカから、多様なハードディスクが出ています。今や4 TBのハードディスクなら1万円ちょっとで買うことができますし、サイズが最大で20 TBの製品も売られています。


Thunderbolt接続のディスクはUSB接続よりも高くなり、実際のところハードディスクとして平均的な価格の2倍程度の価格設定になっています。ただしThunderboltには、バックアップディスクとして実用上の利点はありません。バックアップは、たまにしか必要とされないデータを保管しておくものです。転送速度が速い製品に余分に費用をかける価値があるのは、動画の編集など巨大なファイルを定期的にバックアップする場合だけです。


Intego Personal Backup( https://www.act2.com/integostore#pb )あるいはApple Time Machine( https://www.intego.com/mac-security-blog/intego-personal-backup-compared-with-apples-time-machine/ )のようなバックアップソフトを使えば、外付けハードディスクへのバックアップが簡単に実行できますが、同じディスクをこうした二つのバックアップソフトで供用することはできません鉄壁の防御を目指すなら、複数のバックアップソフトを使い、それぞれで専用のディスクにバックアップを保管することをお勧めします。いずれの場合もバックアップ対象のデータ総量を事前に調べ、その2倍以上のストレージサイズを持つディスクを購入してください。


Time Machineは、始めてのバックアップではすべてのデータをコピーしますが、それ以降のバックアップでは新しいファイルか変更されたファイルだけをコピーし、可能な限り古いバージョンのファイルを保管し続けます。Intego Personal Backupでもファイルの複数のバージョンを保管し続ける同様の設定は可能ですし、システムに不具合が出てMacを起動できなくなった際に外付けハードディスクからMacを起動できるクローン(起動可能なバックアップ)を作成することもできます(訳注: 新しいmacOSやMシリーズチップのMacでは起動可能なバックアップが完了しないことがありますので、事前にお使いの環境で正常に動作するかお試しください)。


2. 外付けSSD

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前回このようなバックアップに関する記事を書いた際には、SSDが高価だったのでバックアップを目的としたSSDの利用には触れませんでした。しかし現在では、SSDの価格が下がって入手しやすくなり、そのサイズも増え続けているので検討に値すると思います。SSDには、高速で静か、しかも外部電源が不要など、いくつかの利点があります。Macには直接でもハブを介してでも接続できる上に、複数のSSDも容易に同時利用できます。


外付けSSDを使う方法は、いくつかあります。まず、SanDisk Extreme Portable SSD V2( https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/portable-drives/sandisk-extreme-usb-3-2-ssd#SDSSDE61-4T00-J25 )のような、ポータブルSSDを買うことができます。このディスクは、MacにUSB-Cケーブルで接続するだけで電源も要らないプラグアンドプレイ製品です。ただし高速な製品で、その速度が価格に反映して高価になっています。一般的なバックアップでは、これほどの速度は必要ありません。


内蔵SSDとケースを買うのも一つの方法です。私は、前出の不安定になっていたTime Machine用ディスクを交換するためにSamsung 870 QVO SATA III 2.5" 4TB SSD( https://www.samsung.com/us/computing/memory-storage/solid-state-drives/870-qvo-sata-iii-2-5--ssd-4tb-mz-77q4t0b-am/ )を買いました。1台で高品質の8 TBディスクと大体同じ値段ですが、私はそれを適正だと考えました。約2,500円ほどで内蔵ディスク用のケースを買い、ディスクを挿入してカバーを閉じれば外付けSSDとして使えます。前出のSanDiskに比べると遅いのですが、値段は安いです。


最後に紹介するのは、SSDによく似ているNVMe(Non-Volatile Memory Express)カードです。こうしたカードはコンピュータに内蔵して使うための製品ですが、ケースを買って外付けとして使うこともできます。ケースによっては2枚のNVMeカードを挿入できるので、一台で2倍のストレージを実現できます。Western Digitalは、最大で4 TBのNVMeカードを販売しています( https://www.westerndigital.com/ja-jp/products/internal-drives/wd-red-sn700-nvme-ssd#WDS400T1R0C )。内蔵SSDよりも高価ですが、前出の外付けSSDに匹敵するほど高速です。


3. ベア(裸の)ハードディスク

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ここまでに紹介したすべてのハードディスクは、必要なコネクタが付いたケースに入っています。しかし、それ以外にもハードディスクの選択肢はあるのです。裸の内蔵ハードディスクとディスクスタンドを使う方法です。例えば、この安価なInateckディスクスタンドには2つのディスク差し込み口があり、そこに裸のハードディスクを挿入できます( https://www.inateck.com/products/rgb-sata-to-usb-3-0-hard-drive-docking-station-with-offline-clone-for-2-5-and-3-5-inch-hdds-and-ssds-uasp-supported-black-sa02003?_pos=1&_sid=517126909&_ss=r ).


その利点は、明白です。まず、内蔵ハードディスクはケース付きの製品より少し安いです。ディスクスタンドを使えば、Macにケーブル一本で接続したまま複数のディスクを簡単にローテーションできます。ただし、外付けディスクなら複数のディスクを接続しておいてバックアップの際にディスクを指定することで簡単にローテーションできるところ、ディスクスタンドでは手動でディスクを交換しなければなりません。もちろん、スタンドに2台のディスクを入れっぱなしにしておくこともできますが、常時バックアップを行うなら外付けディスクの方が自由度は高くなります。なお、ハードディスクスタンドは複数のバックアップ用ディスクを別の場所で保管したい場合には、非常に便利です。


ディスクスタンドを用意しておく利点は、もう一つあります。外付けディスクのケースが壊れた場合、ディスクを取り出してスタンドに挿せば使えます。このスタンドは、標準の3.5"ドライブと前出の内蔵SSDを含む少し小さい2.5"ドライブの両方に対応する上に、コンピュータを介さずに片方のディスクをもう一方のディスクにコピーすることもできます。


4.ネットワークディスク

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バックアップに使えるハードディスクには、ネットワークディスク、あるいはNAS(network attached storage device)があります。こうしたハードディスク製品は、多くの場合で機能を省いたLinuxのような完全なオペレーティングシステムが搭載された特別なケースに入っています。 例えば、私は2個のディスクを内蔵するSynology NAS( https://www.synology.com/ja-jp/products/series/home )をメディアライブラリのバックアップだけでなく、ホームオフィスでのファイル共有のためにも使っています。


でも、実用性はあるのでしょうか? ラップトップを使っていて、何もコンピュータに接続せず簡単にバックアップしたい時、NASがIntego Personal Backup( https://www.act2.com/integostore#pb )およびTime Machineからデータをコピーするように設定しておけば便利です。最近のほとんどのNASデバイスは、使いやすい管理画面を持っており、設定も簡単で、ウェブブラウザからデバイスのオペレーティングシステムにアクセスすることもできます。ディスクは、他のネットワーク共有同様にFinderでマウントでき、私のSynology NASの場合は、iCloud DriveやDropboxのようにファイルを同期できるMac用のアプリに加え、iPhoneやiPadからファイルにアクセスできるAppもあります


ラップトップを使っていなくても、MacでのバックアップにNASを使うべき理由があります。まず机の上がすっきりするし、Wi-FiかEthernet経由でアクセスできるのでルータやハブの近くなら家や事務所内のどこにでもおくことができます。同僚や家族と共有したいファイルを保管するためにも使えます。


5. ポータブルハードディスク

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お使いのMacにハードディスクを繋ぎっぱなしにしたくないこともあります。 特に持ち歩くラップトップの場合は、繋ぎっぱなしは無理でしょう。


であれば、前出のポータブルSSDを使うこともできますし、SSDが高ければ外部電源が要らないポータブルハードディスクを1万円ちょっとで買うこともできます。例えば、私は別の場所にバックアップを保管する目的で複数のSeagate Expansion 4 TBディスクを使っています( https://www.seagate.com/jp/ja/products/external-hard-drives/expansion-external-drives/ )。そのほかに信頼性の高いポータブルディスクとしては、LaCie Ruggedディスク( https://www.lacie.com/jp/ja/products/rugged/)などが最大5 TBまでのサイズで入手できます。


こうしたポータブルディスクは、サイズは小さいのにUSB 3接続で、かなり高速です。その上、コンピュータから電源供給されるので外付け電源が不要で使いやすいです。


デスクトップMacでも、ポータブルディスクは使えます。高品質なデスクトップ用ディスクより低速ですが、バックアップが目的なのですから、そこまで速度にこだわるべきではありません。


最後に...


そこら辺に転がっている古いハードディスクをバックアップ用に再利用してはいけません。ファイルの復旧が必要になった際に、バックアップデータに問題が起きてはならないからです。ハードディスクは前触れなく壊れます(※1)。3年から5年も使い続けているとデータ損失の確率が著しく上がります。使っているハードディスクが古くなったら、活用し続ける方法を探るのではなく買い換えるのが最善です。


さらに、バックアップ用ディスクは1台では足りません。本当にデータのことを考えるなら、少なくとも2箇所にバックアップしなければなりません。コンピュータを置き忘れたり盗まれた場合、あるいは内蔵ディスクが壊れた場合、もしバックアップが使えない状態だったらどうなるのでしょう。最近のディスクの値段を考えれば、バックアップ用に2台のハードディスクを買ってもそれほどの出費にはなりません。むしろデータ保護の観点からは、2カ所へのバックアップは必須とも言えます( https://www.intego.com/mac-security-blog/targeted-malware-attacks-and-the-importance-of-layered-protection/ )。


ここまでに紹介した複数の種類のディスクを混在で使うこともできます。例えば、iMacではデスクトップディスクを使って、念のために予備のバックアップとしてNASあるいはポータブルディスクを使って別の場所にデータを保管するといった具合です。冒頭で書いた通り、バックアップは保険に似ています。本当に必要になった時、バックアップがあって本当によかったと胸を撫で下ろすはずです。


■お使いのMacは安全ですか?


Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego


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さて、ここまでは、McElhearn 氏のレポートですが、

※1について、

act2 からの追加アドバイスです。TechTool Pro などの Micromat のツールを入れておけば、例えば、HD や SSD の健康状態やおおよその寿命を事前に知ることができます。突然ストレージが故障を起こす前に交換すればパニックを防ぐことができます。あわせてぜひご検討ください。


■お使いのMacは健康ですか?

https://www.act2.com/ttp16


このところ、急に寒くなってきました。おまけに師走ということで、疲れも溜まりやすい時期です。みなさまどうかご自愛くださいますように。



株式会社アクト・ツー

Software Product Team