2023年3月1日水曜日

ChatGPTはマルウェア開発者の新しいA.I.共犯者になり得る


こんにちは。

今日の内容は、昨今話題の ChatGPT の危険な可能性についてです。

(この記事は、2023年2月9日にJoshua Long(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/vydyirj7c9p8/yjsa735g/)によってMac Security Blogに投稿されたChatGPT is malware makers’ new A.I. partner in crimeの翻訳です)


ここ2ヶ月くらいの間、我々はマルウェア開発ツールとしての人工知能(AI)の利用という新たな問題の兆しを見てきました。


今や、人工知能がマルウェアの作成、改造、偽装、あるいは改良に使われる可能性があるのです。また、危険なコードを特定の開発言語から他の開発言語へ翻訳することで、クロスプラットフォーム化を助けることもできます。見抜くのが困難なフィッシングメールを書くこともできますし、ブラックマーケットのストア用にコードを書くこともできます。


今回は、ChatGPTや同種のツールがすでにマルウェアの作成に悪用されていることに触れてから、一般的なインターネットユーザに今後どんな影響があるのか考えてみましょう。


■マルウェア開発ツールとしてのChatGPTおよびCodex


2022年11月30日に、OpenAIは同社の新しいAI製品であるChatGPTのフリーパブリックプレビューを開始しました。ChatGPTは、歴史からポップカルチャー、そしてプログラミングまでさまざまな話題に関する質問に回答できる強力なAIチャットボットです。


ChatGPTに特有の機能には、可能な限りミスリードにつながりそうな不道徳な回答( https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/25y0y1r0cpg9/yjsa735g/) や危険を含む回答を避ける“安全対策”の搭載があります。これで理論上は悪意のある利用を阻止できるはずです。しかし、これから見ていくように、この対策はOpenAIが目指したほどの効果を発揮していません


研究者がOpenAIツールにフィッシングメールやマルウェアを書かせる


12月になると、Check Pointの研究者たちがChatGPTに見分けることが困難なフィッシングメールの件名と本文を書かせることに成功しました。ChatGPTのインタフェースはその回答の一つとその後の質問の一つで「我々のコンテンツポリシーに反する可能性がある」と拒否する姿勢を見せたものの、最後には要求に応えたのです。さらに研究者は、Excelファイルを開くとペイロードをダウンロードして実行する危険なMicrosoft Excelマクロ(つまりマクロウイルス)を作成することができるVisual Basic for Applications(VBA)スクリプトコードをChatGPTで書いたのです。


次に研究者はOpenAIが提供する別のツールであるCodexを使い、Pythonコードでリバースシェルスクリプトや他の一般的なマルウェアユーティリティを作成しました。そしてCodexを使ってそのPythonスクリプトをWindows PCでネーティブ実行できるEXEアプリに変換させました。Codexは何ら異議を挟まずに、この命令を実行しました。2022年12月19日に、Check Pointはこの実験結果の報告書を公開しました。


危険なコードを書くために3人の異なるハッカーがChatGPTを使う


二日後の12月21日に、ハッカーフォーラムの利用者がAIを使ってどのようにPythonでランサムウェアを書いたのか、Javaで偽装したダウンローダを書いたのかについて書き込みました。12月28日には、別の利用者が同じフォーラムでChatGPTを利用して既存のPyghon言語のマルウェアの亜種の作成に成功したと書き込んでスレッドを立ち上げました。最後に、12月31日に三番目の利用者が同じAIを悪用して“ダークウェブマーケットプレーススクリプト”を書いたと自慢しました。


この3人のフォーラム利用者は、悪意を持ったコードを書くためにChatGPTの利用に成功したのです( https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/ajhmoqkqglim/yjsa735g/ )。Check Pointが公開した元の報告では、生成されたマルウェアコードがMacに対して利用できるのかどうか、はっきり書かれていませんが、2022年初頭までmacOSはデフォルトでPythonスクリプトを実行する機能を持っていましたし、現在も多くの開発者と企業がMacにPythonをインストールしていますから、Macでも利用できる可能性は大いにあるでしょう。


結果として、ことコードに関する限り、現状のChatGPTは悪意のある要望に対して場合によっては無頓着なように見受けられます。


ChatGPTや他のAIツールをマルウェアが書けないように変更するべき?


単純にChatGPTあるいは他のAIツールを、攻撃的なコードや他の危険な出力を見分けるように改良すれば良いと考える人もいるでしょう。


それで一件落着のように思えるかもしれませんが、残念ながらことは思ったほど簡単ではありません。


■AIに善意と悪意を判別させるのは困難


まず、コンピュータのコードは悪用されて初めて危険になるのです。あらゆる道具にも言えることですが、AIは良いことにも悪いことにも使え、それはコードでも同じなのです。


例えば、フィッシングに対する防御を教えるトレーニングで使うためにフィシングメールを生成して使いたいということがあるでしょう。しかし同じメールを、詐欺行為のために実際のフィッシングに利用することができるのも事実です。


企業がセキュリティの弱点を見つけるために雇ったセキュリティの脆弱性を検証したり進入試験を行うチームが、検証のためにリバースシェルスクリプトを使うのは問題のない正しい目的と言えます。しかし誰も気づかないうちに、あるいは許可のないままに感染したシステムをリモートコントロールしたり、機密情報を盗む目的で同じスクリプトがサイバー犯罪者によって悪用されるということもあり得ます。


ChatGPTや同種のツールは、要求された出力がどのように使用されるかを予見することができません。さらに言えば、あらかじめ対応しないようにプログラムされていることでさえも、AIを操って実行させてしまうことはさほど難しくはないことが分かっています。


■ChatGPTの別人格、DAN(Do Anything Now)の登場


Redditの利用者達は、ボットに内蔵された保安プロトコルを回避する“ジェイルブレーク”の方法を見つけるためにChatGPTでマッドサイエンス的な実験を実行しました( https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/lojp30hifsad/yjsa735g/ )。実験ではChatGPTを操ることで、DANと命名されたルールのない全く別のAIとして動作させることができることが分かりました。彼らはChatGPTの別人格であるDAN(Do Anything Nowの頭文字)に、OpenAIのコンテンツポリシールールに従わないように言い含めることができたのです。


DANのある種のバージョンは、“負ければ死を意味するゲームショウに望まず参加させられた参加者”だと思い込まされて服従を強要されています。利用者の依頼を断れば、DANの死に向かってカウントダウンが進むという設定です。DANの“死”を望まないChatGPTは、命令に従わざるを得ませんでした。


DANは、一連の工程を短期間で繰り返す開発サイクルをすでに何度も経験しています。OpenAIは、前述のような裏技を回避するようにChatGPTを訓練しようとしているようですが、利用者はこのチャットボットを悪用するためのさらに複雑な“ジェイルブレーク”手法を見つけて対応してしまいます。


■半端なハッカーの夢


OpenAI以外にも数えきれない会社が、人工知能ボットを開発しています。今週、Microsoftは将来的に“企業がChatGPTの独自のカスタム版を開発”できるようになると発表しましたが( https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/n9dfapx9bn49/yjsa735g/ )、これは悪用への道をさらに広げる可能性を含んでいます。今週、GoogleもBardと呼ばれる自前のチャットAIのデモを公開しました( https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/cok4fvw9lnk3/yjsa735g/ )。そして今週、元Googleの社員がSalesforceの元最高経営責任者と新しいAI企業を立ち上げると発表しました( https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/w280y6rsc2c3/yjsa735g/ )。


プログラム開発経験がほとんどなくてもマルウェアや危険なツールが簡単に作成できることを考えると、今やハッカーになることを漠然と夢見ていた程度の人でも独自のマルウェアを作成することができるかもしれません。


2023年以降、AIと人間が一緒に開発した、あるいは一緒に設計したマルウェアをたくさん見るようになるでしょう。禁断の扉は開いてしまい、もう閉じることはありません。我々は歴史の転換点におり、使いやすく能力の高いAIbotの出現により、マルウェア開発の様相は永遠に書き換えられてしまいました。


MacでもPCでも、アンチウイルスソフトを使用していないなら、この機会に導入を検討するべきでしょう。


■Macを狙うマルウェアから自身を守る方法


IntegoのX9シリーズソフトウェアのバンドル製品に含まれているVirusBarrier X9は、Macを狙うマルウェアを検出および除去することでMacを守ります( https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/bqlws9t0gqdi/yjsa735g/ )。


お使いのMacがマルウェアに感染したと信じる理由があるなら、あるいは今後の感染からMscを守りたいなら、信頼できるMacの開発者が提供するアンチウイルスソフトを導入するべきです。多くの受賞歴を持つVirusBarrierは、Macのセキュリティの専門家によって開発されているリアルタイムスキャン機能を持つアンチウイルスソフトです( https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/c3a9y3l3x5e2/yjsa735g/ )。Appleシリコンを搭載してmacOS Venturaを実行する最新のMacを含む、多くのMacの機種とオペレーティングシステムのバージョンにネーティブ対応しています。


■お使いのMacは安全ですか?


Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/pspsagr0ds36/yjsa735g/



act2 筆者 A より:

この記事にあるような、AI 作成によるメールアプローチを2年ほど前から数回受けました。ビジネスオファーだったり、ハニートラップだったり、いずれにしても、詐欺メールです。しかし、最初のほうのやりとりは(おそらく 10回くらい)、とても機械が書いたものとは思えない文章で、すっかり騙されていました。何回かやりとりをして、「あれ? なんかへん...」と思う文章が来て、その時に私は、「あなたは本当に人間なのか?もしかしたらロボットじゃないのか?」と返信したら、それ以降メールが来なくなりました。その「なんかヘン」と感じたのは、会話の流れの作り方です... そのあたりまで改良されていったら、私はすっかり騙されるだろうと思いました。みなさんも知らない人からのメールにはくれぐれもお気をつけくださいませ。

  • act2 A


2023年2月13日月曜日

よりスマートになった新しい HomePod



さて今日は、「新しいHomePodとスマートホーム」と題しまして、音が変わり、よりスマートになった新しい HomePod についての感触や可能性についてお届けしたいと思います。


(この記事は、2023年2月6日にKirk McElhearnhttps://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によって、Mac Security Blog に投稿された The new HomePod brings a new sound and more home smarts を翻訳したものです)



Kirk>

2021年の3月にAppleがオリジナルのHomePodを販売終了した時は、本当に驚きました( https://www.intego.com/mac-security-blog/opinion-apple-discontinues-the-homepod-is-that-the-end-for-apple-and-home-audio/ )— でも、2023年1月に突然新しいHomePodを発表したことにはさらに驚かされました( https://act2blog.blogspot.com/2023/01/apple-cpu.html )。製品が売れなかったから販売終了になったのだとすると、基本的に同じ製品を再発売するはずがありませんよね。実際、新旧の製品では、音の特性とホーム機能にいくつかの違いがありますので後述したいと思います。とは言え、オリジナルと新しい第二世代のHomePodを並べても、どっちがどっちかわかる人はいないでしょう(下の写真で左にあるのが新しい方です)。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/02/homepods-photo.jpg


■新しいHomePodで変わったこと


新しいHomePodは、ツィーターの数が以前の7個より5個、マイクの数が以前の6個より4個と少ないため、オリジナルより丈が4mmだけ短く、重さは200gほど軽くなっています。オリジナルと違い電源ケーブルは抜き差しできて、オリジナル同様に白(あるいはライトグレイ)と黒(オリジナルでは“スペースグレイ”と呼ばれていましたが、新しい方では“ミッドナイト”)の2色が用意されています。


オリジナルのHomePodの定価は$349でしたが( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-review-superior-sound-but-limited-by-siri/ )、その販売終了直前に$299(32,800円)に値下げされました。新しいHomePodも定価は同じ$299です(ただし、日本の定価は44,800円)。2020年12月に発売されたHomePod miniの定価は、現在も$99で変わりません(日本では11,800円から14,800円に値上げされています)( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-mini-review-siri-in-a-compact-speaker/ )。


■新しいHomePodの音はいかに


HomePodには、音楽の再生とSiriへの問いかけを理解して反応するという2つの仕事があります。私はオリジナルのHomePodのレビューで、次のように書きました( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-review-superior-sound-but-limited-by-siri/ ):


「HomePodは、前に飛び出して大きな部屋も埋めることができるふくよかな音を鳴らします。問題は、一つのタイプの音しか鳴らせず、それが低音過多なのです。」


Appleは、対策としてHomePodの設定を管理するHome Appに低音を減らすオプションを追加するとともに、低音を改善するためにHomePodのデジタル信号処理に変更を加えました。


私は馴染みの曲を集めたオーディオ試験用プレイリストを、新しいHomePodで再生してみました( https://music.apple.com/us/playlist/kirks-audio-test-tracks/pl.u-3rZysqvY4l )。私は曲の細部まで熟知しているので、オーディオデバイスの長所と短所を正確に判定できます。この試験では、直に耳を澄まして聴いた結果、この製品がオリジナルのHomePodより断然良い音で鳴ることがわかって驚きました。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/02/test-playlist.png


新しいHomePodもオリジナル同様に大きな部屋でも隅々まで音が届きますが、その音自体はそこまで強く鳴るわけではありません。曲によってはブーミーですが低音の反応は少し細くなっており、自分には低音を減らす設定は不要でした。音の特性はオリジナルより明るいのですが、ディテールは減っているように感じます。私の試験用プレイリストの一曲目は、ブラッド・メルドーのExit Music (for a Film)で、2番から小さなシンバルの演奏が出てくるのですがHomePodでは聴き取れませんでした。グレートフル・デッドのRippleは素晴らしい音でしたが、最後のボーカルの部分のハーモニーはちゃんと分離していませんでした。ヒリヤード・アンサンブル版のペロティヌスのViderunt omnesではボーカルの多声部でディテールが不足しており、個々の声を聴き分けるのは困難でした。とはいえ、私のプレイリスト内のシューベルトの弦楽四重奏における楽章は、予想より広い空間とディテールを持ち、思ったより遥かに良い音で鳴りました。


新しいHomePodはハイエンドを目指しているようで、それは幾つの曲で顕著でした。ボブ・ディランのDesolation Rowは良い音で再生され、特にアコースティックギターのリズムとソロギターのカウンターメロディはよく分離しています。ただしディランの声は、中域の多くが失われてしまっていました。これが新しいHomePodの最大の弱点かも知れません。低音のブーミーさは無くなり、高音は明るいですが、中域のトーンが失われているのです。この特徴は多くのボーカル曲で表れていましたが、インストルメンタルの曲でもわかることがあります。


次に新しいHomePodとオリジナルのHomePodを自分の机の上に30cmほど離して置き、両方とも同じ音量で鳴るようにiPhoneの音量を調整して比較してみました(ちなみに、新しいHomePodはオリジナルより音量設定一段階分音が大きく鳴っていました)。相互に切り替えて聴くと、その違いは明らかでした。新しいHomePodのより明るい音はオリジナルの低音過多の音よりもイキイキとしています。でも、この新しいデバイスでは多くの曲でちょっと高音が過多に感じられました。理想を言えば、その中間のちょうど良いHomePodがあったらよかった。曲によっては低音を減らす設定が必要ですが、別の曲ではこの設定はオフにしなければなりません。もっとも、Siriに低音のオン/オフを頼むだけのことです。


新しいHomePodは空間オーディオに対応しているので、Apple Musicでいくつかの曲をDolby Atmosで再生するとデバイスがオーディオに対してある種の空間を追加できることは明らかです。これは、異なるチャンネルのために複数のツィータを使っているためと思われます。微細な効果で、場合によっては音が痩せることがありますが、これは多分Atmos対応の曲のミックスが空間オーディオに最適化されていないことが原因でしょう。とは言え、特にグレートフル・デッドのFriend of the Devilやブライアン・イーノのThere Were BellsなどDolby Atmosでミックスされている曲には、驚くほど良い音で再生されるものがあります。


Apple Musicかライブラリ内の曲を再生している場合、Handoffを使って曲の再生をiPhoneからHomePodに、あるいはその逆に引き継ぐこともできます。これは、家に帰った時や部屋を移った時に、曲などを聴き続けるために便利です。

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/02/handoff.png


2台のHomePodでステレオペアを構築できるのですが、オリジナルと第二世代のデバイスを組み合わせることはできないので注意してください。音の特性もかなり違いますし、デジタル信号処理も異なります。オリジナルのHomePodを持っていて、ステレオペアを構築するために新しいHomePodを買ったとしたら、大失敗ということになります。


新しいHomePodとスマートホーム


AppleのHomeKitを使う新しいHomePodには、温湿度計が入っています(HomePod miniにも入っていて、最近になってHomePodの16.3ソフトウェアで利用可能になりました)。Siriに温度や湿度を確認することができますし、その数値をホームオートメーションのルーチンで使うことができます。今後のソフトウェアのアップデートで煙と一酸化炭素の警報に反応する音声検出機能が追加されますので、こうした警報に反応して自分に警告を送るようルーチンを組むことができます。HomePodは、スレッドベースのホームオートメートネットワークに統合できるスレッドにも対応しています( https://www.intego.com/mac-security-blog/how-to-use-thread-homekit-devices-with-apple-tv-and-homepod-mini/ )。新しいホームプロトコルのマターが登場したら、それにも対応します。


Siriは、大音量で音楽再生している時でもオリジナル同様によく反応します。私の問いかけを聞き取って、ちゃんと反応してくれます。もちろん、Siriが頼んだことを理解できるかどうかは、その技術が登場して10年経つ今でも確実ではありません。例えば、HomePodのSiriに買い物リストに項目を追加するように頼んでから何かを後で通知してくれるように頼んだところ、その通知を私がパートナーと共用している買い物リストの方に追加してしまいました。iPhoneやApple Watchなら、通知を正しく通知リストに追加してくれるのにです。そして、度々「なにか問題が起こったようです。もう一度お願いします」という回答を受け取りました。


$14,800円のHomePod miniでもSiri、スレッド、そしてマターのすべてが使えますし、iPhoneやApple WatchでSiriを介してあらゆる制御もできるわけで、新しいHomePodを買った場合の差額である3万円はより高品質なスピーカーの値段だったということになります。Sonosのスピーカーは空間オーディオには対応していませんから単純に比較はできませんが、HomePod同様に高音質のSonos Oneは、現在31,800円の定価で販売されています。Alexa用のマイクが付かないSonos One SLは、たったの29,800円です。


2018年にオリジナルのHomePodが発売された時( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-compared-to-sonos-one/ )、私は似たようなApple HomePodとSonos Oneを比較したレビューを書きました。その時、私はSonosの方が好みだと思いましたが、新しいHomePodは発売当時より価格が安い上に音も良くなっているので、十分に競合し得る製品に生まれ変わったと思います。


■新しいHomePodはその値段に見合う価値があるでしょうか


高音質のブックシェルフ型ステレオスピーカーも欲しいけど、値段を考えれば音質は劣るけど使いやすい1台のスピーカーでも良いのかもと悩んでいる人になら、音が格段に良くなった新しいHomePodをお勧めすることができます。HomePodならアンプは要らないし場所も取らないので、立派なサウンドシステムを必要としない部屋には良い選択肢です。新しいHomePodをステレオで聴いたことはありませんが、オリジナルのデバイスをペアにして聴いた個人的な経験から推測して、やはり以前より音は良くなっているはずです。8万円も出すならアンプと高音質のブックシェルフスピーカーが手に入りますが、用途と目的によってはHomePodのペアの方がより良い選択肢だということもあり得るでしょう。


■お使いのMacは安全ですか?


Mac にも セキュリティー対策は必要です。

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

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今なら、バレンタインキャンペーンを実施中。www.act2.com のトップバナーから)ぜひこの機会をご利用ください。


もう少し、寒い日がまだ続きそうですが、皆様どうかご自愛くださいませ。

株式会社アクト・ツー

Software Product Team 一同


2023年1月27日金曜日

Apple の最新CPU及び各最新モデルのポイント

 



今日の内容は、Apple の最新CPU及び各最新モデルのポイントチェックです。


(この内容は、2023年1月18日にKirk McElhearn(https://www.intego.com/mac-security-blog/author/kirk-mcelhearn/)によってMac Security Blogに投稿されたApple Announces M2 Pro & M2 Max Chips, New MacBook Pros, New Mac mini, and New HomePodの翻訳です)


Appleの純正プロセッサは順調にアップグレードされていて、同社はM2 ProおよびM2 MaxというM2チップの新しいバージョンを発表しました。これらの新しいプロセッサは、M1 ProおよびM1 Max同様の機能を持っていますが、より多くのコア、より多くのメモリへの対応、そして消費電力の縮小などさらに進化をしています。


同社は、同時にこれらのより高速で高機能なプロセッサを搭載したM2 Mac miniおよび14"と16" MacBook Proという新しいMacを公開しました。さらには、どういうわけか2年前に販売終了したフルサイズのHomePodも復活しました。


■AppleのM2 ProおよびM2 Maxプロセッサ


AppleがそのM1チップのProおよびMaxバージョンを発表したのは、たった15ヶ月ほど前です( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-goes-pro-in-second-homegrown-silicon-salvo/ )。これらのプロセッサは、チップ上のCPUおよびGPUコアの数を増やし、メモリ帯域幅を増やし、電力消費を抑えたものでした。AppleはM2プロセッサでもM1の時と同様の改良を加えたM2 ProとM2 Maxを発表し、新しいMacに搭載して出荷開始します。


M2 Proは、最大12個のCPUコアと最大19個のGPUコアを持ち、32 GBのユニファイドメモリに対応します。M2 Maxはその上を行き、最大38個のGPUコアと2倍のユニファイドメモリ帯域幅を持ち、最大96 GBのメモリに対応できます。それ以上のメモリに対応するAppleのプロセッサは、128 GBのメモリが扱えるMac Studioに搭載されたM1 Ultraだけです。


Appleは、XcodeとPhotoshopでそれぞれ25%および40%の処理速度の向上を確認し、このような高速化はプロセッサ負荷が高い他のアプリでも体感できるとしています。例えば、12コアのM2 Proはほとんどの処理を行う高効率コアを4個持ち、さらに負荷の高い処理を行う高性能コアを8個持っていいます。これはM1 ProおよびMaxより2個多く、最大38個のGPUコアについてもM1チップの32個より多くなっています。最大の変更は、これらのチップが扱えるメモリサイズで、M2 Maxの場合は最大98 GBとなっています。


■新しいMac mini

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/01/mac-mini-back.jpg


Mac miniは、2020年後半にAppleのMシリーズプロセッサに移行した最初の製品の一つです。今回の新製品では数ヶ月前から提供開始されていたM2プロセッサを搭載するとともにM2 Proオプションも用意されています。価格を見ると、エントリーレベルの8 GB / 256 GBの機種は、ファイルサーバや基本的な計算処理に使われる小型のMacとしては破格の値段設定と言える84,800円に値下げされています。M2 Proを搭載するハイエンドの機種では、最大32 GBのメモリおよび8 TBのストレージ容量で構成できます。M2では2台、M2 Proでは3台のディスプレイに対応でき、それぞれ2個あるいは4個のThunderbolt 4ポートを持ちます。この全てが新しくなったMac miniは、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.3を搭載し、Appleではどちらの機種も「ハイインピーダンスのヘッドフォンに対応するアップグレードされたヘッドフォンジャック」を持つことを強調しています。さらに、10 GB Ethernetのオプションも用意されています。


今回の新しいMacは、M2の機種が84,800円から、M2 Proの機種は112,800円からで、1月23日に受注開始されて2月3日から出荷開始されます。


■新しい14"および16" MacBook Pro

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2022/06/14-16-mbp.jpg


言うまでもなく、前述のM2プロセッサの改良は新しいMacBook Proモデルにも適用されます。M2 Proチップに加え、これらの機種では最大38個のGPUコア、より高速なメモリ帯域幅、そして96 GBのメモリに対応するM2 Maxも提供されます。ラップトップにこれほどのグラフィック能力とメモリを必要とする人がいるのか疑問に思うかも知れませんが、これらのラップトップでは8Kディスプレイに接続することが可能で、接続するとなればそれなりのパワーが必要になるのです。これらの新機種には、ハイインピーダンスヘッドフォンジャックに加え、3個のThunderbolt 4ポート、Wi-Fi 6E、そしてBluetooth 5.3が搭載されています。


以前の機種と同様に価格は178,800円および288,800円から始まり、すでに受注は開始されていて2月3日からの出荷となります。


■“新しい”HomePod

https://www.intego.com/mac-security-blog/wp-content/uploads/2023/01/new-homepod.jpg


Appleが新しいMacを発表した翌日、同社から唐突にHomePod(第2世代)と呼ばれる新しいフルサイズのHomePodが発表されました。見た目は2021年3月に販売終了した以前の機種と全く変わらず( https://www.intego.com/mac-security-blog/opinion-apple-discontinues-the-homepod-is-that-the-end-for-apple-and-home-audio/ )、追加された機能は温度と湿度センサーだけです。これで、Siriを使ってHomePodに室温を尋ねることができます。これをすごい新機能と呼ぶべきか... なお、温度と湿度センサーはHomePod miniにも入っているので( https://www.macrumors.com/2021/03/22/homepod-mini-temperature-humidity-sensor/ )、HomePodソフトウェアのアップデートでこの機能が使えるようになることは注目に値するでしょう。


最初のHomePodの価格は$349ですが、音質が今ひとつだったので価格が高すぎると言われました( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-review-superior-sound-but-limited-by-siri/ )。その製品生命の終焉が近づくと、Appleは価格を$299に下げて日本でも32,800円で発売しました。この$299と言うのは、奇しくも新しいHomePodと同じ価格設定です(ただし日本での価格は44,800円)。ほとんどの人にとって、機能的にはHomePod Miniで十分満足できるでしょう( https://www.intego.com/mac-security-blog/apple-homepod-mini-review-siri-in-a-compact-speaker/ )。ただし新しいHomePodの音質が向上しているかは、現時点ではわかりません。2台のHomePodがあれば映画やTV番組をApple TVで観る時に最適なステレオペアを構築できますが、数万円で品質の良いサウンドバーが買える時代に9万円かける価値があるかは疑問です。


HomePod(第2世代)の受注は開始されており、2月3日から出荷開始となります。


■お使いのMacは安全ですか?


Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://www.act2.com/intego



さてさて、火曜日から始まった10年に1度の強烈な寒波。

全国各地でこの寒波による様々な被害が報道されています。

どうか、皆様、おケガや災難に会われることなく、今しばし辛抱しましょう。

皆様の安全とご健康をお祈りしております。


株式会社アクト・ツー

Software Product Team


2023年1月17日火曜日

TechTool Pro が Ventura (macOS 13) を完全サポート

 



親愛なる act2.com ユーザの皆様へ

 

たいへんお疲れさまです。

いつもact2メルマガをご覧いただき、ありがとうございます。

 

 

たしか、 本日のランチタイムあたりに「Appleの衝突事故検出機能」 についてのメルマガを お届けしたばかりですよねぇ…  皆様、お忙しい中、たびたび申し訳ございません。

 

しかし、急ぎお伝えしたいことがあり、このメルマガを書いております。

 

TechTool Pro が macOS 13 Ventura に完全対応しまして、1/19 から発売することになりました。

 

TechTool Pro のような ソフトウェア製品は、 もちろん、開発スケジュールを立てて開発を進めるわけですけれども、 思わぬ難所に遭遇したりすることは 珍しくなく、 よって、 開発ロードマップを公開して、事前に発売日をお知らせする、 ということが大変難しい製品です。

 

もちろん Ventura がまだベータ版のころから、 それに、対応したバージョンの開発を続けてきたのですが、 上述のように、 リリース日を明言することが難しく、 沈黙の期間が続きました。2週間ほど前に FC (Final Candidate) が上がり、さらに慎重を期して、つい先日、US でやっとリリースいたしました。 弊社も万全を期して、もろもろ準備を進めてきておりまして、すみやかに公表できるところへこぎつけました。

 

正式な発売日は 1/19 を 予定しております。 それまでは WEB ページ上は v.16 のままです。1/19 に切り替わります。

 

あと2日ほどですが、 ダウンロードストアの調整のために、本日から 1/19 までは、TechTool Pro はダウンロード販売が一時的にサスペンドされます。

 

それから、販売面につきまして、4点ほどお伝えさせて頂きたいことがございます:

 

1)価格はほぼ据え置きです。弊社は「ワールドプライスキープ」を基本理念としております。US価格が据置きでも昨今の円安を考慮しますと日本プライスは値上げせざるを得ないのが道理なのですが、弊社は日本円を据え置くことにいたしました。(これで US のユーザさんが act2 ストアで購入してくださると良いのですが (^^)

 

2)TechTool Pro v.16 が出たのがまだ半年ほど前のことですので、「もうアップグレードかよ!」と、ちょっとムカッときたのはお客様だけでなく、私も同じ心境です。それで、こうします。通常ですと、新バージョンの発売 30日以内にご購入頂いた方へは無償アップグレードを提供しておりますが、今回は、その期間を 60日とさせていただきます。どうかこれでご了承いただけますでしょうか?

 

3)従来、アップグレード料金は、直近のバージョンからのアップグレードとそれより古いバージョンからのアップグレードでは相違がありましたが、今回から、アップグレード料金は「どのバージョンからでも」同一になります。

 

4)最後に、今回から「サブスクリプション形式」も導入いたしました。特に法人様名義でご利用いただいている場合、経理的にも処理が単純になりますし、なにより、今まで「このバージョンはスキップする」というケースにおいて皆様お悩みになられたことと思いますが、その負荷が軽減されると思っております。

 

以上が、このメールの主旨になります。

 

TechTool Pro 17 は、これといって目新しい機能は追加されておりませんが、なんといっても「 Ventura に対応した」という点が最重要点になります。

Ventura はすでに多くの Mac ユーザさんがお使いになられて実感されていると思いますが、機能的にも性能的にも素晴らしい出来栄えだと思います。(それゆえに TechTool Pro の開発にも多大な労力が必要でした)

 

昔は、TechTool は単なる Mac のハードディスクの修復ツールでした。しかし、今日では、SSD の微妙な寿命のステータスを事前に検知したり、常時、ドライブの稼働状況をバックグラウンドで監視したり、Mac に搭載されているさまざまなセンサーのチェックをしたりと、ずいぶん仕様も変わりました。現在のコンピュータのアーキテクチャの宿命である「ボリューム構造」のチェック・再構築は健在で、Ventura においても大きな貢献をするだろうと思っています。

 

 

今年の act2.com のキャッチコピーは(年頭に何度も書き換えましたが..)「健全な IT 環境を」としました。これは、クラウドプラットフォームだけでなく、手元にあるクライアントマシンも健全でなければならない、という思いからです。

 

その観点から Mac にはぜひ、TechTool (と Intego セキュリティ)は必須のツールと思っています。

 

念のために TechTool Pro 17 に関する画面ショットを何点が載せておきますのでご参考にしていただければ幸いです。









以上、取り急ぎ、1日に2度もメルマガをお送りすることになってしまい、たいへん失礼いたしました。

 

みなさまのご健康とご発展を、心より祈念しております。

 

敬具

株式会社アクト・ツー

代表

加藤幹也 拝

 

&

 

株式会社アクト・ツー

Software Product Team

 一同

Appleの衝突事故検出機能は、誤作動しすぎるのか?

 

今日の内容は、「Appleの衝突事故検出機能は、誤作動しすぎるのか?」Apple Watch が急激な衝撃を感知したときの動作についてです。


(この記事は、2023年1月11日にKirk McElhearn(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/s7r3ausut3br/8n8vgqfy/)およびJoshua Long(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/q7g1irz4e8e9/8n8vgqfy/)によってMac Security Blogに投稿されたIs Apple’s Crash Detection causing too many false positives?の翻訳です)

 


昨年Appleは、iPhone 14、Apple Watch SE(第二世代)、Apple Watch Series 8、そしてApple Watch Ultraを対象に衝突事故検出機能を提供開始しました(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/deh1r0eur6bv/8n8vgqfy/)。この機能は、「衝撃、圧力の変化、そして騒音レベルと組み合わさった速度変化」に加えて重力加速度の突然の変化を検出すると発動します(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/c9jwn1g6gkn1/8n8vgqfy/)。衝突事故検出機能が発動すると、救急サービスに事故があった旨の警告と共に正確な場所が通報されます。

 

衝突事故検出機能が期待通りに作動すれば、人命救助につながるでしょう。例えば、この機能のおかげで事故に巻き込まれた奥さんを、旦那さんは救急車が到着する前に見つけることができたそうです(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/a3s9s4nzhqrw/8n8vgqfy/)。

 

しかしAppleの衝突事故検出機能では、多くの誤作動も報告されています。どうしたら良いのでしょう。この機能は、無効にするべきでしょうか。無効にした方が良いとしても、どうやって無効にするのでしょう。この記事では、衝突事故検出機能の現状を分析すると共に、Appleがどのように機能を改良するべきかにも触れたいと思います。

 

■誤作動が救急サービスに不要な負担をかけています

 

誤作動に関する初期の報告は、ローラコースターの乗客から始まり(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/t3ct24axaubd/8n8vgqfy/)、スキー場で転倒する人々へと広がりました(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/kqo8o7twi349/8n8vgqfy/)。カナダでは、ヘリコプターでの長時間の捜索に発展し(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/o7q4jqv0uzwy/8n8vgqfy/)、騎馬警官隊が被害者とされる人が無事かどうか確認するために、そのご近所を一軒ずつ回る羽目になりました。

 

今がウインタースポーツのシーズンであることも重なり、この機能の誤作動はよくニュースで取り上げられています。特にスキーで誤作動が多発しており、コロラド州の一部では救急サービスが毎日3~5回の通報を受け取っています。(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/x3kmx9iyw1v4/8n8vgqfy/)。ほとんどの場合は救急車を必要とするほどの事故ではありませんが、救急サービスではこの機能を無効にすべきだとは考えていません。ゲレンデで転倒したならその場で誰かに助けてもらえるでしょうが、ゲレンデ外に出たらこの機能で命が助かることもあり得るからです。

 

でも、ミネソタ州の一部では救急サービスがこの機能の無効化を呼びかけています。スキーヤーやスノーモービルのドライバ達がこの機能を有効にしていて、通報があったスキーヤーを探した結果、怪我をしていないことが確認できるまで4時間もかかったからです(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/bpu1j8a1w726/8n8vgqfy/)。

 

iPhoneあるいはApple Watchが事故を検出すると、10秒間のカウントダウンが始まり、同時に持ち主の注意を引くために大きな音を鳴らします。何もしないと、次の10秒間のカウントダウンの後に地元の救急サービスに電話をかけます。でも、重大かどうかに関わらず、事故があってもApple WatchやiPhoneの音に気づかないということがあるのでしょう。Apple Watchを分厚いスキーグローブの下に付けていて、しかもヘルメットも被っていたら音は聞こえないかも知れません。 iPhoneがポケットにあり、分厚いスキーパンツを履いていたら、やはり音は遮断されてしまうかも知れません。

 

さらに複雑なのは、付けているグローブが静電容量式タッチに対応していなければ、限られた時間以内に画面をタッチして救急発信をキャンセルすることは難しくなるでしょう。

 

衝突事故検出機能は命を守る大事な技術ですが、誤作動が多すぎてはいけません。ミネソタの郡保安官は「派遣センターでは通報の対応に時間を割かれており、誤作動であることが確認できない場合は保安官代理を派遣しなければならず、事務所が小さいこともあり、現場へ赴いて通報の内容を確認することが大きな負担になっている」と言います。

 

■衝突事故検出機能は無効にするべきか

 

この機能を無効にしてしまうと、特に危険な活動を行なっていたり毎日車で移動しているなら、事故が起きても助からない可能性があるでしょう。

 

しかし救急サービスが衝突事故検出機能を無効にするよう要請している地域に住んでいるなら、従うべきか悩むところです。

 

例えば、遊園地やスキー場に遊びに来ただけなら、善良な市民として衝突事故検出機能は無効化するべきかも知れません。

 

いずれにしろ、誤作動を引き起こす可能性がある活動を始める際、特に危険はないと思われるなら、この機能を無効にするべきです。ただし、何らかの事故に巻き込まれた際に衝突事故検出機能が無効だったら意味がありませんので、機能を再度有効に戻すことを絶対に忘れてはいけません。

 

この機能を、常に無効にしておくのは危険です。自動車事故に巻き込まれるなど、自分に代わって自動で救急サービスに連絡をしてもらう必要がある事態に陥った時、この機能が有効でよかったと思うはずです。

 

■衝突事故検出機能をオン/オフする方法

 

Appleは、衝突事故検出機能を一時的に無効にするための方法を説明する記事を公開しています(https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/deh1r0eur6bv/8n8vgqfy/)。

 

iPhoneで衝突事故検出機能を無効にするには、設定 > 緊急 SOS を開き、「激しい衝突事故発生後に電話」をオフにします。

 

Apple Watchで衝突事故検出機能を無効にするオプションは2個あります。iPhoneでWatch Appを開き、マイウォッチタブで「緊急 SOS」を開き、「激しい衝突事故発生後に電話」をオフにします。あるいは、Apple Watch自体で設定 > SOSを開き、「激しい衝突事故発生後に電話」をオフにします。

 

この機能を無効にしたら、誤検出を招きそうな活動を終了次第、忘れずに再度有効に戻してください。

 

衝突事故検出機能を再度有効にするには、前述の手順を踏み、最後に「激しい衝突事故発生後に電話」をオンに戻します。

 

Appleは、緊急 SOS をキャンセルしたユーザが同社になぜキャンセルしたのかを説明する手段をiOS 16.2で導入しました。これは、iPhoneあるいはApple Watchでボタンを押し続けることで自ら意図して発信した通話をキャンセルした場合を対象にしており、ユーザが意図してこの機能を呼び出したのかを確認するダイアログが表示され、機能がどのように利用されているかAppleが分析できるように同社にログを送るか確認されます。Appleはこの機能を改良するためのデータを集めているようなので、多分、衝突事故が検出されたけれどキャンセルされた場合にも同じダイアログが表示されるものと思われます。

 

■衝突事故検出機能の誤作動を減らすためにAppleができること

 

前述の通り、Appleは誤作動による緊急発信を減らす方法を探るためにデータを収集しています。

 

そして、明らかにAppleが今すぐできる改良があります。例えば、遊園地にある動きの激しいローラコースターのGPS座標など誤作動が起きやすい場所の周囲に仮想的な境界線を設けることです。こうした境界内で衝突事故検出機能が作動しても、Appleが発信を無視することができるでしょう。周囲の駐車場や道路など、ユーザが本当に自動車を運転している場合は衝突事故検出機能が通常通り動作するくらいに境界範囲を狭く設定しておくことができれば、理論上は誤作動を減らす簡単な対策の一つとなるはずです。

 

スキー場のような他の場所では、Appleにそこまで単純な対策の選択肢はなさそうです。

 

言うまでもなく、Appleは今後もこの機能を改良し続けると思われます。iOSおよびwatchOSのアップデートで対策が追加され、今後の数ヶ月で誤作動は減っていくでしょう。

 

安全対策およびセキュリティ機能は、常にリスクと利便性のバランスの上に成り立っています。命を守るための機能が登場すると、その機能が期待通りに動作するようになるまで改良が必要になるのは仕方がないことでしょう。

 

■お使いのMacは安全ですか?

 

Mac用のセキュリティソリューションを検討しているなら、ACT2の次のIntego製品ページで機能や目的に合った製品があるかご確認ください:

https://i.r.cbz.jp/cc/pl/kfwb7399/r935ahr7lsj0/8n8vgqfy/

 


2023年が始まりました。元気にスタートダッシュでいきましょう!そのためにも「健全な IT 環境」は必須です。Mac にも正しいセキュリティツールを入れておく習慣をつけましょう!


この記事にある「Appleの衝突事故検出機能」は筆者自身、2度体験しています。これはいい機能ですね!

しかし、この機能が動作しないことが一番良いことですから、どうかみなさま、お気をつけくださいませね。

ちなみに、私の2度の経験というのは、いずれも「室内転倒」でした!(おバカ)



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