2012年12月25日火曜日

解説:よくわかるバッテリーのお話


Gigazine さんのこのレポート:


は、iPhone 5 のバッテリー仕様を教えてくれています。(さすが Gigazine さん!)

3.8V, 1434mAh

これは、3.8V の電圧で出力し、容量(放電容量)は 1434 mAh ということです。




電気に詳しい方にはごめんなさいね、あまり詳しくない方のために、今回はバッテリーの基本的な考え方と選び方について書いてみます。



V は「ボルト」で電圧、これは「押し出す力」。よく水道の例を出されますが水道に例えるならば落下する高さ、やっぱり押し出す力、「圧力」と言えます。

一方、mAh は「ミリ・アンペア・アワー」と呼びます。これは、「流れている電気の量(電流) ✕ 空になるまでの時間」のことです。

ですから、"1434 mAh" というのは「1434 mA の電流を 1 時間流すことをができる」という意味です。(あくまでも計算上)



アップル社の下記の web ページ:


によると、そのページの右下のほうに、下記のように記載されています(以下、そのまま引用):

連続駆動時間1

元のバッテリー容量をフル充電したiPhone 5では、最大8時間の通話時間(3G)、10時間のインターネット使用(Wi-Fi)、10時間のビデオ再生、40時間のオーディオ再生が可能です。また、iPhone 5の連続待受時間は最大で225時間です。


ここから言えることは、例えば、
10時間のインターネット使用(Wi-Fi)
ということは、前述の iPhone 5 のバッテリー仕様「1434 mA の電流を 1 時間流すことをができる」から逆算すると、インターネット使用(Wi-Fi)には 143.4 mA の電流を要する、ということになります。(あくまでも計算上)
GPS を使った Navi を使っていると消耗が早いのはもっと多くの電流を必要とするからだという察しがすぐにつきますね。



さて、ここからが今回のトピックの本論で、



「わたしはどんな予備バッテリーを選べばいいの?」と迷われる方が多いと思います。上記の電気の基本がわかれば、簡単に計算できます。

例えば、ベストセラーを更新中の Mipow Power Tube シリーズを例にして考えてみましょう。


このブログでもよく登場してくる Power Tube シーリーズ(以下、PT と呼びます)の角柱型で見てみましょう。
このシリーズには
PT-3000
PT-4000
PT-5500
などが主力ラインナップになっていますが、PT シリーズの場合、その名前の数字がそのまま mAh を示していて、どれも Output: 5V/1A と記載されています。


PT-3000 を例に取ると、
「5V の電圧で 1A (=1000mA) の電流を流すことができ、総容量は 3000 mA である」ということです。
違う言い方をすると、
「5V の電圧で 1A (=1000mA) の電流を 3時間流し続けることができる」ということです。(あくまでも論理上)

ということは、iPhone のバッテリー容量は 1434 mAh ですから、
PT-3000 は
容量的には 3000mAh ÷ 1434mAh = 約 2.1 倍(約 2.1 回分)の容量を持っており(あくまでも論理上)、
1回の充電に要する時間は 1434mAh ÷ 1A(=1000mAh) = 1.434 時間 ということになります。(あくまでも論理上)
なぜならば流せる容量が 5V/1A が示す通り 1000mA ですから

PT-4000 は
容量的には 4000mAh ÷ 1434mAh = 約 2.7 倍(約 2.7 回分)の容量を持っており(あくまでも論理上)、
1回の充電に要する時間は、これは同じく 1434mAh ÷ 1A(=1000mAh) = 1.434 時間 ということになります。(あくまでも論理上)

PT-5500 は
容量的には 5500mAh ÷ 1434mAh = 約 3.8 倍(約 3.8 回分)の容量を持っており(あくまでも論理上)、
1回の充電に要する時間は、これも同じく 1434mAh ÷ 1A(=1000mAh) = 1.434 時間 ということになります。(あくまでも論理上)

つまり、充電できる回数が違うのですが、1回の充電に要する時間は同じ、ということがわかります。

これらはあくまでも論理上の計算値ですから、実際には、これほど充電できません。
2割から3割くらい差し引いたところが実際の値ではないでしょうか。(環境や寿命にもよります)


これらのことは HyperJuice の Mini (7200mAh), Micro (3600nmAh), Nano (1800mAh) シリーズにも言えることです。



まあ、単純に言えば、容量が大きいほど充電できる回数が多い、というわけで、みなさん自身のライフスタイルに合った容量(そして形およびカラー!)を選んで頂ければよいと思います。



ちなみに、iPhone 5 に付属の 電源アダプタ(下の写真右側のサイコロのような形の、コンセントに差し込むパーツ)の出力も Output: 5V/1A と記されています。


ですから Mipow や HyperJuice のバッテリーは Apple 純正の電源アダプタと同じ出力仕様になっているわけですね。


ところで iPad はどうなんでしょうか。
iPad に付属の電源アダプタ(サイコロよりでっかい)の出力仕様は 5.1V/2.1A となっています。(上の写真の左側のもの)

同一時間内に iPhone の電源アダプタの約 2倍の電流を供給できるわけですね。
PT-3000 でも iPad を充電することはできます。しかし、iPad 付属の電源アダプタの半分の速度でしか充電できません。
iPad のバッテリー容量については現在知り得ておりませんので、また調べて報告します。


Mipow の場合、最近人気急上昇中の Power Cube 8000 が登場したわけですが、
この出力仕様は、Max Output: 5V/2.1A となっていて、まさに iPad への充電を想定しているわけです。



あー、それから、HyperJuice の名を世に知らしめた MacBook に給電できる HyperJuice シリーズについては、また別の角度からの説明が必要ですので、機会を改めて解説しようと思います。



今日はここまで...
基本的な内容でしたので、知識豊富なユーザさんには失礼しました!
最後まで読んで下さって、誠にありがとうございました。

( MikiyaKato )

余談:
エイをトピックに使ってしまったので、今回、余談がありません...