2013年1月28日月曜日

解説:よくわかる VMware FUSION 第五章( Windows 8 DSP 版 インストール編)





これまで、「よくわかる VMware FUSION 」シリーズとして:

と、コンピュータの仮想化の基本的なことについて述べてきました。今回は実際に Mac に Windows 8 仮想マシンをインストールする手順と注意事項について述べます。「インストール編は必要ないだろう...」と思ったのですが、意外な盲点があり、記載することにしました。



VMWare Fusion 8


まず、1月末でマイクロソフトさんの Windows 8 アップグレードキャンペーンが終了し、アップグレード版より DSP 版のほうが安くなります。そうなると、DSP 版を買ったほうが断然「お得」です。なぜなら、アップグレード版では今まで使ってきた既存のバージョン、例えば、XP とか 7 などをアップグレードするわけですから、アップグレードの対象にした旧 OS はなくなります。しかし DSP 版は新規インストールですから、既存の Windows OS を残したまま新しく Windows 8 を持つことができるのです。
そもそも。DSP 版とは何か?これは本来、自作機用に用意されたパッケージで、OS 自体は何ら変わらないのですが、(どんなマシンにインストールされるかわからないために)サポートが付かない、そもそも安価なためにアップグレードという概念がない。さらに、何か自作パーツと一緒に購入しなければならない、というパッケージです。

今回からマイクロソフトさんのポリシーが変わり、何か自作パーツと一緒でないと購入できない、という制約がなくなり、単体で購入できるようになりました。
そうなると、違いは、将来的なアップグレードの有無とサポートが付かない、ということですが、そもそもアップグレード版より安いため、マイナス要因はサポートの有無だけです。
act2 では VMware FUSION と同時に、この DSP 版を主体に販売してきました。今回の Windows 8 においても同様です。「アップグレード」して以前の OS がなくなってしまわないように。そしてインストールのサポートは行なっています。
これらのことを考慮すると、新規インストールにはこの DSP 版を選択することが「賢い」選択と思われます。

さて、本論に入りますが、これはたぶん DSP 版に限らず全てのエディションに言えることだと思われますが、インストールの際に1ヶ所だけつまづきそうなところがあります。

以下、VMware FUSION の仮想環境のもとに Windows 8 をインストールしていく過程を見て行きましょう。


仮想マシンライブラリの左上のアイコンをクリックして「新規」を選択してやれば、あとは簡単です。基本的に。
Windows 8 の DVD メディアを入れるタイミングはいつでもかまいません。VMware FUSION を起動する前に挿入して Mac 側でマウントされていても、VMware FUSION が「新規インストール」を試みる際に自動的に検出します。
さっさと前に進みましょう。


ここで、Windows 8 のライセンスキーを入力し、どんどん進みます。


問題はここです。この直後、以下の様なメッセージが出ました。
「無人応答ファイルに無効なプロダクトキーが含まれています。Windows のインストールを続行するには、無人応答ファイルから無効なキーを削除するか、または、無人応答ファイルに有効なプロダクトキーを提供してください。」


あー、プロダクトキーを打ち間違えたか...
パッケージに記載されているライセンスキーの文字はなんで今回からこんな小さな文字(!)になったのでしょうか?実際、私は 8 と B の区別がつかず、てっきりそれが原因だと思ってやり直しました。

インストールのやり直し方は簡単で、インストール作業自体をサスペンドして、ライブラリウインドウから削除してしまえばいいです。
で、また初めから... 

しかし、なんと、また同じメッセージが...
繰り返しになりますが、パッケージに記載されているライセンスキーの文字が小さすぎて、よくわからんのです!今度は 5 と 6 を間違えたのかと思い、また一から出直し!

ところが、またもや同じエラーメッセージが出ました。元来私は同じ間違いを二度繰り返す体質なのです。2回失敗してはじめて「ちょっと待て...」と考えました。このメッセージは、何か他の要因ではなかろうかと...
Windows OS はインストールする際にいろいろな内蔵機器の確認をします。で、それは非常にデリケートなプロセスです。Windows 8 側なのか VMware FUSION 側なのかはわかりませんが、何かそこで整合性がとれていないのではないか...
そこで、インストール時の「詳細設定」画面を調整してみました。
真っ先にあやしい... と思った「フロッピー」
これが「オン」になっているのですが
これを「オフ」にしてやることで正常に前に進むことができました。
Windows 7 の時にはこんなことはなかったのですが... Windows 8 のインストールプロセスにおいて何か変更が施されたのでしょう。そこから先は特に考えることもなく、ダイアログに従っていけばOKです。


こっちを選ぶ。

ここでちょっと注意。マイクロソフトの Live アカウントを予め取得しておくと、ここでそのアカウント設定をすることで後が楽です。(必須ではありませんが)



以上の説明を経て、無事完了。

VMware FUSION 5 の仮想マシンライブラリウインドウで確認することができます。また、DSP 版の新規インストールですので、Windows XP も Windows 7 も従来のまま仮想マシンとして残っているのがわかります。


というわけで、まとめです:
1)Windows 8 はアップグレードより DSP 版で新規に入れるべし。過去の OS を残しておくためにも。
2)インストール時に「詳細設定」オプションで「フロッピー... 」を「オフ」にすること。
3)ライセンスキーを見間違えないように虫メガネを用意しておくと間違いがないこと。


ちなみに、8 か B かは「8」が正解で、5 か 6 かは「6」が正解でした。(~~

なお、すでに持っている Windows OS を Windows 8 にアップグレードする際には
「検証:Mac 仮想環境を Windows 8 にアップグレードする際の最大の注意点」も参考にしてください。

( MikiyaKato)

追伸:
このシリーズの展開なのですが、次回 VMware Tools について解説し、それをもって「よくわかる VMware FUSION」を完了し、その後、「実践 VMware FUSION」シリーズに続けたいと思っております。
VMWare Fusion 8